透と初音の甘々デート①
人気のない執務室。
「では、今回の試験官の派遣はどのように致しましょうか」
電話をしているのは、国民安全生活保障局局長、七瀬泰純。
『そうね……』
「悩んでいるようなら、こちらからご提案させて頂きましょうか?」
『そうですね。そちらの都合もあるでしょうし』
「では『水龍』はいかがですか?」
『それはダメです。加減ができないのは試験官にできません。七瀬局長、分かっててお仰られてますか?』
「ええ、ですので今のは冗談です」
『会議中に冗談はやめてください』
「失敬しました。では加減が出来るということで……『職人』と『人機姫』、それと『閻魔』と……『礎』はいかがです?」
『──そんなに大盤振る舞いしていいのですか? 特に『職人』と『人機姫』は滅多にでないでしょう?』
『あの二人は多忙なので出しにくいのですが、丁度空いていまして」
『その二人は試験官になるほどの技量はあるんですか?』
「それはそちらで試験して頂けたら」
『……それで『閻魔』と『礎』ですか』
「はい。その二人が本命です」
『──分かりました。それで調整します。お忙しいところ、ありがとうございます』
『いえ。またの依頼をお待ちしています。津田長官』