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18禁惑星ちきゅきゅ  作者: yutaka
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第9話 病気とは治すものではなく、解決するもの

小説【18禁惑星ちきゅきゅ】第9話 病気とは治すものではなく、解決するもの


女の子「私はサトコ。将来はお医者さんか、看護師さんになりたいの。人を治したり、癒やしたりしたいの」


イタオ「それは素晴らしいことだけど、ノーテンキ星には医者も看護師もいないんだよ…」


サトコ「!?(゜〇゜;)ええっ?」


イタオ「病気は治すものではなくて、解決するものだからね。すでに解決したノーテンキ星には医者も看護師も存在しない…」


ズラ子「でも、病気の無い世界を知ることで、病気のある世界の間違いに気付くと思うわ。なぜちきゅきゅには病気というものが存在するのかが、分かるはずよ」


サトコ「分かった… ではそれを学ぶために連れて行って」


イタオ「了解! では当日また迎えに来るからね」


ーーーーーーーーーー


当日…


サトコ 「(´ρ`*)コホンコホン ゴメン… 風邪引いてしまったから 今日はキャンセルさせてもらうわ… みんなに伝染してしまったら悪いから…」


イタオ「それなら、船内の目覚めの小部屋に入ってごらん。風邪なんて、一瞬で治ってしまうから」


イタオは宇宙船を可視化させた。


ブオーン


ズラ子「さぁ! そこの小部屋がそうよ。中に入って」


………………


サトコは、小部屋から出て来た。


サトコ「わぁ〜 ウソのようにラクになったわ♪ 何これ! 信じられない〜 いったいどんな魔法なの?」


イタオ「フフフ…(笑) とっても単純な原理なんだよ。例えば、サメがイヤならサメの来れない陸に移動するだけでいい。ライオンがイヤなら、ライオンの来れない上空に避難すればいい。風邪のウイルスがイヤなら、風邪のウイルスの来れない周波数帯域に避難すればいいだけなんだよ」


ズラ子「風邪のウイルスは、5次元には来れないからね。サトコちゃんの肉体を5次元化させれば、ウイルスは勝手に離れて行くということ」


サトコ「わぁ〜 そんな簡単なことだったのね。とにかく治ってよかったわ。どうもありがとう❤」


イタオ「ちきゅきゅのように複雑怪奇な医学も、医療制度も医療機器も、医療技術も、医療保険も必要無いんだよ。真理とは、いつだって単純明快なものだからね」


サトコ「2人の話しを聞いていると、ヒロキやトオルが言っていたように、常識が崩壊していくわね。フフフ…(笑)」


イタオ「ちきゅきゅでは薬でウイルスを殺そうするよね。でもウイルスだって命なんだよ。我々の世界では他者の命を奪うことを医療とは呼ばない… ただ、周波数ごとに棲み分ければいいだけなんだから」


ズラ子「これが波動医学というものよ。ちきゅきゅにも同じ名称のものがあるけれど、意味合いが違うわね。私たちの世界では、何も殺さない。駆逐しない。排除しない、犠牲にしないという前提だからね」


イタオ「つまり、ウイルスさえも尊重する世界。なぜなら愛を基本として生きているからね」


サトコ「それが理想なのかも知れないけど、私は風邪のウイルスは殺してもいいと思うわ。だって国内だけでも風邪が原因で、年間1万人も亡くなっているのよ。そんな殺人ウイルスを野放しにはしておけないでしょ!」


イタオ「では聞くが… サトコちゃんが来世、風邪のウイルスに生まれ変わったとしたら、どうする? 風邪のウイルスというだけで、問答無用で殺されてしまうんだよ。たまたま風邪のウイルスに生まれたというだけなのに…」


サトコ「う〜ん…」


ズラ子「それは、ただの種族差別なの… 風邪のウイルスは、風邪のウイルスとしてしか生きられないのよ… 人間だって、人間としてしか生きられないでしょ? それと同じことなのよ。それを分かってあげてほしいの… どの種族も悪いわけでも、間違っているわけでもないのよ」


サトコ「そうか… 愛というものが何なのか、少しだけ分かってきた気がするわ…」


イタオ「うん… サトコちゃんが医療の道に進むのなら、何も殺さない医療を目指してほしい。なぜなら、それが愛というものだからね」


ーーーーーーーーーー


ズラ子「さぁ! 着いたわよ」


イタオ「そこの喫茶店に入ろう」


………………


3人が席に座ると、ロボット店員が水を運んで来た。


ロボット店員「いらっしゃいませ〜」


イタオ「サトコちゃん。その水を飲んでごらん」


ゴクン…  


サトコ「わぁ〜 美味しい〜 透き通るような純水ね。体に染み込んでいく感じ〜♪」


ズラ子「うん! この星には病気の原因が無いの。水も空気もそれ以外も純粋そのものなのよ。病気の原因の1つは環境汚染だからね。汚染の無い文明=病気の無い世界ということでもあるのよ」


イタオ「他にはストレスも病気の原因の1つだね。ストレスとは我慢することで、蓄積されていく。それが一定量溜まると病気という形になって表れる。だから、我々の世界では、誰も我慢しなくて済む世界を作ったんだよ」


サトコ「誰も我慢しなくて済む世界?」


イタオ「ストレスフリー世界=病気の無い世界ということでもあるからね。考えてごらん。ちきゅきゅでのストレスの原因はいくつある?」


サトコ「う〜ん… お金… 仕事… 学校… 人間関係… etc」


ズラ子「挙げればキリが無いほど、あるでしょ? 病気を治すことを考えるのではなくて、病気を生み出す根本原因を究明して、それをみんなで解決すればいいだけなのよ」


イタオ「真の医療とは、医療の必要無い世界を作ることだからね。真の癒やしとは、癒やす必要の無い世界を作ることだからね。それが永続的で、根本的な解決策なんだよ」


ズラ子「ちきゅきゅにある医療の多くは、どれも一時しのぎの対処療法だから、何度でも再発するし、永遠に無くなりはしないわ」


ーーーーーーーーーー


サトコ「今日はどうもありがとう! 私たちの世界は根本的に間違えていたことに気付いたわ! やっぱり他の世界を知ることって、とても大事なことなのね!」


イタオ「うん! 実はオレたちも自力で、ここまでの文明を築けた訳ではない。プレアデスやその他の先進的な文明を見学して、たくさん学ばせてもらったお陰なんだよ。オレたちは未知を求め続けた。ちきゅきゅは既知を引きずり続けた。前向きか、後ろ向きか。開放的か、閉鎖的か。これだけで文明も人のレベルも全く違うものになってしまうんだよ。たとえ、元は同じ民族だったとしてもね」


ズラ子「ちきゅきゅの人に言いたいのは、決して内弁慶にはならないこと。文明鎖国はしないこと。狭い世界に引きこもらないこと。特に旧弊な大人たちに伝えたいわね(笑)」


サトコ「分かったわ! 石頭の大人たちに伝えておくわ! どうせ聞く耳を持たないだろうけどね。フフフ…(笑)」




つづく…


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