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最も進化した生き物

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/08/04

 人間とはまったく姿形が異なる宇宙人が地球にこっそりやってきた。

 他の星ではどの程度の文明が繁栄しているかを調べに来たのだ。


「では報告を」

「はい。この星では最も進化したのは一見すると人間に見えます」

「一見すると……? まぁ、いい。文明レベルは?」

「はい。我々に近いレベルを持っています。宇宙への進出は手間取っているようですが、それも百年後には我々と大差ないものになるかと」

「ふむ。中々だな。我々からすれば7〜10世代は離れることになるが、人間からしたら2世代ほどか」

「ええ。人間は短くとも五十年は寿命を持ちますからね」

「なるほど。で、一見するとなんて言っていたな。これはどういう意味だ?」


 問われて報告者は頷く。


「はい。実のところ人間より賢く進化している者たちがいます。その者たちはあえて人間の配下になっているよう振る舞うことで衣食住を人間に用意させます」

「ほほう。要するに人間を下僕にしているのか」

「はい。それもその認識を一切持たせないまま」

「素晴らしいな。で、それはどんな種族だ?」


 報告者はにんまり笑う。


「我らと同じ姿を持つ者ですよ」

「それはそれは……」


 報告を受け取った方もまたにんまりと笑った。


「誇らしいものだ」

「はい。多くの人間どもは我らを見るだけで無条件に可愛がります」

「そんな場所なら我らの休息所としてこの星は使えそうだな。直ちにそう共有しよう」

「では、侵略ですね」

「あぁ、それも平和的にな」


 そう言って彼らは笑うばかりだった。



 *



「最近、野良猫が増えましたね」

「そうさなぁ。おかげで大変だよ。不妊手術をする側も」

「さくら猫でしたっけ?」

「そうそう。不妊手術をした猫ちゃんね。この子たち増えないから安心なんだよ……」


 侵略を企てた宇宙人達が直ちに地球を『接近禁止』としたのは言うまでもない。

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