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18禁惑星ちきゅきゅ  作者: yutaka
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第4話 大人対子供

小説【18禁惑星ちきゅきゅ】第4話 大人対子供


その後、イタオとズラ子の2人は、ちきゅきゅへ何度も通っているうちに、友達が徐々に増えてきた。


イタオ「やっぱり子供は、どこの星でも変わらないんだね。一緒に遊べば、すぐに打ち解け合えるもんね♪」


ズラ子「そうね… みんな純粋で良い子ばかりだわ」


イタオ「ちきゅきゅの問題の多くは、やっぱり大人たちにあるよね。1つの星のシステムや習慣しか知らないことが、隷属化や所有や対価、競争などの旧い習慣を、いつまでも引きずっている原因ではないかと思う」


ズラ子「たしかに、私たちのように色々な星に行って見識を広げれば、視野も柔軟性も選択の幅も広がるものね」


イタオ「うむ。そこで考えたんだけど留学制度を作って、ちきゅきゅからノーテンキ星へ見学に来れるようにしたら、いいんじゃないかと思う」


ズラ子「それはいいアイデアね!」


イタオ「競争の無い世界を教えてあげたい… 所有の無い世界を教えてあげたい… 対価の無い世界を教えてあげたい… 労働の無い世界を教えてあげたい… そして罰則の無い世界を教えてあげたいんだよ…」


ズラ子「そうね… その上で、あとは本人たちが自分の意志で、好きな方を選べばいいのよね。それには、まずは知ることが先よね」


イタオ「うん! だが問題は大人たちの説得だ…」


ズラ子「確かに、どちらの大人たちも、旧い考えに固執していて、頭固いもんね(笑)」


イタオ「だろ?(笑) でも、まずはノーテンキ星の大人たちに提案してみよう」


ーーーーーーーーーー


イタオ「父ちゃん! 留学制度を作りたいんだけど協力してほしい」


父「留学制度?」


イタオ「うん! ちきゅきゅの子供たちがノーテンキ星に来て学べるようにしてあげたいんだ」


父「おお! それは名案だな! だが問題は双方の大人たちだな…」


イタオ「( ᐛ )σ ソレナ 何か新しいことを提案すると、旧弊な人たちは、無条件でツブそうとするもんね(笑)」


父「うむ… でもまずは出来ることから始めるしかないよな。とりあえず話し合いの場を設けてみよう」


イタオ「父ちゃんありがとう。よろしく頼むよ!」


ーーーーーーーーーー


イタオ「ズラ子! ウチの父ちゃんは理解を示してくれたよ! そして積極的に協力してくれてる♪」


ズラ子「おお! アンタの父ちゃんは意外と頭柔らかいのね。フフフ…」


イタオ「ああ オレの度重なるイタズラのお陰で、柔軟性が出て来たのかも知れないな。ハハハ…(笑)」


ズラ子「そう言えば、最近はウチのバアちゃんも、イタズラに引っ掛からなくなってきたわ(笑)」


イタオ「ズラ子のイタズラはハード過ぎるから、警戒するようになったんだろうな(笑)」


ズラ子「アンタほどじゃないわよ(笑)」


イタオ「ハハハ…(笑)」


ーーーーーーーーーー


数日後…


父「イタオ! 留学制度についての話し合いの席を設けたぞ」  


イタオ「おお! 父ちゃんありがとう!」


父「まずは、この地域の大人たちだけだが、最初は小規模からコツコツとやっていくしかないからな」


イタオ「うん!」


父「今夜8時。場所はウチだ」


ーーーーーーーーーー


イタオ「と、言うわけだからズラ子も参加してくれ!」


ズラ子「分かったわ!」


………………


ワイワイ… ガヤガヤ…


父「え〜 本日はお忙しいところをお集まりいただき、誠にありがとう御座います。では早速ですが、まずはこの案の提案者であるイタオから、皆さんにこの計画の主旨のご説明をさせていただきます」


イタオ「え〜 ただいま紹介に上がりましたイタオでごさいます」


イタオは、この計画の主旨と概要の説明をした。


………………


参加者A「しかし、あんな野蛮な星と交流を持ってしまったら、この星にも危害を加えられる可能性があるぞ」


参加者B「そうよ! あんな不良惑星の子たちが来たら、ウチの子たちにも悪影響があるかも知れないわ! 私は反対です!」


参加者の大半は、否定的な反応しか示さなかった…


ズラ子「やっぱりね… 予想通りの反応だわ…」


イタオ「まずお聞きしたいのですが、皆さんはちきゅきゅに行ったことはあるのですか?」


参加者たち「行くわけないだろ! あんな野蛮な星!」


「そうだ そうだ!」


「行ったら、何をされるか分かったもんじゃない!」


イタオ「なぜ、行ったことも無いのに分かるのですか? ロクに知りもせずに、イメージだけで決め付けているだけではありませんか?」


参加者たち「なんだと! 子供のくせに生意気だぞ!」


イタオ「皆さんが抱いているちきゅきゅのイメージは、過去のちきゅきゅではありませんか? 旧くて不確かな情報を、いつまでも信じ込んでいるだけではありませんか?」


父「アイツ、もう少し優しく言えないのか…」


イタオ「確かに、僕らもいきなり機銃掃射をされ殺されかけました。でも次からは不可視化することで回避することにしました。相手を責めるのではなく、こちらが工夫すればいいのです。人を変えることは出来ないという前提で考えれば、自分に出来ることをすればいいだけだと気付きます。皆さんのように不良惑星と決め付けて、何の工夫もしない大人たちよりも、遥かに大人の対応をしたと自負しております」


父「なんて説得の下手なヤツなんだ… 親の顔が見たいわ(笑)」


それを隣で聞いていたズラ子は、イタオの父に鏡を差し出した。


ズラ子「はい、よく見て下さい(笑)」


父「ハハハ…(笑)」




つづく…



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