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序章
コビ国境付近
「おい、起きろ、来たぞ」
「おう…草※の報告より随分と多いな」
草…内偵、密偵
山地に囲む森の中で2人の男が木の上
から山を見下ろしていた。
男達は龍のレリーフが入った胸当てに
片方の男は剣を、もう片方の男は弓を
持っていた。
遠くの山地を貫く街道を、多数の軍勢が
行進してくる。
「軽騎兵がざっと50、肩に筒を担いだ
徒歩兵が300、あの小さい龍に引っ張ら
せている大きい金物の筒が全部で20位
か、前衛部隊が来たな」
「…あれが噂に聞く"科学"って物で
作った武器だな、兵が担ぐ筒は魔法無し
で石礫を飛ばし身体を貫き、大きな筒は
ゴクチの国の軍団を吹き飛ばしたそうだ」
「リキ様、ライ様、そろそろ…」
木の下から小さい胸当てを付け剣を
持った兵士が声を掛けた