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3話 Sランクアイテムの集め方(アイテムチート)

「な、何で私以外の女の子が……」

「患者だよ患者。君と一緒だよシエラ」


そう答えながら俺はシエラが落とした薬草を拾い集める。


「な、なんだ患者ですか」


ほっと息を着くシエラ。

何でそこでほっとするのかは分からない。


そうしているとリリア達も落とした薬草を集めるのを手伝ってくれた。

それから聞いてくる。


「ワイト。そちらの人は?」

「シエラ、患者だよ。俺のところに来るのは患者だけ」

「ち、違います!ワイトの助手です!」


そう言い切るシエラ。


「助手にした覚えは無いが」

「薬草を持ってきてるんだからもう助手です」


胸を張るシエラ。

ちなみに胸はない。


「そ、そういえばさ。ワイト」


シエラが話しかけてきた。


「ヒールしてくれないかな?さっき転んで擦りむいちゃったんです」

「そんな無理難題押し付けるなよ。知ってるだろ?俺のヒールの腕前」


そう答えながら苦笑いすると棚から薬草を取り出してシエラに渡す。


「すり潰して塗り込んでおけばいいさ。俺のヒールよりは聞くはずだ」


そう言うと彼女は言われた通り塗り込んでいく。


「ねぇ、ワイト」


そんな会話を見ていたルゼルが声をかけてきた。


「私はみんなのヒールを途中から手伝ってたから知ってるけどワイトはどうして最初からヒールしなかったの?」


多分彼女が言ってるのはヒールの方が薬草より早く回復出来るでしょ?って事なんだろうけど。


「Sランク冒険者なんだよね?ワイトって」

「何を勘違いしてるのか分からないけど俺がいつ自分のことSランク冒険者、なんて言ったかな」


ルゼルの質問にそう返すとルゼル達が驚く。


「「「えぇぇぇぇぇぇぇ?!!!!!!」」」


驚かないのはシエラだけ。


「俺はパーティ追放されてここに流れ着いたんだけどな」

「ぱ、パーティ追放?」


理解できないのか聞いてくるサーシャ。


「わ、私たち全員を回復し切った実力者がパーティ追放だって?!あ、有り得ない!」


追放した者は馬鹿過ぎる!と口にするサーシャだが


「メインの回復は薬草だよ。ルゼルなら分かるだろ?」


彼女はずっと俺の治療を見ていた。


「俺はまず薬草をみんなに使ってそれでも足りない分を更にヒールし続けただけ。俺は自分のヒールの弱さを理解してるから使ってない」


そう言って俺はシエラのカスリ傷にヒールをするが回復しきらない。

普通ならば剣士でも回復しきる程度の傷なのに俺にはそれが出来なかった。


「分かった?俺のヒールはこの程度でしかないんだよ」

「わ、私この大量のSランク薬草の殆どは違法に採取してきたんだと思ってた」


ルゼルはそう言って俺の目を見てくる。


「今の魔法を見るとEランクすら危うそうなのにどうやって集めたの?これ……」


震える声で聞いてきた。


「スキル【特殊調合】起動」


丁度いいし俺はスキルを起動した。

ゴミ捨て場で拾った普通の壺を手に取るとそれをテーブルに置く。


器の頭上に文字が浮かび上がる。


【素材を投入してください。現在0ポイント】

→質の悪い薬草×30 ポイント1

・まぁまぁの質の薬草×10 ポイント2


表示される文字を見て聞いてくるルゼル。


「何このウィンドウ。初めて見た。ポイントって何なの?」


薬草を適当な数入れると


【質の悪い薬草×5を投入しました。現在5ポイント】


文字が更新されて


【質の悪い薬草×1を入手できます。調合しますか?】


「へ、減ってるじゃない!」


叫ぶルゼルに答える。


「まぁ、見てなよ」


【質の悪い薬草×5を追加で投入。現在10ポイント】


文字がまた更新される。


【ポーション×1を入手できます。調合しますか?】


そこでルゼルがまた口を開いた。


「これならトントンくらいだよね。良かった。普通の調合スキルみたいだね」


どんどん素材を投入していく。


【合計。質の悪い薬草×30。まぁまぁの薬草×10を投入しました。現在50ポイント】


文字が更新される。


【Bランクアイテムのハイポーション×1を入手できます。調合しますか?】


「な。なにこれ……」


ルゼルがその場で崩れてしまった。


これが俺のユニークスキル、ポイントを溜めれば普通のスキルでは調合出来ないようなアイテムも調合できる。


もっとポイントが高ければSランクアイテムだって作れる。


「な、何でこんなEランクのガラクタからBランクのアイテムが出来るの……Cランクのアイテム二つでやっと調合できるアイテムなのに」


調合してハイポーションを手に持つとルゼルに渡す。


「あげるよ」

「も、貰えないよこんなの。い、いらないなら売ってきたら?」


ルゼルの言葉に続くリリア。


「そ、そうですよ!ワイト。銀貨3以上の値はつきますよ!」


そう言われて俺はアイテムポーチを開くと袋に文字が浮かび上がる。


→ハイポーション×99


【所持数上限です。これ以上持てません。捨てますか?】


「アイテムポーチにしまえないんだよね。だから捨てるしかないからあげるって言ってる」


そう言ってルゼルが要らないならリリアにと思って渡そうとすると


「わ、ワイトの作ったハイポーション、いただきます!」


リリアが受け取りに来ようとしたけど


「ワイトの作ったハイポーションは私が貰う!」


リリアを後ろから羽交い締めするサーシャ。


「や、やめてください!離してください!私が貰うんですぅぅぅ!!!!!」

「リリアはさっき膝枕したし手も握られてたんでしょ?!ここは私に譲るべきだよリリア!」


俺のハイポーションを目指そうとする2人だがルゼルにもう一度見せる。


「いる?」

「うん、ワイトの作ったハイポーション……♡もらう!」


争奪戦に参加しなかったルゼルにハイポーションを持っていかれる2人。


「「そ、そんなぁ……」」


落ち込む2人にアイテムポーチから取り出したハイポーションを渡す。


「喧嘩するなよ。せっかく治したのにまた怪我するつもり?そんなに欲しいんならあげるから」


喧嘩してすみませんと謝る2人だった。

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