友達
『ダークネス・アロー』
闇の言望葉使いのグレイが放った黒い風は矢の形を成し、ルカを狙った。ルカは素早く槍でいなす。
もう一人の闇の使い手であるクルミの豪腕から繰り出される攻撃をアイリスは身体を軽々と自由自在に動かし、かわしていく。
「あたしの拳をかわすなんてやるじゃん!」
「ようやく勘が戻ってきたわ」
クルミの回し蹴りをアイリスは屈んでかわすと目にも止まらぬ早業でクルミの軸足を蹴り抜いた。
「おっとと!」
クルミは床に片手を付きそのままアイリスの腹目掛けて足を向ける。その動作を予測していたアイリスは槍で上から叩き落とした。
「いってぇ!!」
クルミは堪らず悲鳴をあげるが、視線を相手に向けると「ひひっ」と目を細め笑った。
グレイもルカに向けて方頬を上げ嫌な笑みを浮かべている。
「これだけ闇の言望葉使いの攻撃を受けていれば当然のことです。......心力が削られる感覚はいかがですか?」
ルカとアイリスは汗を流し、息を荒くしていた。対照的にグレイとクルミは涼やかだ。
「心力、とは言望葉のもととなる力のこと。通常言望葉使い同士の戦いというのは心力が強い
方が勝つのですが.....。」
グレイはふっと細い目をさらに細くさせた。
「闇の力は心力を削る。どういったわけか、聖の言望葉使いの心力を削ることはできないのですが。ふふ。この場は僕達の独壇場だ。一方的過ぎて申し訳ないなぁ」
『ヒーリング・ハート』
「!?」
リーフの翳した掌から放たれた淡い緑の光がルカとアイリスの胸に届く。二人は先程までとは嘘のように息も整い、しっかりと立っていた。
グレイとクルミが忌々しげにリーフを睨み付ける。
「癒し手か…」
リーフは普段の柔らかな笑みを消していた。
「ルカ、アイリス。武力、心力共にお主達の方が上回っておる。早くアミナとシオンの救出に向かうぞ」
「「はい!!」」
ルカとアイリスは敵を見据え武器を構えた。
夜の暗い海の上を大ガラスはぐんぐん羽ばたいていく。街と山を繋ぐ海の上に架けられた橋の上に誰かがいるようだ。
その人物を視界に入れると、シオンの目が怒りにつり上がった。
「ボリスラフ......!!」
カラスの足に必死にしがみついていたアミナはシオンの低い声にハッと目を見開いた。
ボリスラフ.....って、シオンを捕まえてコロシアムに連れて行った....。
闇の言望葉使い...。
アミナは眼下の人物に身体が震えた。
カラスは橋の上に降り立ち、シオンを地面に乱暴に落とし、しがみついたままのアミナを思いきり足を振り回して外した。
「あっ」
「くそ!」
地面に叩き落とされそうになったアミナをシオンが駆け寄り横抱きで受け止めた。アミナはふき飛ばされた衝撃で口をパクパクとさせ、心臓は早鐘のように鳴らせていた。
「あ、ありが」
「なんで来たんや!」
シオンの怒号にアミナの肩がすくむ。シオンは本気で怒っていた。その剣幕にアミナが涙目になって何も言えないでいると。
「うふふ。ずいぶんと可愛い子ねぇ」
「ボリスラフ....!」
長く美しい漆黒の髪をさらりと撫でた爪は深紅に塗られ、短い黒のタイトスカートから惜し気もなく伸びる足はきめ細かい。吊り上がった目は長い睫毛に縁取られ、赤い瞳はルビーのよう。真っ赤な唇は厚く、見惚れるほどの美女がそこに立っていた。
この人が、ボリスラフ、さん...?
なんて綺麗な人。
けど、どこか妖しい香りのする人....。
シオンはぽーっと見惚れるアミナの頭に手刀を入れた。
「なに見惚れとんねん!」
「いたぁ!」
手加減されていた為、実はそんなに痛くなかったのだが、アミナは非難を込めて唇を尖らせた。
「あんたは教会に行け」
シオンの言葉にアミナは首を振る。
「そんなのダメだよっ。シオン連れて行かれちゃう!」
「大丈夫や。仮面外れたし、あんな奴にやられへんわ」
「あら、連れて行かないわよ?」
ボリスラフはあっけらかんと口にした。
「えっ」
アミナの顔が嬉しさでほころぶ。
「じゃあ、」
アミナの言葉をボリスラフは冷たい声で遮った。
「殺すのよ」
笑顔のまま固まったアミナはその言葉の意味を理解するのに時間がかかった。徐々に理解していくうちに、口角が下がり、頬を冷や汗がつ、と流れた。
「…え……?」
『ファイア・ボム!!』
シオンの振りかざした大剣から炎の弾が勢いよくボリスラフを狙う。ボリスラフはふっと笑むと手を翳し、現れた黒い鞭を握った。
『ダーク・セバー』
「きゃあ!!」
「っぐ!!」
アミナを背中に庇ったシオンの身体を黒い刃のような影が切り裂く。流れる血を見てアミナは悲鳴のような声を上げた。
「シオン!?ど、どうしてっ」
私を庇ったの
次の言葉はボリスラフの追撃に掻き消された。
シオンは素早く大剣で闇の刃をはじいていく。
速すぎる動きにアミナは何が起こっているのか把握できないでいる。
ただ肩や腕、足から血を流すシオンに申し訳なくて涙が滲んだ。
「グレイが貴方を連れ戻せなくて、姫様が切れちゃったのよ。思い通りにいかないのが嫌いなのね。もう捕まえなくていいから首を持ち帰れって、うるさくて」
悪いわねぇ、女はそう結ぶとにっこり笑った。
アミナはぞっとした。
そんな話を笑顔でできる女にも。
理解できない思考をもっている姫と呼ばれる者にも。
「でも、死んだ方がマシよね?こっちに来たらまた奴隷のように扱われるだけだもの。竜族なんて、なりたくないわ。だって産まれた瞬間に貧乏クジ引いたようなものでしょ?」
「黙れ!!」
シオンが怒りのままに吠えた。剣を握る手は怒りからか、震えていた。アミナはその背中から激しい感情が立ち上っていくのを肌で感じていた。
こんな人達にシオンは狙われていたの……?
人を人とも思わない…こんな恐ろしい考え方がこの世にあるの……?
私、私が、シオンを守らなくちゃいけないのに……!
自分を庇って戦うシオンの背中をアミナは見続けることしかできない。
シオンの炎はボリスラフの闇の力に消され、防戦一方となっている。いつの間にかシオンの肩が上下して、息が荒くなっていた。
「くそっ…はぁっはぁっ……!」
「なかなか時間がかかったわね。貴方の心力の強さ、勿体無いわぁ。ここで喪うのは」
「シ、シオ…」
シオンの頬を伝う汗が尋常じゃない。アミナは顔を青くさせた。
どうにか、どうにかしないと……!
でも、どうやって…!?
アミナは唇を噛み締めた。
悔しさで涙が出た。
どうして私はこんなに弱いの?
今までで一番思う。一番悔しい。
私に聖の言望葉が使えたら....!
シオンの掠れた声がアミナを呼ぶ。
「あんた、俺が合図したら、逃げるんや」
「えっ……」
「教会に、行けばあの女がおるやろ」
息を切らせて言うシオンにアミナは「い、いやだ」とぽろぽろ泣いて駄々をこねた。
「シオンが、死んじゃうよっ」
シオンがふっと笑ったような気がした。
「あんたが助かればそれでいい」
アミナは目を見開いた。
ボリスラフは余裕の笑みで「竜族も闇の前では赤子同然ね」と唇に手を当てた。
「心力が削られてる状態じゃ思うように身体も動かせないでしょう?うふふ………うーん、そうねぇ」
女はしばし上を仰いで頷くと、こちらに顔を向けた。そして、満面の笑みで言った。
「水死もいいわね。苦しみの中、もがいて死ぬの。楽しそう。拾うの面倒だけど」
『ダーク・ウィッピング』
ボリスラフが言望葉を唱えると鞭がしなり、アミナがあっと思った時にはシオンは橋の外に放り投げられていた。
このままじゃ、海に……!
アミナは走ってシオンを追う。視界の端でボリスラフが「あら、無駄死ににいくの?うふふ」と笑った気がした。
ドボンと海から音が鳴り、アミナは目を見開いた。
嘘!?こんな真冬の海に、こんな高さから!?
アミナは急いで橋の欄干をよじ登り、下を見た。黒くうねる大蛇のような波を踊らせる海に最早恐怖など感じる余裕もなかった。
躊躇なく海に飛び降りたアミナをボリスラフは「…馬鹿ねぇ」と赤い唇を三日月に歪ませた。
………ああ。ここ、海の中か。
シオンは自分の口からこぽりと漏れる息を目にして自身が海の中にいるのだと理解した。はっと目を開いてアミナがまだ上にいることを思い出す。ガボリとまた唇から息が海に吸いとられる。
あいつ逃がせんかった!
クソ!なんとか上に……!
上に泳ごうとするが、心力が大幅に削られたシオンの身体には泳ぐ力さえ残されていない。波に無抵抗で流されていく己にシオンは唇を噛んだ。
逃げてくれ!!
どうか、上手いこと、逃げていてくれ……!
暗い海の中で何も見えない。
ゴボリゴボリと生き物のような動きをする波が身体を弄ぶ。
昇っていく空気の泡を他人事のように眺めた。
もう、無理やろ。
シオンの脳裏にはリーフやアイリス、ルカ、そしてアミナが順番に通り過ぎていく。
図書館に闇の言望葉使いが来たのは俺のせいや。
窓も割れて、床も泥で汚れて。
攻撃されて、危ない目に遭わせて。
いくらあいつらでも、もう許さへん。
もう.....。
一度唇をくっと噛むと、シオンは目を閉じ身体の力を抜いた。どんどん海に沈んでいく。
あの日、俺は父様とじい様に呼び出されて北の国の果てにある<火竜巣>に来ていた。
そこで伝えられたのは、人間へ復讐するという二人の意思やった。
「いつか人間共に思い知らさなければならぬ日がくる。シオン、その時は迎えに行く」
瞳の奥は冷えきって、声は憎しみに染まりきっていた。きっと俺も同じやった。
その話を聞いてから、俺はほの暗い喜びを胸に空を旅していた。冷えた雨が体を突き刺すように降る夜だった。目の前に竜の背中に乗った女が現れたんや。
「姫様のいい手土産になるわね」
笑ったボリスラフに切れた俺は、殺すつもりで攻撃した。けどあいつは闇の言望葉で俺の心力を削り、俺はほとんど何もできずに捕まったんや。
仮面を付けられ、首輪、手錠を付けられ、北の国の姫と呼ばれる女の前に連れていかれた。
「生きたかったら殺すことね」
それからは、ただ人を殺した。
コロシアムでは残飯のような飯が夜に一度きり。試合がない時間はただ牢に繋がれていた。
光の届かない暗い場所で怒りをもて余していた。
だから試合で人間を殺すことに躊躇なんてなかった。復讐や。
竜族の恨みをただぶつけた。
でもどんなに人間を殺しても、心は渇くだけだった。
竜族は人間を憎んどる。
これまでの恨みを晴らす機会を狙っている。
父様もじい様も、それだけを望んで生きている。
でも、恨みを晴らして、どうなりたいのか。
考えたこともなかったその先を想うようになった。
そういう風に思ったのは何がきっかけだったんやろ。
雪山で細い背中に背負われた時か。
じじいが俺に笑いかけた時か。
眼鏡のおばはんに金を渡された時か。
あの男が替えの服を持ってきた時か。
温かい飯を食った時か。
いつからか胸に迷いが生まれていた。
「人間に」復讐をすることは正しいんか?
俺はその時が来たらこいつらを殺すんか?
それまで思い出しもしなかった青空の中で飛ぶ二匹の竜を頻繁に思い出すようになった。
図書館で過ごすうちにそれまで無かった感情があることに気づいて、戸惑う。
ふと気づくとあいつらと一緒に笑っている自分が、嫌じゃなかった。
なんでやろな。
なんで分からないことばかりやのに、悪くないんやないかって、思うんやろう。
目の奥で水色の髪が風になびいてふわふわと揺れた。昼下がりの窓から溢れる柔らかい日射しの中で俺を空色の瞳に映してへにゃりと笑う。
ああ、そうや。
あの泣き虫のせいや。
なんであの日、俺を背負った?
なんで怖いくせに文字を教えてくれたんや。
なんで友達になりたいなんて言うんや。
なんで泣かせたのに笑顔を向けられるん?
なんでいつもまっすぐ追いかけて来るんや。
アホちゃうか。
いや、正真正銘のアホなんや。
怖がりで泣き虫で弱いくせに。
なんにもできへんくせに。
灯台で傷つけた。わざとやった。
なのにあんたの笑顔は、言葉は変わらず優しくて。
一緒にいると光の中にいるようで。
満たされるんや。欠けていた何かが柔らかい温かさに包まれていく。
あの日、雪祭りの夜。
「この仮面を外すには二つの条件が必要だ。一つは聖の言望葉が使えること。それともう一つは、その者が心の底からお前を想っていること、だ。」
あの聖の言望葉使いの言葉を聞いて、俺はすぐに思ったんや。
そんな奴おるはずない。
俺を心から想う奴なんて、おるはずないやんって。
ずっと1人やったから。
それが当たり前やったから。
足元に転がる仮面。
呆然とするあんた。
変になる。
渇いていたはずの心が少しずつ潤っていく。
迷わせるな。揺らさないでくれ。
もうこれ以上、俺に近づかんでくれ。
あんたの傍が心地良いと感じる度に、じい様と父様の冷えた眼差しが俺を刺す。
「裏切るのか」と。
俺は……俺は……、人間なんか、あんたなんかとは友達になれへんねんから。
俺だけが、赦すなんて。
俺だけが、楽になるなんて。
これ以上、来られてしまったら.......。
その時、シオンの腕を何かが掴んだ。シオンは目の前にいるはずのない人物に目を見開く。
眉間に皺を寄せて、苦しそうなアミナがシオンの腕を必死に掴み、もう片方の手で彼の頬を包んだ。目を開いているシオンに安心したように眉毛を下げた。
シオンは唇を引き結び、胸に込み上げる感情に涙が溢れた。
なんで。
なんで、あんたはいつも。
上に引っ張る手が、温かくて。
冬の凍える海だというのに温かくて。シオンはそっとその手に自分の手を重ねた。
「ハァッ!」
海面に顔を出したアミナとシオンは必死に酸素を取り込んだ。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
「ハァッ……ハッ、この、ド阿呆!!!!」
「きゃあ!」
いきなりの怒声にアミナはびくっと目を瞑った。
「なんで来たんや!死ぬ気か!!」
「あ、あ、えと、ごめんなさ....、でも、よかった...。シオン、見つけられて……っ!」
海水に濡れた前髪を額に貼り付けたアミナが安心したように笑う。シオンはその髪を「アホ....ほんまに、アホやで…」と宝物に触れるように優しい手つきで撫でた。
アミナは橋の上に目を向けて眉を下げる。
「....どうしよう。私が聖の言望葉を使えたら、少しは力になれたのに....」
アミナは唇を噛み締めて下を向いた。浮いていた木片を掴んだシオンはそこにアミナを誘導して自身もそこにしがみつく。「あ、ありがとう」木片にほっとしたアミナはその後にでてきたシオンの言葉に眉をひそめた。
「あんた、言望葉使えるで」
「.......え?」
アミナはきょとんとシオンを見つめ、苦く笑った。
「なに言ってるのシオン。私、使えないって」
「あんたは....危ない!」
上からふわりと降ってきた黒い花片が途中で鋭く尖り、二人を狙う。アミナをかばったシオンの背中にそれらは激しく突き刺さった。
「ぐうっ!」
シオンの胸に庇われたアミナは自分を抱き締める腕が強張ったのに顔を青くする。
「シオン!」
「くそっ....このままやと二人共やられる!ええか、アミナ!!」
「は、はい!」
ぐっと両肩をつかまれたアミナはその勢いに圧されるように返事をした。目の前のシオンの紫の瞳は真剣だった。頬を伝う滴は、海水だけではないだろう。苦痛に歪む眉が彼が負った傷の深さを表していた。
「俺があいつの気を引いているうちに、アミナが聖の言望葉の力で、あいつを倒すんや!」
「えっ!?」
アミナは慌てて首を振った。
「私、できないよっ」
「できる」
「できないよ!私なんかが、……っできないんだよ!」
「ざけんな!」
バシャッと海水が揺れた。シオンはアミナの肩を掴んだまま、怒鳴った。
「俺の友達でいたいんやったら、自分のことそんな風に言うのやめろや!!」
シオンの怒鳴り声が真っ暗な海に広がる。いつの間にか吹雪は止み、ゆるやかな雪がふわりと海に落ちていく。
海の中には、アミナとシオンと、丸い月のみ。
月に照らされた二人はお互いをしっかりと瞳に映していた。
アミナの瞳がゆらりと揺れた。白く柔らかな頬を大粒の涙が滑り落ちていく。
「.....い、今...、シオン....」
シオンは顔を真っ赤にして頭をがしがし掻くと、鼻をこすって目線を上に反らした。
「まあ、あー......」
少しの間上を向いた瞳はすぐにアミナへと戻り、シオンは片頬を上げて微笑んだ。
その瞳が、笑顔があまりにも優しかったから。
そして、それが自分に向けられているものだから。アミナは嗚咽を上げ、両手で唇を押さえて泣いていた。
大粒の涙がぽろぽろと月の光に照らされ、身体中で喜びを表す。その喜びようにシオンは胸がしめつけられた。自身の胸に抱き寄せたいと思ったが、あまりにも純粋で綺麗なその姿をずっと見ていたいとも思った。
高鳴る胸にシオンは居心地悪そうに眉を下げたが、心の中の靄が晴れていくのを感じていた。
それは悪くない感覚だった。
そんな二人を待つことなく、ボリスラフの追撃が始まった。再び黒い花片が空を舞う。シオンは舌打ちをした。
シオンは木片の上に素早く乗り上がると、沈まない内に足に力を込め、橋に向かって飛び上がった。
「きゃあっ!?」
揺れる木片にアミナは慌ててしがみつく。上を見上げると黒紫の竜がボリスラフ目掛けて飛んでいた。
「アミナ!自分を信じられへんなら、あんたを信じてる俺を信じろ!!」
人間の姿の時よりも低い声がまっすぐにアミナに届き、彼女の胸を叩く。
「うふふ。なんの悪あがきかしらぁ?.....!!……っこれは...…!」
ボリスラフの美しい笑顔が、橋下の景色を目にした途端、次第に歪んでいく。
海が純白の光に満たされていく。
聖なる光は真っ暗な海を明るく照らす。
光の中、泣き虫少女はまっすぐにボリスラフを見据えていた。
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