9. Break water ―破水― 生まれちゃいます
::: 1 ::: break a road...道を切り開いて進む
本社からブレイク日本支社の存続安定化の全権を任されている者として、命じます。お嬢さんに対するブレイカー業務成功に全力を尽くすこと。報酬は十二年――タイジさんの残りの寿命借金、全額です。
「そう言われてもよー……何から手をつけりゃいいのよ?」
タイジは一人きりの秘書室でカウチに沈んでいた。ばりばり後頭部をかくと、狐の尻尾状の髪がぴょこぴょこ揺れる。
「原因が俺って言われても。最近は心得守ってるじゃん。触ってもいないし、逆らってもいないし」
俺が何かしてるか、と面と向かって聞くのもますます動揺させるかもしれないしな。育児放棄してみた母親みたいに、ほっといて勝手に落ち着いてくれりゃ万々歳なんだが――タイジは首を振ってそれを打ち消す。
「その前にブレイクが消滅したらシャレにならんわ」
結局、密かに探りを入れに、支店長室へおもむくことにした。
「お嬢?」
ケツ出して寝ているところに踏み込むと仕置きされるようになったので、タイジはベッドから少し離れたジャングル内から声をかけてみる。
「……なぁに」
ぼんやりした返事が戻ってきて、タイジは歩を進める。お嬢はヘッドボードに背をもたせかけ、両脚を投げ出していた。
そういえば昼寝じゃなくて、こんな風にボーッとしてることが増えたな。気合が抜けてるようじゃ、そりゃジャングルも消えるってもんだ。勤労意欲のない俺が身近にいたせいで、お嬢のやる気をそいでたのかもしれない――タイジは納得してうなずく。
「あのさ、カレンの卵。どうなったかなーと」
ぱちくりとされる。興味ねーわ、と言ったくせにそりゃ唐突だよな。タイジは慌ててヘラッと笑って言葉を継ぐ。
「やっぱ思い直したんだわ。ほら下僕として、お嬢のペットの世話はしないと。ブレイカー業務に目覚めてみればさ、下僕仕事も真面目にやんなきゃー、なんて反省したりして」
お嬢は無言で薄気味悪そうな顔をする。
「なんつーの、サワヤカな汗? 労働のヨロコビ? 寿命の収穫をお嬢にカンシャしながら目覚めるスバラシイ朝……」
「棒読みもそこまでフラットじゃなーい……」
覇気のない突っ込みにタイジは詰まった。
「で、でも借金返す気は満々よ。お嬢は十年もブレイカーやってりゃ、そりゃ飽きも来るかもしれないけど――」
「なぁに、それ。飽きてなんかいませーん」
怒ったように断言されて、タイジはぽかんとした。
「へっ? そうなの? やる気減退してんじゃないの、俺が怠けてたせいで」
「寝言は個人的無意識世界だけにして。で、卵ならあそこ」
「卵だぁ?」
何のこっちゃ、とあたふたするタイジは、お嬢に心底気味悪そうな目で眺め回された。
「カレンちゃんの卵、見に来たんじゃないのー?」
そうだった。そんな言い訳を使って、お嬢を探りに来たんだった。タイジは急いで卵があるという地面に走り寄る。
「そっ、そうそうそうそう。たまごたまご。わーい、かえるのはいつかなっ」
幼児番組のお兄さん並のテンションでヨロコビを表現してみせたが、お嬢には通じなかったようだ。冷め切ったブラウンの目に、タイジのわざとらしい笑顔は凍りつく。
「楽しみにしたってしょうがないでしょー。孵化するのに半年くらいかかるんだから。タイジ、その頃にはもうここにいない」
「……お嬢」
「なぁに」
「お嬢」
「なぁにってば。オウムや九官鳥のペットなら足りてるのー」
タイジはお嬢から視線を外さないまま、ベッドのふちに腰を下ろす。
「もしかして、俺がいなくなるのが不満?」
ぱちぱち、と大きな瞬きが起きた。
「見せ物がなくなるのは、つまんないかもー」
なくなる、なのか。いなくなる、じゃなくて。俺はモノなのね。いやいや、いまさらこの扱いに落ち込んでる場合か。タイジは挫けそうになった気力を立て直す。
「寿命欲しさにブザマな姿をさらす見せ物としての、下僕の俺じゃなくてさ。他にもあるでしょ」
うーん、と首を傾げるお嬢。ないのか? 思い当たらないのか? 演技じゃないとしたら、そんなに考え込まれるのはショックだぞ――と、タイジはお嬢の意外と演技派な一面にすがってみる。
「俺は、他のブレイカーと違うだろ。少なくとも十八年間は、寿命の心配とは無縁で暮らせるじゃん。ファイみたいな障害も、カイみたいな病気もないわけよ。お嬢はそれが……気に入らなかったりするんじゃないの」
お嬢の口は、はぁ? の形で二秒ほど固定された。
「そんなの、タイジを拾った時からわかりきってることじゃなーい。後からねたむくらいなら、はじめっから寿命貸したりしないで、その場で打ち捨てるもーん」
確かにこのアホ面には、ねたむというドロドロした感情は無縁そうではある。タイジは妙に説得力を感じてうなずいた。
「じゃあさ、俺の何が不満なの」
「不満だなんて、だーれも言ってなーい。満足とも言ってないけど」
すげえ余計な一言がついてきた気がする。クラリとするタイジ。
「それより、さっさと返済することにしたんでしょー。このペースじゃ完済は望むべくもなーし。まだねたむ価値もなーし。はい、お仕事お仕事」
::: 2 ::: break in a storm...嵐の中休み
「ううっ。なんか、一日も早くいなくなって欲しいんじゃねーかって勢いで追い出された」
「泣き虫毛虫は挟んで捨てたいところですが、そうもいきません。タイジさんにはこの件に専念して頂きます。返済済みの借金は六年でしたね。解決できずにブレイクが消滅した場合、タイジさんは生まれても五歳強しか生きられませんよ」
ぴしぴし、と軽く竹定規で打たれても、タイジはカウチにうつ伏せで沈み込んだままピクリともできずにいる。
「それでもいいわ。あっちにはお嬢がいるわけじゃないもん」
「やけのやんぱちですね」
ああこれ、命が欲しくてあがいてるブレイカーの前じゃ禁句だったな。ぼんやりとそう考えてから、タイジはふと自分の言葉の意味に気づいて自嘲に笑う。
「情けねーな。俺、あきらめついてないんだな」
ブレイクがなくなったら大勢のブレイカーたちが命の路頭に迷うってのに、俺は自分のことばかりだ。お嬢を見習え、ブレイカーのために一人で宿命を背負ってやってんじゃねえか。他人のために犠牲を払ってんじゃねえか。お嬢にできることが、どうして俺にできない?
お嬢は他人との接触をことごとく断ってる。つまりは人間不信だ。もし好きな男ができたって信用できないんじゃ、あきらめるしかないだろ。俺もお嬢が好きなら、お嬢と同じだけの痛みを味わうべきだ。お嬢をあきらめて、それでも生きていく人生を選択する。それでやっと俺は、お嬢と同じラインに立てる。お嬢をわかってやれる。
なのに、俺は生まれる瞬間にそれを全部忘れることになる。お嬢がずっと抱えていく痛みを俺も抱えていられるのは、長くてあとたったの三ヶ月。痛みだけじゃない、俺はお嬢の存在さえ忘れる。お嬢を好きになった自分自身の気持ちさえ、きれいさっぱり。
最初から、実るはずがなかった。きっとどこかでわかってた、だからシラ子やカレンに代償を求めたんだ。かなうわけがない気持ちに直面するのを恐れていたから。でもやっぱり好きだと思い知った今、俺は俺なりに決着をつけよう。
俺はお嬢を忘れてしまう。それまでに俺がしてやれることと言ったら――肉体のある現実世界で昏睡状態にあるお嬢が、せめて精神世界で生きていけるように、ブレイクを存続させてやること。たとえ宿命を負っていても、お嬢はここで笑ってた。好きなペットや部下に囲まれてた。生き生きしてた。
神に見放された者たちのオアシスを守る、それも大義名分ではある。だけど俺は、お嬢を忘れてしまう償いに、せめてお嬢の居場所を守ってやろう。不治の病でも昏睡状態でも、お嬢がお嬢として生きられるように。
そういうかけがえのない生のチャンスをお嬢にもらった俺も、その恩に報いて、俺として生きてかなきゃ。
「悪いな、ファイ。変なこと言って。俺、頑張るわ。なんか……今まで成り行きと惰性で、借金返さなきゃってそれだけで下僕やブレイカーやってたけど。初めて、本気」
カウチから起き上がって、タイジは髪を結いなおす。お嬢がくれた容姿を、きちんとしたくなった。ファイもそれを見透かしたように、襟元を整えてくれる。
「助力は惜しみませんよ、タイジさん。ネバーギブアップでビシバシやって下さい。ぶっちゃけ、バックアップはパーペキです」
「バックアップ?」
ファイは共犯者のような密やかな笑みを浮かべている。
「お嬢さんの精神状態の乱れでブレイクが存続の危機にさらされた場合、わたしは本社から強権発動を許されています。わたしが一時的に支店長を務め、お嬢さんが安定するまで持ちこたえてみせます」
何だって――極限まで顎を落とすタイジに、涼やかな声はお構いなしに降り注ぐ。
「もちろんお嬢さんのように、ちょちょいのちょいとはいきません。ジャングルは無理でしょうし、社屋も相当貧相なものになるでしょう。ですが、ブレイカーたちが寿命を稼げる環境だけはつなぎとめるよう、スタンバっております」
あぐあぐ、とタイジは何度か空気を噛んだ。
「おまえ……おまえ、悪魔と取引したのか? このスカポンタン! ブレイクの消失をギリチョンでつなぎとめる、それだけのために――」
「ちゃんちゃらおかしいですね。悪魔と取引などしていません」
胸ぐらにつかみかかろうとしていたタイジの手は、すかっと宙を切った。
「……あー……えーと、わけわかめなんだが」
「神も悪魔も集合的無意識から生み出された、ユングの言う元型の一種に過ぎません」
元型――神話や伝説において時代や文化を超えて人類に共通する、英雄や老賢人、太母などの象徴的人格。つまりは神も悪魔も人間の集合的無意識の産物だ、ということだ。神を信じる者が聞いたら怒り出すようなことを、ファイはさらりと言ってのけた。
「つまりお嬢さんやわたしが取引したのは集合的無意識、人類そのものです。よって魂を売り渡すとか、神によって地獄に落とされるとかいうことはありませんので、ご安心を」
「ちょっとタンマ! ストッピングプリーズ! おまえが、お嬢は宿命を悪魔に負わされたと言ったんだろうがぁぁ!」
プラチナブロンドがいいえ、と横に揺れて否定した。
「言っておりません。誰が宿命を負わせたのかとタイジさんに聞かれて、魂と引き換えに願い事を叶えてくれる存在といったら何ぞや……と、関係アチャコな質問をしてはみましたが」
だまされた。確かに、悪魔に負わされたと断言はされていない――タイジはキリキリと歯を鳴らす。
「ひでぶっ……だけどお嬢だって、ブレイクが神様に見つかる前に引っ越さなきゃって言ってたぞ」
「もののたとえですよ。人間が人間同士で命を取引できるだなんて、宗教的概念で容認されるわけがありません。それは神の領域と考えられているからです」
結託してまぎらわしいこと言いやがって、支店長も支店長なら、秘書も秘書だ。そうしてにらみつける切れ長の瞳を、碧眼は楽しげに見返している。
「人間は無償で与える神と違って、代価や代償を求める存在なのです。無償の愛にも自己満足はつきものですしね」
「……お嬢が無償奉仕なんてありえないとか、組織はこうでなきゃいけないとかってスレたり屁理屈こねたりするのは、おまえの影響って気がしてきたわ。影の総番ってやつね」
開き直る相手には怒るだけ無駄、といういい見本かもしれない。タイジはだんだん、にらむ気力もなくなってきた。
「裏方が性に合う人間というのもいるんですよ」
「裏方っつうか裏工作だろ」
悪魔が実在するなら、そいつはきっとファイの顔をしている。こうして人のよさそうな笑顔で近づいて、相手を意のままに操っては喜ぶひねくれ者の根性悪――
「アガッ」
竹定規を口に突っ込まれて、タイジは呻いた。
「おわえ、ひほおひほうほ……」
しゃべれずに、タイジはぺっ、と竹定規を吐き捨てる。
「ニャロメっ。前からおかしいと思ってたんだ。おまえ、命を扱う代償に――」
にっこりと、ファイはタイジのいうところの悪魔の笑いを満開にした。
「はい。思考の強制的読解で取引しました。まあ、タイジさん相手には無意味に等しい宿命ですけれどね。そんなわけですので、後はバッチおまかせ。タイジさんは気にせず、お嬢さんのオアシスを守ってあげて下さい」
要するにファイが常に一枚うわてなのだ。あきらめて息をひとつつき、わかったと返事をしかけて、タイジはふと気づく。
「おい、タコ助。それなら、お嬢の思考も読めんだろ。お嬢が何で情緒不安定なのか、とっくに知ってんじゃ」
「ワタシ ニホンゴ ワッカリマセーン」
首をしめあげようとしたタイジの手をかいくぐって、ファイは肩をすくめる。
「わたしが無償でタイジさんに対するブレイカー業務をしてさしあげたことを、理解して頂きたいですね。最初から理由を教えていたら、タイジさんはブレイク存続に本気と書いてマジにならなかったでしょう」
「ふっ、そんなバナナ。人間は対価を求める生き物だ、と断定した本人がどの口で無償だあ?」
こいつは絶対面白がってたんだ。俺がお嬢をあきらめようとしたり、お嬢が生きられるように努力しようと決心したりする過程を逐一覗いちゃあ楽しんでたんだ。こいつならそれがお代としゃあしゃあと抜かすに違いない。タイジが肩で荒い息をついていると、案の定、ファイはケロリと言ってよこした。
「はい。胸キュンな展開でしたよ、タイジさん」
::: 3 ::: break water...破水する
「げっ、くそ。目が覚めそうだわ、俺」
ポアしてやる。無意識界は肉体を伴わないから息の根を止めることは不可能だが、殺してやる。と鬼の形相でファイを追いかけ回すタイジに、慣れた浮遊感が降りてきた。集合的無意識界から自我へ、つまり目覚めた状態へと移行するシグナルだ。
「この恨みは生まれるまで覚えててやるからなーっ」
ゆっくりと姿を霧のように消されながら、タイジは吠える。
「何の緊迫感もない脅し文句ですね。さよなら三角また来て四角。早いお戻りをお待ちしております」
早いお戻りって、集合的無意識界がデフォルトみたいな言い方だな――とぶつくさ呟きながらも、タイジは和やかな気持ちに気づいていた。
ブレイクでの下僕生活やバカバカしい騒ぎに、いつの間にやら本気になった。生きる気にさせてくれた。その世界で待っていると言ってくれる仲間、そして守ってやりたい女の子。
おふくろの子宮も悪くない。ここがパラダイスと思っていた時期もあった。のんびり羽を伸ばしてごろごろしていられるこの場所が――この、場所が――唐突に、タイジは凄まじい圧迫感に襲われた。
狭い。今までも徐々に狭くなってきてたが、それでも水に浮いているような感覚がある程度には、隙間があった。なのに今は肉壁が俺を押しつぶそうとしてるみたいだ。一体何が起きてるんだ。タイジが必死にもがいていると、肉壁越しに慌しい足音が聞こえた。
「先生、破水してます」
「何だって、早すぎる。まだ三十週過ぎたところじゃないか」
タイジの背筋を、恐ろしい寒気が支配した。
「破水した」
支店長室へドアをぶち壊さん勢いで飛び込んで、一言そう告げるタイジ。その勢いに反して、お嬢は冷静にタイジの股間を観察した。
「俺じゃないわぁ、ドアホウ!」
お嬢を守りたい――などと殊勝な決心はどこへやら、タイジはマットレスに強烈な蹴りを入れた。
幸い、医者たちは自然分娩を試みていた。押し出そうとする子宮壁に必死で抵抗すること数時間、タイジは疲れ果て、ようやく眠りに落ちて集合的無意識界に戻ってこれたのだった。
「おふくろだ。俺、あと何時間かで生まれちまう」
あと何時間かで、お嬢にブレイクを残してやるチャンスを失う。急がなきゃ――タイジはお嬢に詰め寄った。
「お嬢、気づいてんのか? ジャングルがどんどん消えてる。お嬢の精神状態が不安定だから、物質として固定されてないんだ。このままじゃブレイクが危ない。教えてくれ、何でお嬢は――」
タイジは言葉を切る。お嬢にはタイジの声が届いていないようだった。ベッドにぺたんと座り込んだまま、愕然としてタイジを見上げている。横領を働いた前財務課長に絶望を流し込まれた時と、同じ表情だった。
「お嬢」
真っ青なお嬢の顔を覗き込んで、タイジは何度も呼びかける。が、ブラウンの瞳は何かが切れてしまったように動きを止めている。
触ってないよな、とタイジは自分の手を確認した。大丈夫だ、俺は何も流し込んでない。お嬢の反応は、純粋にお嬢の感情だ。純粋に衝撃を受けてるお嬢の――衝撃? 自分が不安定なことを知らされて? それとも……それとも俺がいなくなるから……?
「なあ、お嬢……」
「失礼します」
タイジが問いただそうとした時、支店長室のドアがノックされた。返事を待たずに入ってきたのはファイだ。急ぎ足で、珍しく緊張をみなぎらせている。タイジはそれだけで何が起きたのか、ファイが予想し備えていた時が来たのを察した。
「お嬢さん。たった今、支店長室と秘書室を除く、ブレイク日本支社すべての敷地が消滅しました」
ゆるゆると、お嬢はファイへ顔を向けた。だが何を言われているのか、わかっていないような放心ぶりだ。
「本社からの特命のもとに、ただちにあなたの日本支店長の職を解きます」
心が動きを止めてしまったようなお嬢の前で、ファイは迷わなかった。お嬢らしからぬ無反応に対して感じているであろう心配も、心痛も見せなかった。
この男は断言していた。タイジよりお嬢を、お嬢よりブレイクを選ぶと。それによって、神に見放された――違う、寿命に見放された者すべてを守ろうとしているのだ。タイジは密命を帯びたのがファイであった理由に納得する。
「お嬢さんが社屋を再建できるようになるまでは、わたしが支店長の任を代行します。……タイジさん」
それまでの厳しい顔をふっと緩ませて、ファイはいつものようにゆったり笑った。
「我々のお嬢さんを、どうぞよろぴくお願いします」
タイジ、現在七ヶ月。借金、十八年七ヶ月。もろもろ六年を返却済。残りはブレイク存続安定化の成功報酬。彼はノルマを達成して、生まれてくることが出来るのか――。