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その青い世界で第一歩  作者: nono
第一異世界―門番の世界―
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プロローグ

この小説が初めての作品です。

誤字・脱字、表現方法等に問題があるかもしれません。

色々至らぬ点もあると思いますが、寛大なお心で読んでいただけると幸いです


 俺の名前は戸田誠司とだせいじ


 平凡な顔つきに、身長177センチ、体重も65キロと特徴と言える物も無く。服装にいたっては黒のTシャツに紺のジーンズ。これぞ没個性! と言われても納得するいでたちである。

 ちなみに年は18歳。


 こんな俺が少し前まで何をしていたかと言えば、家の玄関で荷物一杯の旅行鞄2つを置きたたずんでいた。なのに今の状況はまったくの別物。


 それは、雲一つ無い抜ける様な青空と、何処までも引きずり込まれるようなコバルトブルーの海。


 正しく(まさしく)視界一面の青。


 それが広がっていた。


 さて、どうしてこの様な状況になったのかを、俺の簡略な人生説明と共にお教えしましょう。




 俺はごく一般的な家庭で、ごく一般的に育てられた。家族は、父さん母さん俺の3人家族。

 高校二年までは何不自由無く暮らしていたし、俺も不満無く過ごしていた。学業と運動もそつ無くこなし、友達も何人もいた。



 しかし、それも高校二年の夏に壊れた。



 両親が交通事故で亡くなったのだ。



 両親の知り合いに連絡する事から始まり、葬式や、財産や保険金や税に関する金銭的な問題、後見人に関する話でしばらく身動きが取れなかった。

 結局祖父母に引き取られてから、2ヶ月は何もやる気にはならなかった。


 3ヶ月目に突入した頃、このままではいけないと思い旅に出る事にした。

 何故この様な行動に出たのか今でも分からないが、それでも、何かやろうと思い起ったのはいい事だと思う。

 祖父母も行動的になるのは良い前兆と思ったのだろう。結構簡単に許可を出してくれた。勿論、常に連絡を入れる事を条件に付けて。




 それからは、様々な所へ行った。日本中の観光地や、有名な所。景色の良い場所や、穴場的な場所まで見に行った。


 だが、旅を続ける内にそれが楽しくなり、日本だけでは満足出来なくなった。満足出来ないと感じた時には、外国語の辞書を買い、パスポートを作り、出国準備万端でいた。

 流石に海外に行く事に関して、祖父母は否定的だったが、殆どごり押しで了承させた。




 海外での旅は大変だったが、それに勝る(まさる)感動を俺に与えてくれた。世界中を1年と言う短い期間で回ったが、それでも充実した1年だった。




 日本に帰ってからもその感動をかみ締めていたが、家の手伝いをしなくてはならないので、祖父母の畑の手入れをして過ごしていた。


 世界を回ってわかった事は【未知みちを知り、未知みちに触れ事に多大な至福を得る】と言う事だ。だが、この世界にもまだまだ未知みちはあるだろうが、それよりももっと大きな未知みちを知りたいと思うようになった。



 そんなある日、畑を耕していた時クワでコブシ大の石を叩いた。

 その石は、他にも畑で見つける物と同じみたいであったが、クワで叩いた場所から淡い光を発しながら明滅していた。


 俺は自然と手を伸ばしていた。石に触れたその時、その石が砂のように崩れ去り、一瞬強い光が辺りを照らしだした。その眩しさに目を閉じはしたが、直ぐに開く事になった。



 それは…………



「はぁー、やっと外に出る事が出来ました。どうもありがとうございます」


 そんな声が聞こえて来たからだ。



 今ここには自分1人しかおらず、周囲は見渡せるぐらいの広さがある畑に居るのだ。人が近づいたら直ぐに分かるはずなのだ。

 だから、目の前で朗ら(ほがら)かな笑みを浮かべる男性外国人俳優の様な人物が居れば、皆も驚く事に違いない。

 緑色の長髪が風に揺れ、温和な表情に良く合っている。細めの体に、チベットの僧辺りが身に纏っている民族衣装に似た物を着て、神秘的な雰囲気をかもし出しているが、全体的にマッチしているのが不思議だ。



「え? あ、はい。どういたしまして? ……あれ? どちら様でしょうか?」


 要領を得ないだろうが、許して欲しい。なんせ、この時は動揺していたので他に思い浮かべる言葉が思いつかなかったのだ。


「あぁ、行き成りでは混乱なさるのも無理は無いですね。

 あらためて自己紹介をいたします。私の名前は、門番ゲートキーパー

 その名の通り、門番と言う役職名がそのまま名前になった、あなたの分かる言い方で言えば 神 に分類される者ですね」


 ふむ、この美形俳優モドキは神様らしい。

 だが門番? 名前から分かる事は何かを守ったり管理しているとも取れる。その前の発言と、石の事を合わせたら逆に閉じ込められたとも取れる。

 さてどうなってるんだ?


「今度はこちらですね。俺の名前は戸田誠司。普通の人間です。

 一つ聞きたいのですが、貴方は今までどの様な状況で居たのですか?」


「おや? もう平常状態に戻ったのですね。少し意外です」


 そんな首を傾げる仕草はやめてくれ。男性だと分かってはいるが、妙に合っていて反応に困る。

 それはさておき。


「俺は未知を見る事が好きなんです。俺にとって貴方は未知な存在。なら後は貴方を知る事でまた一つ未知を理解する事が出来ます」


「おやおや。どうやら私を助けてくれた人は随分と話の分かる人のようですね。大変嬉しく思います。

 では、私の事をお話いたしましょう。

 私は、私の管轄内に在る異世界と並行世界の転移、転送、召喚、送還の管理を行っています。次元震に巻き込まれ他世界に飛ばされたり、世界間の相異が合わさり他人同士で世界を越える交換が起こったり、召喚で呼んではいけない世界の人物を呼んでしまったりと、この様な問題を発生させない様にするのが私の仕事なのです。

 しかし、この仕事はキチンとやっていれば意外と時間が余ったりするもので、暇つぶしに様々な世界に行き友好を持ったり、観光して遊んだりしたり出来るのですが……。

 この世界に来た折に、退魔士に妖怪の類に間違われ、しかも大変強い者でして封印されてしまいました。私は戦闘面での技量は殆ど無く、一瞬の出来事でしたので逃げる事も出来なかった。

 そして長い年月を掛けて封印を弱体化させていた所で誠司君のおかげで出る事が出来ました。ありがとうございます。

 お礼と言えばなんですが、何か願い事はないですか? 私に出来る事であれば願いを叶えてさしあげたいのですが」


 ゲートキーパーは俺に分かり易く説明をしてくれたと思う。

 だが彼の『異世界、願い』を聞いて、激しく打ち鳴らす心臓の高鳴りを押さえる方法など無いだろう。他の質問すら考える暇など無い。その言葉を聞いてから俺の頭に思い浮かんだ事はただ1つなのだ。


「なら俺を、様々な異世界や平行世界に行けるようにして下さい! 俺は色々な世界を見て回りたい!」


 彼は少し考える様に時間を置き、しかし直ぐに俺が求めていた物に近い答えを提示してきた。


「……ふむ。それなら可能ですね。誠司君が自由に世界転移できる力を与える事は出来ませんが、私にどこからでも連絡出来るようにする事は出来ます。私に連絡を取る事で世界転移出来るようにする事は可能です。

 しかし、この世界に戻る事は出来ませんよ? この世界は科学が発展しだし、それに伴い魔法関連の概念が消失してきているのです。

 今は私がここに居るので一緒にこの世界から出る事は出来るのですが、出てしまえば私の権限では、再びこの世界に戻る為の力を行使する事は出来ないのです。

 これが他の管轄の者だったり、世界だったりすれば話も違ったのですが……」


 俺自身は問題無かった。


 見ず知らずの場所に行くのも、サバイバルをするのも、言語の通じない所で過ごすのも、紛争地帯で寝泊りした事もあるのだ。今更生まれた土地に帰れないなど気にもならなかった。俺的には、海外旅行でそのまま永住した様な感覚でしかないのである。


 ただ、祖父母の説得が問題ではあるが……。


「俺は大丈夫です。荷物を用意して、祖父母に帰ってこない事を話したらいつでも行けます」


「よろしい。ならば直ぐに準備をして下さい。準備がすんだら荷物を持って玄関で立っていて下さい。そのまま誠司君に力を与えると共に転移をします。

 最初の転移先は私の作った世界です。その世界は、私が管理している世界の中に居る友好を結んだ友たちが、自分の在り方や世界の在り方に疑問を持ち新たな世界を渇望した者が住んでいます。

 様々な世界を見て回りたいなら、危険な世界にも足を踏み入れるので力が無いとその世界を楽しむ事も出来ないでしょう。ですから、私が話を付けておきますので、その世界に居るモノ達に訓練を付けて貰うと良いでしょう。

 それと最後に、それぞれの世界特有の技法を習得出来るようになる力を授けます。くれぐれも、習得できるようになるだけですので、訓練は欠かさないようにして下さい。

 それでは、準備完了までお待ちしております」


「はい。後悔の無い様に話し合ってきます」




 家に帰った俺は、まず、祖父母にこの家から出る事を話した。そしてもう帰ってこない事も……。


 二人とも、今までの俺を見てきて感じ取っていたのだろう。こんな所でじっとしている俺では無いという事に。

 そして、子供はいつか一人立ちするものだと……俺の父さんの様に。


「人生には、たった一度しか訪れない転機がある。その転機を捕まえる事が出来たとは……。

 がんばるんじゃぞ」


「元気に暮らしなさいね。

 私達の事は気にしなくても大丈夫よ。今までも私達2人でやってきましたからね。これからも大丈夫よ。

 誠司くんが暮らした期間は短いけど、とても刺激的だったわ。ありがとう」



 温かい言葉と、力強い言葉に背中を押され旅立つ事になった。


 きっと両親と祖父母の事は、一生涯忘れることは無いだろう。



 鞄2つに、着替えやサバイバル道具や筆記用具等を詰め込み、言われた通りに玄関で待っていた。



 ここから始まる。新しい世界への旅立ち。


 辛い(つらい)事もあるだろう。悲しい事もあるだろう。


 だが、それ以上に嬉し事や楽しい事が待っているだろう。


 そんな世界を思い描いていく。



 かすかな違和感と、瞬き(まばたき)1回分の時間。それだけで、俺は新たな世界に立っていた。



 立っている場所は低い崖の前。


 暖かな日差しが体全体を照らし。


 気持ちの良い潮風が海の香りを届けてくれる。


 雲一つ無い、立っている場所すら空の一部になったかに思うスカイブルーの青空。


 水平線が丸びをおび、かすかに白い波をたてているコバルトブルーの海。



 地球と変わりなさそうな感じだが、確かに違うと思える場所。



 俺は、その青い世界で第一歩を踏み出した。



 これが全ての始まり。


 この俺戸田誠司(とだせいじ)がこれから歩む、異世界冒険譚の始まりだ。




「良く来たなボウズ。話はアイツから聞いてるぜ」


小説書くのって大変なんですね。

他の作家さんの感想で指摘した事が、自分で書くと同じ間違いをしている事にへこみます。orz

小説を書くに当たって、色々試行錯誤しています。

読みやすい所もあれば、読みにくい所もあり。くどくグダグダしてると思ったら、アッサリと終わったりと書き方が安定していないです。

不安定な状況が暫く続くと思いますが、慣れるまでは待っていただけるとありがたいです。

第一世界の数話は説明ばかりだと思います。

第二世界に入ってからが、ダンジョン探索等が出てくる話になるので、それまでお待ち下さい。

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