福音書のイエスのスピリチャルメッセージについて考える。（私のキリスト教遍歴ノートより）

その１

『家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。』マルコ伝１２の１０

このたとえ話はいったいなにを意味しているのだろうか?

家造りらとは、早い話、大工さんのことである。

大工さんは、家を建てるにあたって、まず土台として基礎の石を四隅におきます。

それはしっかりした大きな石でなくてはなりません。

なぜならその上に柱を立て梁を乗せて家を作っていく一番大事な基礎の石ですから。

大工さんはいろいろ物色して、大きくて安定した形の良い石を探します。

そうして、不揃いの石や不安定な石ははじかれてしまいます。

当然ですよね。そんな石の上に家の柱を立てたら傾いて家が倒れてしまいますものね？

しかし、イエスは、家つくりが駄目だと言って捨てた石が、

家を支える隅のかしら石になったと言っているのです。

重要な隅のかしら石ですよ。

皆さんはこれをどう解釈しますか？

私はこれをこう、解釈します。

虐げられたもの、不治の病にかかっているもの、

貧しいもの、苦しんでいるもの。

それらの人たちが、もしただ嘆いているだけでなくて、

神を信じ、回向し、祈り、待ち続けるなら、

あなた方が、いずれ隅のかしら石になれるのですよ。

イエスはそういっていると私は解しています。

信じるのです。

あなたは家造りたちが見捨てた不揃いな駄目な石かもしれませんが、

もし神を信じ待ちわびるなら、

いつかあなたは、「隅のかしら石」になっていることでしょう。

その２

『まず神の国と神の義を求めなさい。』マタイ伝より。

人はお金だ、愛情だ、友情だ、財産だ、家がほしい、結婚相手がほしい、

などなどいろいろなものをほしがり求めますね。

人はほしがる存在なのです。

あれがほしいこれがほしい。

しかし、イエスは言います。

まず神の国と神の義をもとめなさい。と。

そうすればその他のものなどは、自然と、付け加えられてあなたに与えられるであろうと。

重要なのは神の国です。

神の国とは神が支配している国という謂いです。

すなわちそこでは神の義が行われているということをさします。

私はこれを、このイエスの言葉をスピリチュアル的にこう解釈します。

まずあなたの心に神の国を打ち立てるのです。

神の国とは、博愛と、信仰と、善心と、完全な美と、希望です。

あなたの心をこれらで満たすのです。

偏屈であったりねじれていたり、恨みがましくあってはいけません。

これが神の国を求めるということだと私は思います。

神の義とはなんでしょう？

神の義とは神の律法と言ってもいいでしょう。

すなわち混迷の中にあっても染まらない一筋の正義の心です。

それが神の義だと思います。

こうした神の国と神の義を求めるあなたには、

まさにイエスの言うようなすべての神の栄光と歓喜が与えられるのです。

それは無論、地上のはかない財産や札束ではないことは言うまでもないでしょう。

札束で、改心できますか？

札束で神の国に入れますか？

それはイエスが言うように

「ロバが針穴を通り抜けるよりむずかしい」でしょう。

地上の人生などは所詮幻に過ぎません。

それははかなく終わって、悠久の魂のたびはまた続くのです。

札束を死人の上に振りまいたって天国は約束されませんよ。

「まず神の国と神の義を求めなさい。

　そうすればその他のものは加えてあなたに与えられるであろう。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新約聖書、マタイ伝より。

その３

『わが父の家には棲家多し。』　ヨハネ伝１４章

　　　in my fathers house are many mansions.

私の父の家にはたくさんの住まいがある。

ヨハネ伝１４章の、イエスの言葉である。

「メニー・マンション」とはいったい何だろうか？

わが父とは神のことである。

神のもとにはたくさんの住まいがある？

これを心を凝らしてよく考えることをお勧めする。

人それぞれの答えでいいと思います。

自分なりの答えを出してみることです。

私の答えはこうです。

神の家とはすなわち私たちの肉体のことではないでしょうか？

この世界の大きな秘密は各人の内に神がすんでいるということなのです。

あなたは神の子なのですよ。

あなたの中にはすべての答えがあります。

あなたの中には大宝庫があります。

つまり肉体は神の宮居（宮殿）なのです。

あなたは過去幾世紀にも渡ってその宮居を仮の寓居として転生してきたのです。

あるときは粗末なわらぶきの東屋に、

またあるときは黄金の大宮殿に

あなたの魂は住まったのです。

その宮居は渡し舟のようなものでやがては乗り捨てられるものです。

肉体に執着してはいけません。

ただし、仮の宿りとはいえ、

この現世での肉体舟を適切に管理してきれいにし、すみやすくすることを怠ってはいけません。

その家こそが棲家なのです。

わが父の家には棲家多しとは、

そんなことを言っていると私は解しています。

たとえ粗末なわらぶきの家に住んでいる魂でも

それは神のというか宇宙のエネルギーの分霊たるあなたの魂の立派な宮居です。

あなたにわからないことなどなにひとつないはずです。

答えはあなたがすべて知っているのです。

すべての答えはあなたの中にあります。

あなたはそれを引き出せばよいだけです。

「誰かが遠い海を越えて、あなたにありがたいお告げを持ってきてくれるだなどと考えてはなりません。

　答えはあなた自身の中にあるのです。なぜなら宇宙の大霊の分身である、あなたの魂は遠い歴史の

　太初から存在し続けているからです。」エドガー・ケイシー