THE THIRD LETTER
やや遠くに女性らしき人がうつむいてベンチに座っている。
ここはどこだろうか?
見渡すと公園のような遊具がある。あたりに人は見当たらない。
鳥もいない。風も吹いていない。まるで時間が止まっているような気がした。
目の前の女性に近づいていく。
私は、ただ、歩く。
それしかないような気がした。
私は死んだのかな?
体は痛くない。むしろスッキリとしている。
私は目の前の女性に何か話しかけようとゆっくり歩いていく。
服はやや薄汚れていた。そして何か異様な雰囲気を感じた。
恐る恐る近づくと
老婆だった。
ギョロリと睨みつけられた。
マズイかもと思いつつも、今の私は老婆しか話しかける相手はいなかった。
私は老婆に声をかけた。ごく、一般的な挨拶だ。
「こんにちは。」
我ながら、ボキャブラがない。
しかし、挨拶が一番この場合いいだろう。私は思い直した。
老婆は無言だ。
「あの、ここはどこですか?」
私は仕方なく定番の質問をした。
すると老婆は膨れた顔をし、ヨレヨレの手提げ袋から封筒を取り出した。
また、か。
まさか、ここでもコレをもらうとはね。
私は苦笑いをして、その白い封筒を受け取った。どうせ中は白紙だろう。
「何ですか?これは?」
その時老婆が初めて声を出した。
「アンタそれを待ってたんだろ。」
老婆は役目を果たしたかのように溜息をつき、立ち上がった。
ブツブツ何か言っているが聞こえない。
「あの。あなたなんですか?前の手紙もあなたが・・」
老婆は振り向いた。目は鋭く光り、口からはよだれを垂らしていた。
この世の物とは言えない形相に、私はたじろいた。
老婆はニヤリと笑い
再び歩き出した。
私はそれ以上何も話すことができず、動くこともできなかなった。
ヘナヘナとその場に私は座った。
私は老婆が差し出した封筒を見た。
どうせ何も書いていなんだろう。
私はビリビリに破こうとしたその時、手を止めた。
やはり、そうか。
最初の手紙からそうだったんだ。
封筒に私の名前が書いてあった。
私は封筒を開けた。
1枚の便箋が入っている。
そこには、たった1行だけメッセージが書いてあった。
「お前は今日死ぬ」
私は、なぜか安心していた。笑えてきた。
ずいぶんと遠回しな手紙を書いたもんだ。
あの白紙の意味はなんだったのか。
私は声を上げて笑った。ストレートに言えばいいのに。
それかひと思いに・・。
でも、恐怖がないわけではない。
いつ殺されるか分からないのだから。
何であれ、とりあえず、わかった。
死ぬのか。
でもまだ死んでいなかったんだ。確か頭を殴られた記憶がある。
何か、疲れた。ふぃに眠気が出てきた。
私はそのまま眠りこんでしまった。
カゼひくかも。まぁいいか。
今の私はカゼですら愛おしいと感じていた。