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目立たず静かに過ごしたい!  作者: 文月灯理
第二章 祭りだわっしょい神遊祭!
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やりすぎたかもしれない④

「いいですか皆さん。これは一大事です」



 号令をかけた議長(夜鶴)が議題を提示する。金鈴(あたし)は正直どうでもいいが……いつもの習慣でつい。



「透様の意識が足りていません。このままではせっかく可愛い姿を見れずじまいです」



 やっぱりそういう目的か。夜鶴は相変わらず透ラブ勢だ。



「いや別に可愛くなくても……」



「紅葉ちゃん、可愛い透様……見たくないですか?」



「うっ、それは……」



 紅葉の頬を赤く染め視線が泳ぐ。



 ん。まあ紅葉はそういう反応すると思ったよ。透の事は何かと気にかけてたし。けど、この反応は……もしや?



「紅葉って透のこと好きなん?」



こういう時はストレートに聞くに限る。



「んなっ!? 金鈴何言ってんの!?」



「うるさっ。距離近いんだから大声止めてよね。透にも聞こえるよ」



「うっ……」



 さっきから吃音ばっかだなこの精霊。



「別に、あいつの事なんて好きじゃないわよ。……悪い奴ではないと思うけど」



「へー」



 まあ、本人がそう言っているのだから、そういうことにしておこう。余計な推測は燃やされるかもしれないし。



「で、どうすんの? あたしはぶっちゃけどうでもいいんだけど」



 まずは自分の意思を表明しよう。対立であれ協調であれ、それをしないと会議にならない。



「勿論私は可愛くしたいです!」



 そりゃ夜鶴はそうだろうよ。



「あたしは……別に……」



 わーめんどくさい。こういうの、ツンデレって言うんだっけ? 



「私も特に異論はないよ。面白そうだし」



 興味本位で手を出すところは何も変わってないね。まあ紫苑はそうでないと。



「私は……そうね。透さんの目的を考えれば賛同した方がいいわ」



 翡翠は真面目と言うか……自分よりも他人を優先するのはいつも通りだね。



と、五人の意思表示が成されたわけで。結果は賛成多数で可決されました。



「ではこれから透様のファッションコーデについて何ですけど、服装は紫苑先生のを貸して頂けないでしょうか」



「私かい?」



「身長的に合いそうなのが紫苑さんしかいないので」



「分かった。できるだけ可愛らしいのを用意しよう」



紫苑はやたら意気込んでいるようだった。成程、あれを出す時が来たんだね。秘密裏に自作した可愛らしいフリルスカートのブレザーを!



 作ったはいいが着る勇気が無くて断念したあの服を!



 良かったねタンスの肥やしにならなくて。



「それじゃあブラとショーツとかは……」



 夜鶴の視線が紅葉を捉えた。




「ちょ、あたしのは貸さないわよ!?」



「そこを何とか! サイズ的に紅葉さんがぴったりなんですよ」



「なら夜鶴でもいいじゃない! サイズ一緒でしょ!」



「そんな……恥ずかしいじゃないですか」



 夜鶴が頬に両手を当て身体をくねくねさせた。



「あたしだって恥ずかしいわよ!」



 そりゃ誰だって恥ずかしいだろ。下着の貸し借りなんて普通できないって。



 けど、このまま時間を使う訳にはいかない。生憎と二人行きつけのランジェリーショップは定休日。買いに行くことができないし、もし定休日じゃなくても私と同じくファッションに興味がない透を連れて行くのは難しいだろう。割とめんどくさがりだからね。



それを分かっているから夜鶴は紅葉に貸して欲しかったと予想。



「それならあたしが何とかするよ」



 めんどくさいけど、このまま会議が泥沼化する方がめんどくさい。ここはあたしの出番だ。



「何とかって、あんたのを使うの?」



 いやいや、そんなわけないじゃん紅葉。



「あたしのが合う訳ないじゃん」



 どうみてもあたしの方がちんちくりんなのに、一体どういう思考回路をしてればそういう発想に至るのか。



「じゃあどうするのよ」



「あたしが作る」



「「「「えっ!?」」」」




「そんな反応する?」



 紅葉や夜鶴はともかく、紫苑と翡翠までそんな信じられないような声を上げるなんて。流石のあた

しもショック受けるなー。



「日頃の行いのせいよ」



「えー」



 まあ紅葉の言うことも尤もだから仕方ないけどさ。だからといって改める気はないけどね!



「でも、一体どうやって作るんです?」



「あたしの異能で」



「金鈴さんの異能?」



 ああ、そう言えば夜鶴にはあたしの異能教えてなかったっけ。



ていうか、夜鶴どころか他の式神全員あたしの異能知らないんじゃない? 他の三人もポカーンとしてるし。



「ところで、下着のサイズは夜鶴や紅葉とほぼ同じで良いんだよね?」



「そうですよ」



 夜鶴が答えた。



 ……冷静に考えたら、何で分かるんだ。



 気にしたら負けかな。



「じゃあ夜鶴、サイズ教えてくれる?」



「えーとですね」



 ──うんうん。羨ましい。



「じゃあデザインは……シンプルなのでいいか」



「いやそこはセクシー路線で行きましょう」



「真顔で何言ってんの夜鶴」



 紅葉が制止する。



 あんた以外は誰も求めてないよそんなの。



「却下で。……うん、こんなもんかな」



右手でショーツ、左手からブラを生み出す。両方とも白で、小さな水色のリボンが付いたシンプルな

もの。



「これでいいでしょ」



「え、どうやったの?」



「何の前触れもなく……」



「一体どうやったんですか?」



「やっぱり黒のローライズとかの方が……」



紅葉、翡翠、紫苑はともかく、夜鶴はちょっと黙ってくれないかな。ていうかそんな透見たくないわ。



「はいよ、取り敢えずこれ使えば?」



「おう、ありがとな」



 できた下着を透に投げ渡す。



「んじゃ、ささっと食べようよ」



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