第8話 愛のある世界には法律は存在しない
小説【18禁惑星ちきゅきゅ】第8話 愛のある世界には法律は存在しない
ズラ子「さぁ! 着いたわよ」
男の子「ちょっ! ちょっ! ちょっ! ちょっと待ってよ! いくら何でも省略し過ぎじゃね?(笑) ヒロキの回よりも、更に手抜きしてね? 僕まだ名前すら言ってないんだけど…」
ズラ子「どうやら作者のイタズラ心が、ウズいてきたみたいね。フフフ…(笑)」
作者「((o(^-^)o))ウズウズ」
男の子「せめて名前と、留学の目的くらいは言わせてよ(笑)」
イタオ「どうぞ」
男の子「僕はトオル。将来は司法関係に進みたいんだ。それでノーテンキ星の司法について学ばせてほしい」
イタオ「この星には、司法なんて無いんだよ…」
トオル「!?(゜〇゜;)ええっ?」
ズラ子「なぜ、そんなものが必要なの?」
トオル「だって、司法が無ければ取り締まれなくなってしまうじゃないか!」
イタオ「それは簡単なことだよ… この星では、誰も取り締まったりしないから…」
トオル「取り締まらなくちゃ、悪者ばかりになってしまうじゃないか!」
イタオ「それも簡単なことだよ… この星には悪者なんていないから…」
ズラ子「いるのは、兄弟姉妹だけだもの。兄弟姉妹を取り締まったり、罰したりするという発想すら無いのよ」
トオル「( ̄▽ ̄;)!!ガーン」
イタオ「司法制度の無い世界を知ることで、司法制度のある世界のことが、よく見えてくると思うよ。本当は、そんなものは必要無いことに気付くからね」
ズラ子「人が幸せに暮らすのに必要なものは、司法制度ではなくて、司法制度なんて要らないほど愛の度数を高めればいいだけなのよ。罰則をどんなに強化しても無駄なの。てか、逆効果なの。厳しくすればするほど、反発力が増すだけなの。作用反作用の法則通りの結果になるだけ。ちきゅきゅの人は、やる事を間違えているわ」
イタオ「犯罪とは、愛の飢餓状態から生じるものなんだよ… 司法制度の有無は関係ない…」
トオル「……… (゜o゜)」
トオルはフリーズしてしまった。
ズラ子「予想すらしていないことを聞いたから、頭の中と、心の中を整理するまで、少し時間が掛かるかも知れないわね…」
イタオ「うん… トオルが落ち着くまで待ってあげよう」
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30分後…
トオル「(;゜0゜)ハッ!」
トオルが再起動したようだ。
ズラ子「気が付いた?」
トオル「うん… ちょっと混乱してたみたい…」
イタオ「トオルの気持ちは、オレもよく分かるよ。オレは家を追い出されるたびに、他の星に行って様々な世界を見て来たからね。想像すらしなかった世界を知るたびに、ショックを受けていたもん」
ズラ子「でも、イタオは家出するたびに、成長して帰ってきたわよね。フフフ…(笑)」
イタオ「うん(笑) 1つの世界の中にいるだけでは知ったつもり、分かったつもりになってしまう危険性が高いんだよ。これはどこの星の人にも言えること。ちきゅきゅでは井の中の蛙って言われているやつだよね…」
ズラ子「ヒロキ君も政治も経済も無い世界を知って、かなりショックを受けていたものね。でも、その経験でちきゅきゅで、たとえ何年勉強しようとも到達出来ないレベルにイッキに達することが出来たと言っていたわ」
イタオ「うん… たくさんの異なる世界を知ることが、とても自分自身を豊かにする秘訣なんだよ。それをしない人は偏狭で、偏屈で、柔軟性ゼロの石頭になってしまうんだよ。こういう大人はちきゅきゅにも、ノーテンキ星にもたくさんいるんだよ(笑)」
ズラ子「君たちが主役になる時代には、もっと広い知識と視野と心を持った人が、増えてくると思うわ」
イタオ「うん! そのためにオレは留学制度を始めたんだから…」
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トオル「今日はどうもありがとう! 何だか目が覚めたよ! 司法制度の要らない世界を目指すのが、真の司法家なんだね!」
イタオ「うん! その通りだよ! でもちきゅきゅでは、その考えはすぐには理解されないと思うから、浸透させるまではかなりの年数を要するはずだ」
ズラ子「どんなものも、最初の第一人者は叩かれるものだからね(笑)」
トオル「うん! 分かった! コツコツ頑張るよ!」
つづく…