ショートメモ04「Light。。」
新帝都集団:
『ちょっと行ってくるね。』
そう言い残して消えたパートナーを探し、たどり着いたのはとある辺境の廃宿だった。
「・・・。」
買い物のついでに、みたいに言ってくれるなよ。お前は俺の母さんか。
・・・・・本当に、あのAIは何もわかっちゃいない。こんな罪悪感だけを残していくなんて夢見が悪すぎる。悪夢だ。
罪悪感
拳を壁に叩きつけると血が滲んだ。フラフラと入り口へ近づいていく。
耐震工事をしてあったのか、建物自体は酷く損壊してはいない。ただ、看板といい、内装といい、かなり前から撤去されていないもののように見えた。
声は聞こえない。
ここに連れ去られた女の子がいるかも、わからない。
「なにしとんのお前。」
「!」
ふいに壁の向こうから複数人の覆面が出てきた。その途端、夢から覚めたように背筋が凍っていく。
「ここでなにしとんの、って聞いてるんやけど?」
「あ、」
「聞こえやんのか(笑)?」
笑いがどっと起きた。
「ほなもっと聞こえやすぅ言うたるわ。」
「・・・た!食べ物を探しにッ!!」
逃げたい。今すぐに。でも背中を向けることすら許されない。思わず口をついて出た言葉にまた笑いが起きる。
「なんや、この兄やんと関係ないんやな(笑)?」
「!??」
何やら滴っている黒い袋を持ち出して、そこに、ゴトン、と
首
が、
見―――「う、うわぁあああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアあああああッ!!!!」
俺は、気絶した。
02」
「おい、山の中へでも放っとき。こいつも。」
集団の一人が震えていることに気づいたのは、その時である。
「わ、笑ってる。」
「は?」
「首が・・・ァッ!」
「はァー?・・・・・・・・・・!?」
「おい、火ィ持ってこい!早く!!」
「はは、心霊現象、
「この阿保!どこが心霊や!
「な、ギャアアア!」
「おい○○!?返事せえ!どないしたんや!」
ドサっ、
仲間の一人が地面に落ちた。
ポト、
ポト、
「な」
ポタ、
「なんのお、と」
「ホログラムだよ。知らない?」
今までとは違う口調が静寂を破いていく。
「仲間なら心配いらないよ?気絶させただけ。もっとも、この状態も自然なことだ。人類により近い状態にするための鮮度(血)は防ぎきれない。首を再生するのにも時間がかかる。・・・彼は無事だね。」
言うなり、彼は瞬間移動した。
「じゃあね。僕は君たちと関わり合うつもりはない。」
拳がのめりこむ。
次の瞬間、彼は記憶を失っていた。次に起きた時、ここがどこで、自分が何者であったかも。