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目立たず静かに過ごしたい!  作者: 文月灯理
第二章 祭りだわっしょい神遊祭!
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神遊祭前日②

 三日月の共鳴の倉庫で呪具を補充し、家に帰ってきた。



さて、ちょっと事情が変わってしまったがやることは変わらない。社長は俺の身バレを気にしていたが、対策は考えてある。



その一つが、これ。



「で、拙者はどうすればいい」



「俺が式神役をするから、黒鋼は主役を頼む」



 まずは式神トーナメントで、俺が式神として出場することだ。そうすることで注目を黒鋼に向ける。



「……それは、色々と問題があるのでは?」



「心配いらないさ。七瀬さんと調整済みだし」



そして俺の目の前で正座している式神、名は黒鋼(くろがね)。とある依頼の時に出会った鎧武者の付喪神である。今は鎧を脱いで、普通の人間のように上下スウェット状態だ。この状態の黒鋼は長身で長髪を束ねているイケメンなのでスウェットでもかっこいい。



黒鋼のイケメンフェイスなら、どうやっても黒鋼に注目が行く。



「だが、苗字がない拙者では登録することができないのでは」



「そこはちゃんと考えてある。名前は適当に……黒鋼直人と名乗っておいてくれ」



「黒鋼、直人。うむ、覚えた」



「で、俺の方はこれを使う」



 取り出したのは狐のお面。銀華から借りた。



「成程、それならば主殿とは分からないな。流石だ」



 真顔で褒められるとこっちが照れ臭くなる。顔には出さんけど。



「迷惑をかけてすまない。仕事だってあるのに」



 黒鋼には俺が元々住んでいたマンションの警備員をしてもらっている。そのマンションは三日月の共鳴が所有している。家にいない式神はこのマンションに住んでいて、各々に仕事を任せている。



「気にすることはない。我々式神はそういうものだ」



「そりゃそうだけど、そっちの事情もちゃんと考えないとさ」



「……だからといって、我々に何も命令しないのはどうかと思うぞ。ここに来るときに金鈴や紅葉に聞いた。色々とあったそうではないか」



「まあ、そうだな」



 風魔の里の一件のことかな。



「であるのなら我々を呼べ。……主殿の力があれば問題ないかもしれぬが」



 いや問題ないとかそういうことじゃなくて、単純に迷惑かなと思って呼べないだけなんだけど。



「……すまない」



 チクショウ! 言おうとしたのに言葉が出ねえ! 我ながら情けない!



「謝るぐらいなら次こそは呼べ。光明が泣いていたぞ」



「えっ」



あいつが泣いてた……? それは悪いことをした。今度謝りにいかないと。



「……そんな取り乱したような顔をするな。冗談だ」



「冗談かよ……」



 黒鋼の冗談は分かりにくい。せめて表情一つ変えてくれればいいのに。



「だが光明が残念がっていたのは事実だ。あとは雷夢(らいむ)だったか。あ奴も荒れているぞ」



「雷夢が……」



 それは、相当ヤバいな……うちの最高戦力だし。



(しょう)(よう)が対応しているが、あのままだとどうなるか分からぬ」



「そんなにヤバいのか」



 あの気遣い上手な翔鷹でダメならどうすりゃいいんだ。



「紅葉が時々こちらに来てストレス発散に協力してくれているおかげで何とかなっている状態だな」



「うごご……、どうしたものか」



「それを考えるのは主殿の役目だな」



 音もなく綺麗な所作で立ち上がる。正座していたというのに全く足がしびれていない様子だ。



「では拙者はこれで失礼する。明後日だったな」



「ああ、頑張ろうぜ」



「委細承知」



こうして、黒鋼はマンションに戻った。



 これで式神トーナメントについての対策はオーケー。あとは最終日の為の対策をしないとな。あれは時間かけてやらないと団体戦に出られないし。



 ……それにしても、式神達の待遇を考えないとなあ……。


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