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雷騎士団

ヨナとフミが偵察に出ている頃、

リキとライは自分達の雷騎士団の戦力化を

していた。


しかし王によって集められた練度の低い

若い騎士、平民や領主の子弟はまるで捨て駒

同然であった。


そんな時、リキとライの元にゴクチ国の戦い

が失敗した報せが入る。

コビ国 サンガ砦

フミ達が住むヤマガシ村より、山地を下った

南側の平地は肥沃な土地と、豊富な水源が

ある農耕地帯であった。


その農耕地帯から都まで続く街道に置かれた

大昔の砦に、兵士達が剣の稽古をする声が

響いていた。


「よし!午前の訓練ここまでだ!」


リキは稽古をする若者に指示を出していた。


雷騎士団が創設され、一時的に使わなくなっ

た大昔の砦が屯所として割り当てられたのだ。


「皆さん!ご飯出来ましたよ!」


ヨナの妹カヨが声を掛けると、兵士達は

一目散に、カヨや食事を準備する少女達の

所に駆け寄って行った。


「カヨちゃん達!いつもありがとう」

全員が訓練用の木の甲冑を着ていなければ

、賑やかで楽しそうな光景に見えるだろう。


「リキ、どうだ?戦力になりそうか?」


「騎士の家の次男坊達や三男坊達は何とか

現場の指揮官レベルになりそうだけど、

平民からの連中は、完全に付け焼き刃だな」

「ライ、そっちはどうだ?」


「騎兵分の龍はなんとか確保したが、鉄甲冑

はムリだ、渡された予算がこれだけじゃあ

なあ」


「死に行く者達に、あの世への渡賃は渡せ

ないらしいからな」


「リキ、やっぱり…」


「ああ、騎士の家から集められた連中は皆

第1王子の派閥じゃない家の連中だ、意図的

だろうな、しかも全員15から18ばかりだ

中には子供もいる」


「皆…死ぬかもしれないな」


「平民からの連中も皆20になっていない、

でもなライ、俺はこいつらを無駄に死なせる

つもりはない」


「リキさん!ライさん!食事です、どうぞ!」


リキとライが現状に沈んでいると、カヨが

2人に食事を運んで来た。


「カヨすまないな、イナ様には完全に頭が上が

らないよ」


「リキさん、いいんですよ!私が父上にリキさ

ん達のお手伝いがしたいって言ったんです」


「それに近くの村の女性や子供達にも声を掛け

てくれて、本当に助かってるよ」


「本当は皆、第3王子に会いたいからって理由

で来てるんですよ」

カヨが笑顔で答えると、ライはリキの前に

せり出しながらカヨの手を握った。


「大丈夫、カヨちゃんには俺がいるから!」


「ライ、親父殿に言いつけるぞ」


「リキはいいよな、モテモテ王子で」


三人が和やかに談笑をしていると、伝令が

慌てた様子で駆け寄って来た。


「リキ様!ゴクチ国のヤマガ鎮台の一部と

王直轄の騎士団が、シン帝国に撃破されまし

た。」


「何!?」


「そうか…ライ、後で偵察に行くぞ、もう

一度作戦を見直す」


「分かった…」


伝令の報告に、リキとライのシン帝国の侵攻は

ゴクチ国で失敗して、講和の可能性があるかも

しれないと、心の何処かに抱いた希望は打ち砕

かれた。

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