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第0話 プロローグ

「マッチ……マッチはいりませんか?…」


おおみそかの夜、わたしことリベリーは雪が降る街の中でマッチを片手にそう弱々しく呟いた。

明日の夜明けまでに大家のおばさんに10000エンを渡さなければ、きっと寒さと飢えで死んでしまう。風で崩れた金色の髪はなおさず、マッチ箱でいっぱいのカゴを持ち直して、また声を絞りだす。


「マッチ1箱200…いや、100エンです。マッチ…マッチはいりませんか?」


時々通りかかる人に声をかけ、そのまま無視される。そして時はすぎ、人はおろか馬車ひとつ見かけなくなってしまった。

誰かの足音ももうなく、小さな街のぽつんとした街頭だけが目に映る…訳じゃなかった。

顔を北にむけると太陽が落ちてきたのかと勘違いするほど、きれいで、煌びやかな光。


「この国のお金・権力その全てが集まる場所、ファーブラ・カジノ…わたしもいつか絶対……!」


ヒュウウウウウウ──わたしの決意は北風に嘲笑われた。そろそろ帰らないと、帰るところないけど…

わたしが今持っているものは、50エンとカゴいっぱいのマッチ箱。とりあえず今日をどう乗り越えるかは、暖まってから考えよう…

箱から1本マッチを取り出して__「シュッ!」と、こする。マッチがメラメラと燃えだした。あたたかくて、明るくて、ほんのり赤くて、ヒゲが生えてて…


「契約、契約はいりませんか? お嬢さん」


しゃべって…しゃべって……??


「はゎ!?…ぇ…!?」


目の前。今にもマッチの火がヒゲにうつってしまいそうな程目の前に男の顔があった、大きくも鋭い眼がこちらを見ている。赤い眼だ。炎のように、もしくは血のように真っ赤な眼。この世の全てを飲み込むような炎の眼にみつめられて、わたしはぎょっとしてしまった。


「…失礼、驚かせてしまいましたね。私は…私はそうですね、マッチ、名前はマッチと申します。」


男は1歩引いて跪き、再び声をかけてきた。窪みのひとつもない雪の道に跪く初老の男は、とても異質なものにみえた。

名前は、マッチ?明らかに偽名…いやそんなことはどうでもよくて!


「なによあんた!?…誰!?…わたしに何する気!?」


「先程言ったでしょう、契約です。貴方様の【望み】を叶える手助けをしに参りました。」


ファーブラ・カジノの光に照らされた、マッチと名乗るその男の眼は、炎のように燃えていて、血のように冷酷で、とても一言で表せないようなものだったけれども。

それでも無理やり言葉にするならこう。「悪魔の眼」

みなさん初めまして、にーはいFです。

読んで頂きありがとうございます、メスガキは好きですか?私は大好きです!!

まだメスガキ要素も少ないですが、第1話をご期待ください✨

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