雷電の申し子⑥
「あら、お客さん?」
家に帰った俺たちを迎えたのはエプロン姿の翡翠だった。
「大丈夫? 何だか顔色が悪いようだけど……」
「大丈夫だ。こっちは楓で、そっちが音無君」
調子が悪いので適当な紹介になってしまった。
「そう。それにしても随分早かったようだけど、ちゃんとお昼ご飯食べたの?」
「それがちょっと、色々あって食べれてないんだ。翡翠、二人分作ってくれるか?」
「材料はあるから良いけど……透さんは?」
「悪いが具合が悪いからパスで。部屋で休んでるから」
「分かったわ。それじゃお二人ともこちらへ」
「はい、お母様」
楓が盛大に間違えてるな。初対面だったっけ? 思い出せない。
「うふふ。私は透さんの式神よ?」
「え、そうなんですか!?」
「マジか。どう見ても人にしか見えないけど」
翡翠が楓、音無君と仲良く談笑する様子を見て、俺は二階の自室に戻ってベッドに倒れるように寝転ぶ。
「ああー……くそっ……」
奴を視認するだけでこの様か。いけると思っていたが、思った以上に頭に血が上っていたみたいだ。修行が足りないな。
正直二度と会いたくないが、そうは言ってられない。放っておけば何れ奴は魔物に匹敵する脅威に成り得る。その前にどうにかしないといけない。これ以上、俺のような被害者を生まないために。
──今度は、絶対、奴を殺す。
……あ、肉買ってくるの忘れた。




