表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/47

次の日


「ごめんね、僕のせいでこんなことになっちゃって。」


「いえいえ!私もぼーっとフラフラ歩いていたのが悪いんです。」


「いきなり異世界とか魔法とか、びっくりしたよね??

本当に、巻き込んでごめんなさい。」


そういうと泣きそうになった月島くんは頭を下げる。


「そ、そんな!気にしないでください!

最初はびっくりしたし信じられなかったけど、普通だったら体験できないような事なんです。

こんなことになった以上、私なりに楽しんでみます!」


笑いながら言うと、月島くんも嬉しそうに笑った。


「ははっ、そっか!!

バレちゃったのが文月さんみたいな人でよかった!

・・・弓波さんも、愛想悪いけど本当はいい人なんだ。だから安心して!」


「は、はい。

あ、家すぐそこなので、もうここで大丈夫です!

送っていただいてありがとうございます。」


「うん!

じゃあ、また!」


月島くんを見送り家に入り、ベットに倒れ込む。


「つ、疲れた〜。」


まさか、家の近くにあんな所があったなんて。

今でも夢かと思うくらい信じられない。




「んー。もう朝か。」


昨日帰ってすぐベットに寝転び色々と考えていたはずだがそのまま寝てしまったようだ。



いろいろ考えていたけれど、色々ありすぎていつも以上に疲れていたからか気がついたら眠りについていた

昨日の出来事。夢かとも思ったが、手当てされた手足と首についた美しいネックレス。

どうやら現実らしい。


「時間やっば。会社いかなきゃ。」


まだまだ考えたいこともあるし頭はぜんぜん追いついていないけどとりあえず急いでシャワーを浴び会社に向かう。



「あっ。おはようございます。」


「おはようございま〜す!」


朝から花守さんに会うなんてついてない。


「・・・あれ?文月さん、アクセサリーつけてるの珍しい〜!どうしたんですか〜??」


「ちょっと、気分で。」


「彼氏さんがらのプレゼントですかぁ?」


ニコニコしているが、地味でブスなあなたに彼氏なんかいるわけないでしょ、という感じか透けて見える。


「違いますよ。」


「そうですよね〜。

うふふっ。それじゃ、私書類出してくるんで、また。」


馬鹿にしてる。


たしかに、私は地味だ。眼鏡だ。

もともと地味な上に就職してからは崩れた生活が祟ってお肌もくすみ、クマもできている。太りもした。

髪や爪などお手入れに行く時間もあまりないしお化粧も最低限だ。


たしかに私は地味よ!けど、時間がないのはあなたのせいでもあるじゃない!!

毎日残業残業残業で。


私の毎日の残業は花守さんに面倒な仕事を押し付けられているからでもある。


「はぁ。」


朝から最悪の気分。

私は今日中に終わらせなければいけない仕事に取り掛かった。




「はぁ、やっと終わった〜」

時計は20時を回っている。定時は18時だけどね。

今はそんなに忙しい時期ではないし、これでも遅い日にくらべると全然早い方だ。



「ご飯買って帰ろ。」


そう思った瞬間ネックレスが目に入る。


「あ・・・。

これって本当に行かなきゃだめなのかな〜。

知らんぷりしちゃだめ??

けど、こんな高そうなネックレス預かっちゃったしなぁ。」


はぁ、行くか。


電車に乗り込み最寄駅に着き、昨日連れて行かれたお店に歩いて向かう。


ぁあ〜、着いちゃったよ。入りづらい。

ていうか、本当に入っていいの??

昨日のって現実??

私の頭がおかしくなったんじゃない!??


門の前でいろいろ考えていると、扉が開いた。


「遅い。」


「これでも仕事が終わって、そのまますぐ来たんですよ。」


むっとしてそういうと


「ここに来ようか迷っていたことなどわかっているぞ。

入りなさい。」


昨日は慌てていてゆっくり周りを見る暇がなかったが店に入るとそこは文月が知っているような店とは雰囲気が違った。


「うわぁぁ、すごい。」


見たことのない植物や宝石、瓶に入った液体。映画にでも出てきそうな店内だ。


「ここに座りなさい。」


そう言って弓波は飲み物を出してくれる。


「いい香り・・・いただきます。」


お茶の中に小さなお花が咲いている。


工芸茶(こうげいちゃ)という。

工芸茶自体はこちらの世界にもあるがこのお茶に使っている花は異世界にしかないものだ。

香りが良く向こうではとても好まれている。」


向こうの世界のもの。

たしかに、こんなに綺麗でいい香りのお茶は今まで飲んだことがない。

というか、知らないうちに異世界のものを口にしてしまった。

大丈夫なのだろうか??


「こちらの世界の人間も向こうの食べ物は食べても大丈夫だ。

向こうの世界から来ている獣人達もこちらの食事をとっている。」


顔に出ていたらしく、弓波さんが教えてくれた。


「さて、昨日はあまり詳しく話せなかったからな。

こちらと関わると決まったら、説明することがたくさんある。」


そう言い弓波さんは向こうの世界について話し始めた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ