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キーワードシリーズ

幸せの青い鳥

作者: 秋雨そのは

活動報告にあった、キーワードによって作り上げた物です!

手伝ってくださった方に感謝します!

 人は何故戦争と言うものやるのか……。


 どういった状況で、そんな事を思うことがあるだろうか。

 人々の暮らしが貧しいから? 宗教が合わなくて対立するから? すれ違いが起こったから?

 今の俺では抱えるものが多すぎた。


 パタパタと音を立てて飛んでくる鳥がいた……やってきた先は、今いる場所よりも明るく光が指す場所だった。

 小鳥は俺の目の前で羽を休めた。

 何処かの街の噂で、こんな話を聞いたことがある。


『幸せを運んでくる青い鳥がいる』と。


 そんなの迷信だ、そんなの偶然だなどの言葉を並べては……その言葉を否定していた。

 ただ今は、そんな言葉もすがりたい程に疲れていた。

 幸せをくれるのなら、死ぬ前でもいいから……幼い頃に離れていってしまった、幼馴染に会いたかった。


「鳥さん~! 何処行ったの~?」


 奥から聞こえる声は、凄く懐かしく……聞き覚えのある声だった。

 名前を呼ぼうとしても、痛みで……声が枯れて出なかった。

 その声の主は、物陰に隠れて倒れ込んでいる俺の姿を見て。


「もしかして……クロト!?」


 その時に思ったんだ……。


 あぁ……本当に幸せ運んできてくれる鳥だったんだなと。


 姿は、幼かった泣き虫の様な顔ではなく……凛としているが、少しおっちょこちょいの様な抜けた顔をしていた。

 声が出ないことを憎んだ、また会えたと喜びあえないのを憎んだ。

 そんな幼馴染は、血まみれの俺を華奢きゃしゃな体で抱え上げて……歩き出した。


「クロト! 死んじゃダメだよ! 本当に本当に心配したんだから!」


 そんな言葉をかけ続けられるが、声を出せそうも無かった……。

 だけど、言いたい……! 言いたい……!


「……カ……ナ、会え……て……良か……った……」


 痛みを堪え、血を吐き出しながらも、言う……どんなに苦しくても、どんなに痛くても。

 幼馴染のカナは、その言葉に目をうるわせながらも……言う。


「それだけじゃ、ダメなのよ! ……前みたいに、笑ってよ!」


 耐えきれなかったのか、涙を流しながら訴えかけてくる。

 彼女の前で死ぬ時くらい……笑顔でいなくちゃダメだな……。


 戦争に負けて、兵士はほとんどが死んだ今……俺が生き残っている自体奇跡だったんだ……。

 もしかしたら、あの青い鳥が奇跡をくれたのかもな……。

 この街の外れに着くまで本当に死ぬ思いだった……生きている間に何か良いことでもあればいいと思っていたが。


 最後に良いプレゼントを貰ったよ。


「……あり……がとう……」


 そう言って、瞳を閉じた……。



 その時の俺は、どんなに戦争をやってた時よりも、幸せなときであったとしても……人生で一番の笑顔をしていたんじゃないかと思う。

どうだったでしょうか?

感動や良かったなどの、言葉が出てきてくれれば嬉しいです。

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