The trip would rather be made the different world rather than the earth is protected.
「通知ィ?」
そこまで柔らかくもない椅子に座り、某有名狩りゲームをしていたところ、スマホの通知音が鳴った。悲しいことだが、俺に友達は皆無。通知が来るとすればゲームとか、過保護過ぎる親からのLINEやメールだろう。
「はいはい、ちょっと待ってな」
ゲーム、又は親からの息災に反応するべく座っていた椅子から重い腰を起こし、スマホを手に取った。
――――ゲームでも親でもない。
「えっ、は、どゆことや」
俺は恐る恐るメールのアプリをタップし開く。指が震えている。
どういうことなんだ。引きこもりで友達はいない。心を許せるのは好きなアニメの推しキャラだけ。そんな俺に、久々のメール……。ヤバい、緊張する。いや、メール如きで緊張する俺も俺なんだが。
受信フォルダを開き、新着のメールを確認する。
「……は?政府?」
頭でもおかしくなったか、俺。いや、それとも目がおかしくなったか………。いやいやそれとも新手のチェーンメールか何かか。まぁとりあえず目を通してみるべきだろう。内容により、破棄するかどうか決めれば良いだけの話だ。
――――櫻井レツ様
貴方は此度地球防衛事務局特殊能力課に選出なされましたことをご報告いたします。――――――
………簡潔すぎやしねぇか?!
地球防衛事務局日本支部特殊能力課、通称EJSA。最近の研究で明らかになったとかいう地球に襲い来る危機を迎え撃とうとする機関で、その中でも超エリートクラスのEJSA。そんなのに、俺が選ばれた。まず第一の感想は、「意味わからん」。というものだったが、一度冷静になって考えてみる。
―――俺って能力持ちなのか?!
という素直な悦びだった。待てよ。ということは平凡な俺の日常が一気に平凡じゃなくなるわけで。いけない。それは切実にいけない。俺のゲーム三昧ライフが崩壊することになる。やっと過保護過ぎる親から離れられて、充実した日々を送ろうとしていたのに。ていうか16歳働かせるとか政府ブラックだろ。漆黒じゃねぇか。とりあえず、このメールは見なかったことにしよう。見なかったことにして、気づきませんでした、ということにしよう。
そう俺が悶々と考えているとその思考を劈くようにインターホンが鳴り響いた。