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マッドセガール工業幼稚園  作者: ポテろんぐ
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渡辺とファーブル昆虫記

 その頃。

園長室でのほほんとしていた木魚の男、髭男のもとに、犬猿の中の男から手紙が届いていた。なんと木魚男はその手紙を開いて、中を確認したのであった!


『聞けば蛾の中には、幼虫の頃、アリに育ててもらうと言う種がいるそうです。

 私の子、渡辺を今まで育ててくれて、ありがとう髭男。お前は嫌いだけど、それだけは感謝します。

 

渡辺はいただきます。    ちゅっ   

                     マッドセガール市警 署長より』


 髭男はその手紙を見るや、クシャクシャにして投げ捨てた。


「あのクソ野郎ぉぉぉぉ! 何が「ちゅっ」だ!」


 怒りで震える髭男。なんと、その時、電話が鳴ったのであった! 撮れ高の低い行動ばかりする髭男である。


「はい、もしもし。髭だが」

「はぁはぁはぁはぁはぁ。爺ちゃん、どんなオムツ、はかされてるの?」 


 電話の主は玉男であった。髭男はそのまま受話器を山口百恵の引退よろしく、そっと置こうかとした……さよなら特別な私。


「あぁ! 冗談、冗談! 大事な用事なんじゃよ!」

「死ねっ!」


 髭男の声は、ブスッとしている。


「そんな、大っぴらに嫌わんでも。ワシは一応、先輩だろ」

「切りますよ」

「あぁ! それがな、今、警察にいるんだが、不味い事になった。平塚源蔵が、渡辺逮捕に動き出したぞ」

「何だとっ!」


 髭男も、平塚の名に飛び上がった。


「渡辺は今どこにおるんじゃ?」

「渡辺は、いまマイスィートハニー小林の元に出掛けて行きました」


 髭男は、心の中で「しまった!」と舌打ちした。ワルモンと行動を共にしていたら、渡辺はいつ爆発してもおかしくない爆弾と変わらない。平塚ならば、簡単に逮捕してしまう筈だ。


「すぐに、渡辺を幼稚園に連れ戻せ、一歩も出すな! 平塚相手では、どうなるか解らんぞ!」

「解りました。スグに、連れ戻します。玉男先輩は安心して死んでください」

「うむ!」


 思わず元気に返事をしてしまう馬鹿。

 『これ以上、こんな人間のゴミみたいな奴と交わす日本語はない』と、髭男は受話器を置き、園長室を後にした。平塚源蔵と共に、マッドセガール市が動き出していた。


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