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18禁惑星ちきゅきゅ  作者: yutaka
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第17話 1人の夢をみんなで叶える世界

小説【18禁惑星ちきゅきゅ】第17話 1人の夢をみんなで叶える世界


プリン「長老! みんなに評議会システムについて教えてあげて!」


プリンは、なんと! 空に向かって話しかけていた。


みんな「プリン! 誰と話してるの?」


プリン「空間と話してるの。長老は空間と同化した存在だから、どこにでもいるのよ」


みんな「(๑• . •๑)キョトン?」


プリン「人間を卒業すると、肉体が無くなって半霊半物質になるの。すると、半神半人になってしまうの。分かりやすく言えば、神に近い存在ね」


長老「では皆さんを、評議会の建物にご案内して」


みんな「うわ! 空間全体から声が聞こえる!」


「エコーが、かかってる!」


「なんか、雷鳴みたいに轟いてる〜」


プリン「フフフ… では評議会に行ってみましょう」


…………………………


プリン「この建物が評議会よ。ちきゅきゅで言えば、国会議事堂に近いかしらね…」


長老「やぁ! 皆さん。プレアデスへようこそ!」


プリン「長老! この子たちはちきゅきゅ人だから、非物質の存在には慣れていないの。ものぐさしてないで肉体化して話してあげて!」


長老「あぁ スマンスマン(笑)」


ブオーン


すると、空間から1人の人間が現れた


みんな「うわ! ビックリした!」


長老「驚かせてしまってすまない(笑) 私は普段は肉体を持っていないのです。必要な時以外は非物質状態でいることが多いものですから」


みんな「幽霊みたいなもの?」


プリン「う〜ん。自然霊と言った方が近いかもね」


みんな「そうなんだ〜」


プリン「長老! 評議会の説明をお願い」


長老「うむ。評議会とは民からの希望や、夢や、お願いが集められ、それを叶える機関なのです。民は、そこにあるドリームボックスに願い事を書いて入れるだけでいいのです。あとは評議会が、それを可能な限り叶えるように努めるだけの、ごく単純なシステムです」


みんな「ドリームボックス?」


プリン「ええ。提出しておけば、評議会が人や資材などを手配して、可能なものはすぐに取り掛かるわ。だから、ここには議員も議会も多数決も無いの。全ての願い事が尊重され、大切に扱われるわ。たとえ小さな子供の意見であろうと、同等に扱われ、誰一人として切り捨てられることはないのよ」


みんな「おお! それは素晴らしいシステムだね! だけど… 自分勝手な願い事を書く人もいるんじゃ…」


プリン「1人もいないわ… ここでは生活の心配も無いし、飢えも貧困も無いから、エゴに偏った願い事を書く人は、一人もいないのよ。誰もが全体の喜びや幸福を考えた意見を出すわ」


イタオ「ちきゅきゅでは生活に余裕が無い人が多いから、全体のことはもちろん、他者に対して思いやれるほどの、心のゆとりが生まれにくいんだよね…」


プリン「プレアデスでは、全てが満たされているから、エゴが薄れ、自然と慈愛のある世界になっていくのよ。愛とは普遍的なものだからね」


ーーーーーーーーーー


ヒロキ「イタオたちが人が幸せに暮らすのに、政治も経済も必要無いということが分かったよ!」


イタオ「うん! 必要なのは、みんなの幸せに繋がることを、みんなで行うだけだからね。とても単純なことなんだよ」


プリン「プレアデスでは、1人の夢をみんなで叶えるのが基本精神なの。だから、孤独感や疎外感を感じることも無いし、夢を諦める必要も無いの。みんなが愛で繋がった1つの世界では、協力し合うから不可能なことはどんどん減っていき、逆に可能なことが増えていくのよ。そのための機関が評議会システム。それを担当しているのが、さっきのような半神半人の長老種族なの。誰もが得意な分野を担当するから、上も下も無いのよ。ただポジションの違いがあるだけだからね。これが万民平等社会というもの」


イタオ「ちきゅきゅでは、みんながエースで4番を目指すから、競争が生まれてしまうんだよ。だから1つのポジションを奪い合うイス取りゲーム社会になってしまう」


ズラ子「また、そうしないと豊かに暮らせないシステムだからね」


イタオ「うん。だから人を思いやるどころか、蹴落とすことを考える人間が増えてしまう。そして、たくさん蹴落として勝ち上がった人をスゴイ人だとカン違いしてしまっている」


ズラ子「うん… でも本当にスゴイのは競争に参加しない人と、競争の無い世界を目指す人なのにね」


みんな「本当にちきゅきゅの常識って、何もかも反対のことばかりなんだね…」


プリン「様々な世界を知ることは、とても大切なことなの。小さな世界だけに閉じこもった小さな人間にはならないようにね。宇宙には、まだまだたくさんの世界があるのだから」


ーーーーーーーーーー


みんな「しかし、クーデターを起こした人というから、もっと怖い人を想像していたけど、全然そんなことなかったね(笑)」


プリン「フフフ… でも長老は過去生でプレアデスを解放した英雄なのよ。王族たちの圧政で苦しめられていた民を解放してあげた人なの」


みんな「あんな穏やかそうな人が? ∑(๑º口º๑)!!」


プリン「うん。その時代の長老はプレアデス第一皇子として生まれてきたの。でも王族の非情極まりないやり方を徹底的に糾弾していたわ。王室を解散して民を自由にしてあげるために、とても尽力していたの。でも、王族たちはそれを頑として拒んだの。そして、第一皇子はやむなく王位継承を辞退して反政府組織のリーダーとして、革命戦争を起こしたの」


みんな「あんな優しそうな人が?」


プリン「うん。皇子は民からとても愛されていたカリスマ的存在で、絶大な支持を受けていたの。だから、民の多くは皇子側について圧倒的な勝利を収めたわ。ほとんど無血革命に近いわね。でも、僅かに流れた血は、皇子自身の血だったの。プレアデス解放後に今のような楽園世界を構築した後に、元王族の残党たちから逆恨みをされて暗殺されてしまったわ」


みんな「…………」


プリン「その皇子が生まれ変わったのが、さっきの長老なのよ」


みんな「ふ〜む。あんな穏やかそうな人がね…」


プリン「穏やかな人は、平和な世界では温厚そのものだけど、不正のある世界では、正義感に火が付くタイプの人も多いからね」


みんな「あ〜 なんか分かる気がする」


プリン「1人の夢をみんなで叶える世界を作ったのは、1人の命でみんなを救った英雄だったの。それが、さっきの長老よ」


みんな「カッコイイ〜♪」


「なんか映画にしたいような感動的なストーリーね!」


「(*゜∀゜)*。_。)ウンウン そんな人がちきゅきゅにも、いればいいのにね♪」


プリン「いるわよ! 必要な存在は、必要な時代や場所に必ず現れるものだからね」


みんな「どこにいるの? その人は誰なの?」


プリン「それはね… あなたたちと… この物語を読んでいる全ての人たちのことよ( ◜◡◝ )」


つづく…


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