表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社会適合イップス〜弱いままでもNEWGAME〜  作者: 枝流シマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

Track No.1 ~Runaway行進曲~

イップスとは精神的・心理的な要因や脳の機能障害により、それまで無意識にできていた思い通りの動作が突如できなくなる運動障害。

そしてそれは時間が経てば経つほど深刻になっていく


すぐにこの部屋から抜け出さなければ

あの時までは社会に適合してたはずだ

大丈夫。普通の服。普通のメイク。

普通な喋り方。普通な仕事速度。

全部問題ない。

まるで正常な社会人みたいだ。


私の心以外は


この世ではない別のどこか…異世界転生なんて夢を見れるような世界ではない現代の逃げ道か修羅か

幸運にも用意されたその席で

りこなせるのか



名古屋地下鉄のみずほ線みなほ駅の1番出口は飲み屋街への入口にもなっている。


いつもは考えずとも住んでるアパートの方面にある7番出口から出るが今日は違った。飲み屋街に吸い込まれるサラリーマン達の波に乗ると電車に揺られながら決めていたのだ。


や台ずしや昭和レトロを売りにした大衆居酒屋が入った横丁があるが、今日は店選びで失敗したくない思いが勝り結局チェーン店の鳥華族にいる。


鶏皮とハイボール。

これで今夜の自分の機嫌をとれるのだから

容易くうまい選択だ。


呑んだくれた後に家へ帰るということ自体に面倒を感じてここら辺で一人暮らしを始めてから飲むなら家か会社の付き合いしかなかったが、食べ飲み放題で頼めばバリエーション豊かにお酒もツマミも好きなだけ。もっと足取り軽く通っても良かったかもしれない。


『3年間短い間でしたが、お世話になりました。

残業が続いた時期も乗り越えれたのは業務経理部Aの皆さんのおかげです。飲み会グループも楽しかったです!本当にありがとうございました。』

部署のグループLINEに退職挨拶。しばらくしたらグループ退会しよう。


あぁ、飲み会グループ退会のタイミングはむずかしいな...

締め業務落ち着いたタイミングで飲みに行きましょうねと言われていたけど、ぶっちゃけめんどくさい。

毎回店のチョイスが微妙に悪いというか会社近辺にチェーン店以外に味の保証が取れた店がなさすぎたのか飲み会という場は嫌いではないが、出費に比例した満足感はなかった。


年末の忘年会シーズンでどんちゃん騒ぎしている店でひとりヤケ酒し、手羽先の油っぽさと、飲みすぎた後悔を洗い流すが如くトイレをあとにした。

仕事を辞めたのだ。今日くらいは飲みすぎて後悔するくらいが丁度いいのかもしれない。


去年うつ病だと診断されてからあまり実感はなかったが、今年の夏以降どうにも体がついていかず朝から頭がフラフラとして外に出ることのできない日が続き…

最初は外に出れない日は在宅出勤をしていたのが、段々とベッドからも動けなくなり月の中で休む日も増えていった。


そして、クビを待つか先に退職願を出すかの瀬戸際状態が半年近く続いた末に契約更新しないという契約社員だったのが吉か凶とも言える形で作用し、幕引きの案内はあっさりと進んで行った。


別に退職しても、この治るかも分からない精神病を抱えてこの先まともな社会人をし直せるのか

将来に対する不安ばかりが勝って解放感はさほどないのが拍子抜けといったところだ。


それでも退職後に飲むレモンサワーの爽快感は普段とは違うのかもしれないし、、

プラシーボ効果ぐらいは楽しんでおこう。



しっかりと満喫し最後の〆を何にするかメニュータブレットを見つめていると男が目の前にドカッと座り出した。

彫りが深いこめかみにベリーショートのブロンドヘアと緑の瞳の男が目の前に座ってきた。昨日見た姿とは違うが、佇まいを見るに隣人のブルージュ。

私認、宇宙人だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
退職挨拶のLINEや、味の保証が取れない会社近くの店など、地に足のついた生々しい日常の描き方、すごく胸に刺さります。 そして、唐突に現れた宇宙人。 この普通じゃない出会いが、どう物語が動いていくのか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ