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目立たず静かに過ごしたい!  作者: 文月灯理
第三章 体育祭の規模じゃない気がする
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人生ハードモード(物理)⑥

そして訪れた一日目午後。その種目は、《水鉄砲合戦》敵組選手の額に付けられた水溶性のハチマキを、呪力を水に変換する水鉄砲を用いて破くというもの。得点は制限時間内に生き残った選手の数×一になる。



この水鉄砲、赤い三日月のマークがついていて、これは三日月の共鳴製造──つまり俺が作った呪具であることを表している。



こういう注文が来た商品は、一度《異能工房》で滅茶苦茶強力な奴を作っておいて、《劣化複製》で

格落ちさせ大量に作る。基本的に三日月の共鳴の店舗や在庫にある呪具はこの手法で作られている。



その水鉄砲を構えながら、俺は茂みの中で身を潜め、時が経つのを待っていた。



水鉄砲合戦では、異能が使用禁止。武器は水鉄砲だけ。



制限時間が存在し、生き残った人数に応じて点が加算される以上、無暗に動くのは危険と判断した。



他にも、スタート地点がこの茂みの近くだったこと、射撃が不得意であること、息を潜めることを日常的になっていたことを加味しての判断だ。これが最良であると自負している。



ただ、これは中継されているので……これを見ている式神達からの評価が怖い。まあ元々利害関係やなし崩しで成立している関係だから元々評価なんてあってないようなものだけど。



こうしている内に時間は過ぎ、制限時間を超えた。



瞬間移動で陣営に戻った俺は、帰り支度を済ませ、式神達と帰宅した。



「スゲエな透、よく最後まで生き残った!」



陸斗は褒めてくれた。嬉しい。



「しかし主殿は何をしていたのだ? 画面には映らなかったが」



「ずっと隠れてた」



「お前なら戦うって選択肢もあっただろうに」



「そうですよ! かっこいい透様見たかったです!」



「私も透さんの雄姿を見たかったわ」



 各々が不満を口にする。いや俺も隠れるよりかは戦いたかったんだけどね?



「すまん。何せ道具類の使用禁止だったからな……」



「「「「ああ……」」」」



呪力具現化能力者としてはとても辛い。自分の異能使えないのと同義だからな。幸いにも術式は対象外だから良かったものの、無ければ午後はともかく午前は勝つことはできなかっただろう。



「なら仕方ねえか」



「うむ。あまりにも主殿が不利すぎる」



「それルールが悪いですよ」



「そうね、抗議しちゃおうかしら?」



「翡翠、それは止めてくれ」



 何の得にもならないからそれ。



「まあ、次は頑張ってくれや」



「え、明日も来るの!?」



「流石に私たちは来れませんよ。ローテーション組んでますから」



「マジか……」



ということは、この四人以外が来るのか。また隠蔽工作しないといけないと……?



「まあなんだ。次は頑張れってこった!」



バシッ!



「痛っ」



 陸斗に背中を叩かれた。結構いい音したぞ。



「……善処します」



 などと話しながら、帰り道を歩いた。



 ……少し明日が憂鬱です。


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