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飴色トーン
カッコいい。王子様。勇ましい。美男子。
それはあたしによく掛けられたワードだ。
小さい頃からそれが当たり前で、あたしも違和感なんて覚えていなかったから別段気にしなかった。
だって女の子たちはあたしを頼りにしてくれるし、あたしも女の子が大好きだったから。
そんなあたしには女の子と同じくらいに好きなものがあったんだ。なんだと思う?
やがて歳が上がるにつれて女の子たちはあたしのことを名前では呼ばなくなり、
代わりにこう呼ぶようになったんだ。
————飴色貴公子ってね。