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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夢日記

作者: ただの海苔だけれども

ー少年の夢


ある日、僕は家族と旅行に行った。初めての旅行だった。最悪だったけど、でも、何か嬉しかった。


僕たちは繁華街で買い物をしていた。

「わあ、あのプラモデル、最新のやつだ!」そう言って僕は向かいの玩具屋さんに駆けてく。お母さんが僕に勝手に行かないでって言ってる声がする。向かいなんだし、いいじゃん。僕はそう思って、お母さんの忠告を無視した。

「こんなに沢山!いいなぁ、全部欲しくなっちゃう」

すると、

「おや、坊や。一人かい?お母さんたちは、いないのかい?」

この玩具屋さんの店員さんだろうか。かなり歳をとっているようだ。

「お母さんたちは、向かいのお店だよ」

「そうかい、そうかい。そんなら、ゆっくり見ていきな」

「ありがとうございます」

このお爺さん、強面だけど意外と優しい。

ちょっと見るだけ。すぐに戻ればいいや。


「うわっ、もうこんな時間!おじさん、僕帰るね!また来ます!」

「気い付けてなぁ、坊や」

確かこのお店だよね。

「お母さん、ごめん!遅くなった…」

嘘。みんな居なくなってる。ホテルに戻っちゃったの?僕、道分からないのに。酷いよ。

「うぇっ、お母さ〜ん!どこ行っちゃったの?うわぁぁぁ」

「あらぁ、どうしたの?お母さんと、(はぐ)れちゃったの?」

こくり、と僕は頷いた。

「お家、どの辺り?」

「旅行で、ホテルに…行き方、分からないの……」

「ホテルの名前、分かる?」

僕は首を横に振る。

「分かんない…分かんない。うぇっ」

「ああ、泣かないの。そうねぇ、どうしようかしら…、交番!交番に行って、お巡りさんに探してもらおう、お母さんたち!」

僕は頷く。


声を掛けてくれたお姉さんに連れられて、交番に辿り着いた。

「あのぉ、迷子になっちゃったみたいで…」

「家は?どの辺り?」

奥から、少しふくよかな体型のお巡りさんが、質問しながら出てきた。

「それが、旅行に来てるみたいで…ホテルの名前も分からないって…」

「ああ、そうなの…」

嗚呼、お巡りさんも困ってる。僕のせいだ。僕が玩具屋さんに行かなければ、家族にも、このお姉さんやお巡りさんにも、迷惑かからなかったのに。

「ホテル、僕が探す…」

僕はぼそり、と呟く。

「それはやめたほうがいいなぁ、ぼく。この辺り、路地が多くて迷路みたいなんだ。おじさんでも、偶に間違えちゃうんだよね」

がっはっは、と笑いながらお巡りさんは答えた。

「そしたら、こちらで後はやりますので。ありがとうございましたぁ」

「ぼく、家族、見つかるといいね」

そう言ってお姉さんは、手を振りながら戻って行った。


「それじゃあね、えっと…ぼく、名前は?」

僕は名前を答えた。

「うんうん、いい名前だねぇ」

「そうですか、ありがとうございます…」

「おじさんの甥とおんなじ名前だねぇ」

「そうなんですか、初めてです。同じ名前の人」

おじさんの甥と同じ名前か。なんか、複雑な気持ち。

「ホテルの名前、どんな感じだったか…とか覚えてないよね?」

「はい…ごめんなさい……」

「うーん…近くのホテルに電話を…」

おじさんの声を掻き消す様に、誰かの足音が聞こえた。こっちに近づいてきて、ドアの前で止まった。

「ちょっと待っててね」

そう言うとおじさんはドアは駆け寄った。

「どうしましたー?」

ドアを開けながら聞く。

「あの…小さな…子ども……来ませんでした…?」

この声、もしかして…

「ああ、もしかしてこの子だったりします?」

おじさんはちらりと僕の方を見た。

声の主もこちらを見る。そして、笑顔になった。

「良かった…良かった!もう、どこ行ってたのよ…」

矢ッ張りお母さんだ。泣いてる。

「お母さん!」

僕もお母さんの方へ駆け寄る。

お母さんは僕を()つことはしなかった。ぎゅうっと、優しく抱きしめてくれた。

「それじゃ、気を付けて帰るんだよー」

「本当に、ありがとうございました!」

お母さんはそう言うと僕にもお辞儀をするよう促す。僕もお辞儀をする。

おじさんは手を振って見送ってくれた。


「明日は一緒に玩具屋さん、行こうね」

お母さんは僕に微笑みながら言う。

「うん!」

僕も力強く頷いた。


それにしても、あのおじさん、すごく優しかったなぁ。いいなぁ、お巡りさん、かっこいいなぁ。


決めた、僕。お巡りさんになろう。



ー少女の夢


あれ…今日、どんな夢だった?

いつからだろうか。起きたら見た夢を忘れてしまう。普通の人だったら、薄っすらと覚えていると思う。一つは必ず覚えていると思う。なのに、どうして私は何も覚えていないの?


「やあ。目、覚めたかい?」

誰だろう。初めて聞いたような、聞いたことあるような声…。私は重たい(まぶた)を開けた。

「うわぁ!誰なのよ、あんた!」

私のことを覗き込んでいたのは、貴族の様な、王様とかが着ている様な、なんとも立派な服を着た少年ー多分私と同い年くらいだろうーだった。少年は私が大声を出したからか、少しびくりとしたものの、直ぐにムスリ、とした。

「酷いなあ、昨日も会ったのに。毎回毎回会う度に忘れちゃうなんて、頭、大丈夫?」

頭大丈夫?って、大丈夫に決まってるでしょ。少なくとも、寝ている人の顔を覗き込むあんたよりかはマシですよ。私は少し苛立ちながら、

「嘘、昨日も会ったっけ?ごめん、私記憶力ない方だからさ」

作り笑顔で答える。多分引きつってるな、顔。

「いやぁ、記憶力無さ過ぎない?鶏頭(とりあたま)って言われてる僕よりも凄いよ。今度医者行こうか?いいとこ知ってるから」

一々うざいな、こいつ。

「どうせまた、あのおばさんとこ連れてくんでしょ?」

あのおばさん…?私、何言ってるの?

そもそもこれって、夢なの…?

「行かないよ。あのおばさんの相手するの、いい加減疲れたもん」

何故だか分からないけど、良かった。

「そう、ならいいわ」


謎の少年と別れてかなり経ったけど、どれくらい歩いたんだろ。景色同じ過ぎて分かんなくないじゃない。

「あ、もしかして道、迷ってる?」

「は?迷ってなんか…って何であんた付いて来てんの?!」

嫌だ、ストーカー並みの執念(しつこ)さだ、こいつ。

「あはは!驚いてる!まー、それもそうだよねぇ。付いて来てないって思ってたら、後ろに居た!なんてねぇ。面白いよねぇ!」

多分私、今までに無いくらい引いてる。

「ストーカー並みの執念(しつこ)さ、とか思ってるでしょ?」

「思ってないし……」

嘘です。本当は思っています。マジで何なのよ、こいつ!人の心読みやがって。

「又々驚いてる!何で心読めるの?何で、何で!って!」

「何で分かんの…?」

「…はぁ」

溜息つきやがった、こいつ。苛つく。

「このやり取り、何度目だと思ってる?いい加減辛いんだけど〜。萎える〜!少しはさ、こっちの気持ちも考えて頂戴よね!」

何度も会ってんの?そういえばさっき、こんな会話してたっけ。てか何?突然オネエ口調になるの。マジでキモい。

「その反応も何回目のなのさぁ。もうちょっとリアクション、変えてこ!」

変えるも何も、こっちは何も覚えてないっての。


「おい、餓鬼!」

「ちょっと!いきなりなんなの、餓鬼って!この皇太子様に向かって…」

は?こいつ皇太子なの?!信じらんない。いきなり来たおっさんも謎だけど。

「失礼しました、殿下。殿下ではなく、この向かいの小娘に言ったつもりでしたが…不快な気持ちにさせてしまい、申し訳ありません…」

小娘…?こっちも不快な気持ちなんですど。口悪りぃな、このおっさん。

「ええー。今話してんだけどぉ。あとさ、この子がそこまで身分高くないからって小娘とか言うの、可哀想だよ?絶対気分悪くしてるって!謝りなよ?」

心を読んで下さり、ありがとうございます、殿下。

「先程は申し訳ありませんでした。…私はその少女に用がありますので…会話が終わるまで待たせて頂きます」

このおっさんの前で会話すんの?!嫌だなぁ。

「んー…じゃ、この子連れて戻る!いいでしょ?」

「どこの馬の骨とも分からぬ小娘をですか?!それは少々無理があるのでは…」

このおっさん、人によって態度変え過ぎ。絶対嫌われるタイプだな。というか、さっき身分でどーたらこーたらとか言われて、もう小娘なんて口聞きません、みたいにならなかった?この鶏頭(とりあたま)が。

「僕が良いって言うんだから、何とかなるでしょ!行こ!」

そう言うと、皇太子(?)の少年は私の手を握ろうとするが、あのおっさんがー普通なら手を握ろうとしてきたあの間抜けそうな皇太子(?)の手を叩くべきだがー何故だか私の手を思い切り鞭で叩いた。

「痛っ!何なのよ、あんた!普通ならこいつの手を叩くべきでしょ!手を握ろうとしたのはこいつなのよ!」

「黙れ、罪人が!罪人が皇太子殿下の手を触れても良いと?巫山戯(ふざけ)た事をぬかすな!そもそも嫌がらないお前が悪いのだ!」

「耳が痛くなるわ、そんな大声出して!無職な顔してるおっさん!てか、私が罪人?何もやってなんかないわよ!それに嫌がるも何も、こいつがいきなり握ってきたんだから!余程反射神経良くない限り、手、引っ込められる訳ないじゃない!なんならおっさん、試してみれば?」

「口を開けばおっさん、おっさん…!これでもまだ19なんだよ!悪かったなぁ、老け顔でよ!それに俺は護衛だ!無職では決して無い!」

え…、19?!老け顔すぎるでしょ。どっからどう見ても40は超えて見えるわ。

少年の方をちらりと見ると、驚いた顔をしている。多分、私の事をおっさんが罪人呼ばわりした事に、驚いたのだろう。

「罪人…?嘘でしょ……?」

「は?罪人な訳ないじゃない。全部出任せよ、あのおっさん…じゃなくて護衛の青年さんの」

無職のおっさん改め護衛の青年を睨み付けながら言う。じっと睨んでいると、視線に気が付いたのか。青年と目が合う。青年は笑っていた。俺は嘘を言っていないとでも言わんばかりに。

「丁度良い。皇太子殿下もお望みのようだし、城に来てもらおうか。来い、罪人」

「来いって、何処(どこ)によ?」

苛立ちながら言うと、少年が私の肩を少し引っ張り、

「反抗するな。取り敢えず今は従ってくれ」

と、小声で忠告をする。

「は?何でよ」

私はさっきより苛立ちながら答える。そもそもあんた皇太子なんでしょ?ならビシッと言ってよ!とは言えなかったが。でも心は読んでくれたかな?

「やめとけ」

少年は首を横に振った。結構真剣な表情(かお)してる。これは言う通りにした方が良いのだろう。私は渋々青年の方へ寄る。

青年は私の手を鎖で縛り、馬車に乗せた。少年と何か会話をしているのだろう、話し声が聞こえる。(しばら)くして、馬車は走り始めた。


10分程走った後、馬車は止まった。おっさん顔の衛兵の青年は、私を強引に馬車から引きづり下ろした。青年の後ろでは、皇太子(?)の少年が心配そうに私を見ている。心配かけてはいけない、と私は笑顔を心掛ける。


お城に入ってしばらく進むと、大きな、立派な扉が見えた。扉の前には、これまた立派な鎧を着た騎士が二人立っている。私は鎖に繋がれた状態で、青年と少年と、開いた扉の向こうへ入っていった。するとそこには、玉座に座る王と、王妃が居た。王は私を見つめた後、少年の方へと視線を動かす。王妃は何故だか分からないけれど、私をじっと睨んでいる。

「良かった、また居なくなってしまって。心配したのだよ、我が愛しの息子よ」

王が口を開いた。しかし、私については何も言わない。

「御免なさい、父上。彼女が森にいると知って、つい…」

少年は私を見ながら言う。矢っ張りこの少年、皇太子だったんだ。

さっき握れなかったからか、皇太子が私の手に触れようとすると、

「其の者に気安く触れるな。そいつは不死身の魔女だからな」

王の隣に座る王妃が言った。待って、私、罪人って言われたけど、次は魔女?

「この子は魔女なんかじゃない!彼女は僕を助けてくれたんだ!」

いつの間に私、そんな良い事してたんだ。やるじゃん、私。てか(たま)には庇ってくれるな、皇太子。

「いいや、違う。それは魔女の術にかかっただけじゃ。いい加減目を覚まさないか」

王妃が皇太子をなだめる様に言う。しかし皇太子は信じられないのか、王妃の言葉を聞こうとはしない。

…王様、絶対王妃の言いなりだよね?

「殿下、分かりましたでしょう?この小娘が、一体何者なのかを」

青年も王妃に続けて言う。王はずっと俯いたままだ。

「は?ふざけないでよ!私は不死身じゃないし、魔女でもない!よく分かんない術なんて使えないし、この皇太子に会ったのも今が初めてよ!」

我慢出来ずに私は怒鳴った。すると王妃は私を睨んで言う。

「覚えていないだと…?嘘に決まっておろう!(わらわ)は、何度何度も、お前を斬首にするよう命じておるのだぞ!それなのに覚えていないだと…?馬鹿な事を言」

「もうやめてあげてよ!」

皇太子が叫んだ。泣きそうになりながら、声を震わせながら続ける。

「本当だよ…初めて会ったって……。僕に会った時も、誰なの?って表情だったもん。だから、ねえ。斬首刑になんて、しないであげてよ?可哀想だよ…」

流石に皇太子が言うとは思わなかったのだろう。王は兎も角、王妃と青年は唖然としている。

「…取り敢えず其の者は牢に入れとけ」

これまで殆ど何も言わなかった王は、青年に渋々命じた。


「ごめん、今回も守れなかった。…って言っても覚えて無いんだよね?」

「うん…。でも、ありがと。あんな言ってくれて。あれ程言ってくれたら、斬首刑になったって構わないよ」

本心なのだが、皇太子は信じられないらしい。驚いたような顔をしている。

「まだ、斬首刑って決まった訳じゃ無い。もう少し、父上と母上を説得してくるよ」

余程私を助けたいのだろう。皇太子は、自身の満ちた顔で言った。そこで私は、疑問に思っていた事を聞いてみた。

「ねえ、私があなたを助けたって…それに、何度も斬首刑になってるって…どういう事なの?」

「僕を助けたっていうのはね、盗賊に襲われそうになった僕を助けてくれたってだけで。でも、僕が何も出来なかったせいで、盗賊を全員殺す羽目になってしまった。何度も斬首刑になってるっていうのは…君も僕と同い年くらいだろう?それなのに盗賊四人も殺せたなんて変だって。それで、魔女だって言い掛かりつけて、君を殺した」

盗賊をころした…?私が。しかも四人も!できる訳ない、こんな私が。

「ふふっ、出来てたよ。凄く格好良かった!僕もああいう風になりたいなって」

皇太子は少しどこか哀しみが混ざったような笑みを浮かべながら続けた。

「でも、どうして魔女なんだろ?」

「それはね、昔魔女狩りを行ってたからなんだ。昔は魔女が、病気とか怪我を治してくれていた。でもそのことが、当時の王には気に入らなかったみたいで。邪道だ!みたいな感じで。魔女を見つけ次第、磔にしたり、火炙(ひあぶ)りにしたり。首を切ったり。そのせいで魔女は悪者だって思われる様になっちゃった。悪い事、何もしていないのに」

ああ、成る程。でもまさか、私が魔女狩りの対象になるなんて。

「だけど僕には、母上がどうして君をそこまでして殺したいのか分からない。父上は君を殺したく無いけど、母上がよっぽど怖いのかな。反対しようとしない」

「私にも分からない。けど、私の事を庇い過ぎて、あなたまで死ぬのは嫌。だから、無理しないで」

「うん、そうだね」

久し振りに皇太子の笑みを見た。初めて会った時の様な笑みを。

「また明日。良い報告を待っていてね!」

皇太子は手を振りながら、部屋へ戻っていった。


良い報告、ねぇ…


翌日。やって来たのは皇太子ではなく、例の青年だった。

「魔女、お前の処遇が決まった。付いて来い」

どうせ首切りでしょ。私は半ば諦めながら付いていった。しかし心のどこかで、あの皇太子が何とかしてくれるだろう、と、希望も(いだ)いていた。


「小娘、お前の処刑が決まった」

王妃が淡々と述べる。

「え…」

私は、自分で声が出したのも気付かないくらいか細い声を出した。

嘘でしょ。私、死ぬの?

「今から処刑を行う。何か言っておきたいことは?」

慈悲のつもりか?そんなの、慈悲でも何でもない。与えられた台詞(せりふ)を言っている以外の、何物にも聞こえない。

「今更いうことなんて、何も無い。でも、一つだけ言うとするなら、」

皇太子の方を向く。

「私を庇おうとしてくれてありがとう。もし、また会えたら…」

何故だろう。涙が立て続けに流れる。

「また、守ってやるからな」

何でこんな男っぽいこと言ってるんだろ、私。

「そんな事言わないでよ、ごめん。本当にごめん。守れなかった。次は僕が絶対…君を守るから。今度こそ、絶対に」

泣きながらも、最後は笑いながら皇太子もいった。私は彼を見て、力強く頷いた。もう一度皇太子を見ると、彼は泣き崩れていた。王に抱かれて、幼い子供のように泣きじゃくっていた。王は私と目が合うと、申し訳無さそうに頭を下げる。

王も王なりに、苦労していたのだろう。愛する妻と、愛する息子の間で。一方を取り、もう一方を捨てるなんてことは出来ない。しかし、王妃が余程恐ろしいのだろう。皇太子が何を言おうと、私を処刑にするしか出来なかった。

私が王の間を出る時も、皇太子はずっと泣いていた。皇太子を抱く王も、涙を流していた。


ありがとう、少年。また、会えたらいいな。



私は青年に連れられ、処刑台へと向かった。


遂に処刑台の前まで来た。でも、何故だか私の気持ちは、これまでないくらいすっきりしていた。

「お前、よくこんな状況で笑っていられるな」

青年が苛立ちながら、しかしどこか感心したように言う。私、笑ってたんだ。

「いや、別に。ただ、やっと理由が分かった」

「よく分からんが、それは良かったな」

青年は適当に答えた。まあ、そうだろうな。


ギロチンの歯が落とされる。


私が夢を覚えていない理由、これだったんだな。


ザンッ




「やあ、目、覚めたかい?」



将来の夢を得た少年。その日の夢を覚えていない少女。


少年は親切にしてくれたお巡りさんに憧れ、お巡りさんになる事を決意します。一方少女は、夢の中で死ぬ間際、自分が夢を覚えていない理由に気付きます。


少女が覚えていない理由についてははっきり書いていませんが、最後の方ではっきりするのではないかな、と思います(←無責任発言)。処刑台のあたりです、多分。


そういえば、夢の中で死ぬってどんな感じなのでしょうかね。因みに私は、追われて捕まったことはあります(笑) 警察と、よく分からない二人組?みたいなのに…。警察のは信号無視で追われましたが、何故かその警官と仲良く…って話が脱線してしまいました。ごめんなさい。


素人の作品に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。今後とも、宜しくお願いします!

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