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目立たず静かに過ごしたい!  作者: 文月灯理
第三章 体育祭の規模じゃない気がする
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人生ハードモード(物理)③

動く地面を突破し、呼吸法を止めた俺は元のペースで走る。



呼吸法は長く続けると身体の負担がかかり過ぎて体力を持っていかれる。下手したら死にます。真似しないように。



身体の負担を考えながら走ると、障害物が見えてきた。



「……何か動いてんな」



 またしても動く系。ベルトコンベアで物が流れてくるとかか?



 そう思っていたが、その予想は外れた。



「なにこれ」



 障害物ゾーンの前に立つ俺の視界に入って来たのは、巨大な鉄球だった。



その鉄球は揺れ動き、その領域に足を踏み入れた選手たちを次々に吹き飛ばしていた。



おいおい、バイオレンスが過ぎるぜ!? 対魔部隊の訓練で見たことあるよこれ。ただの学生がやっていいの!?



そんな疑問が頭を駆け巡っている間にも鉄球は人を吹き飛ばし、悲痛な叫びが響く。正直先に進みたくない。



確かこのゾーンは中等部が最初に直面する障害物のはずだ。やることがえげつないぞ理事長!



……覚悟を決めるか。下手したら怪我では済まないけれど、それを承知で挑んでいった人たちが目の前で吹っ飛んでいる。



その人たちの中には同じ組の人もいるはずだ。チームの総合点で勝敗が決する以上、参加する体を見せないと悪目立ちする。それは避けないと。裏で呼び出しなんてされたら溜まったもんじゃない。



何より、その心意気を見て何も感じない訳じゃない。



……よし、行こう。



幸いにも鉄球の速さは悲観するほどでもない。集中すれば必ず避けられるスピードだ。



──フゥゥゥゥッ。



再び呼吸法・凪。精神を研ぎ澄まし、所作の無駄を徹底的に削ぎ落す。



スイングする鉄球と鉄球の間を縫うように進んでいく。鉄球の動きを観察し、タイミングを見極め動

く。



一つでも無駄な動きをすれば即アウト。鉄球に吹っ飛ばされる。



先に進むと鉄球の動き、数も変わる。とはいえ呼吸法・凪の状態ならどうすればいいのかは分かる。



避けて、止まって、進む。



 時にはしゃがみ、匍匐前進。



 ……やっていて気が付いたが、この鉄球の動きは完全にパターン化されている。



人にぶつかっても、自然風の強さが変わっているにも関わらず動きが変わらない。



だが鉄球が()られている根本部分を見てもケーブルや電子制御装置などは見受けられない。



どうやらこの鉄球は理事長の制御下にあるようだ。



そして、鉄球の動きから必ず突破口になる方法や空間が存在している。



成程、動きを観察する力を養うための障害物か。対魔部隊は激突に耐えることが目的でそんなものは


無かったからこれもそういうものかと思っていた。



ちゃんと考えてんだなあ。そうなると他の障害物も何か目的があったんだろうな。



おっと、いかんいかん。集中しないと。



結果、鉄球に一切ぶつからずに攻略完了。呼吸法を使いすぎて喉がカラカラだけど、許容範囲といったところ。まだいける。





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