開戦半年前
神が世界を作ったと言われた時から
1000年
世界は4つの大陸に分かれていた。
九匹の龍が護ると言われる、豊かな土地と
山々が連なり海に囲まれた九龍大陸
周りを海で囲まれ、地下資源はないが豊か
な土地と九龍大陸より広い国土を持つ
ミリア大陸
世界最大の広さと、地下資源に恵まれた
アナ大陸
世界の北側に位置する人の住むには厳しい
環境の地域が少ない北の大陸
農耕と、魔法の文明を築いていた世界は、
ミリア大陸で興った「科学の文明」により
徐々に変わりつつあった。
世界で一番小さい九龍大陸は、東よりヨト
の国、ゴクチ国、コビ国、ヒョウの国が
あり、最後の戦乱から150年、平安な
時代を過ごしてきた九龍大陸には戦乱の影
が近付いていた。
半年前
コビ国より東方、ゴクチ国首都本城
「やはりか…」
宰相のギアクは髭をなぞりながら思案を
巡らしていた。
顔には深く皺が刻まれ老獪との言葉が
似合う男だった。
「はい、間違いありませんヨトの国にミリア
大陸側よりシン帝国の大型の帆船が約200隻
、更に後ろには300席以上の船が入港を
待っている状態でした。」
「うむ、分かった、下がって宜しい」
「王よ、やはりヨトの国はシン帝国に協力
しましたな」
「仕方があるまい、ミリア大陸で興った
科学とやらがよほど魅力的であったの
だろう」
「さて…バークラ将軍、敵の総兵力はどの
位か?」
宰相ギアクが声を掛けたバークラ将軍は、
筋骨隆々とした初老の大男であった。
「うむ、ヨトの国が手を貸しているなら
ば兵站は現地で補給するであろうな、
草の報告からすると最大5万と言った
ところか…騎兵が5千、歩兵が3万、
その他で1万5千、馬と龍を含めたら
もっと少ないかもしれんが…」
「ヨトの国の軍勢より多いの…」
「ギアク殿、ヨトの国は元より常備軍は
王を守る近衛兵団しかおらん、5万の軍
を一挙に送れるシン帝国の前には吹けば
飛ぶようなモノ…現状未だに戦時編成に
なったと言う情報は聞いていないからな」
「バークラよ、開戦準備はどうだ?」
「王様、騎士団は準備完了です、マエガ
御親兵を戦時編成にして鎮台に準備中
です、次の季節には閲兵式が可能です。」
「うむ、頼んだぞ」