地球に登場した低スペックくん
こんにちは、クロックです。
ようこそ実力至上主義の教室へが大好きです。何回読んだことでしょうかw
神の宮高校。俺はそこの生徒。落ちこぼれ。入学してすぐに行われた実力テストで史上初となるランクFクラスを叩き出した。
学校は全寮制。実力が全てを決める。攻撃力。防御力などが数値に表され、その数値が高ければ高いほどクラスも高くなるわけだ。
AクラスからEクラスまでのはずだが、先程も言った通り俺はFクラスという前代未聞のクラスを叩き出してしまったようだ。クラスの配分表を見て内容を理解するのに約2分。俺がクラスに向かう頃には周りに人はいなくなっていた。俺がクラスに入ると当たり前のように生徒は1人もいない。クラスの外から中を覗く人数は100ほどいるが。
1クラス40人制だから学年の半分が覗いてる事になる。いやぁ照れるなぁ。恥だが。
チャイムが鳴り、1人の教師が入ってきた。
「えーと、私は真宮司叶です。Fクラスの担任となりました。神楽君でしたね。よろしくお願いします。Fクラスは確かに初めてですけど、頑張ればEクラスに上がれますから頑張ってください。………ふふ。」
おい、最後に侮辱の笑い声が聞こえたんだが気のせいだろうか。確かに俺は落ちこぼれだ。もうこれはどうしようもない。恐らく訓練を積んだところでEクラスまで上がることは出来ないだろう。
まあ、教師と仲良くしてて損はないからな。フレンドリーにしておこう。
「遅れてすみませーん!ここ、Fクラスですよね!あ、生徒が1人しかいない!あはははははHAHAHA!」
こいつも侮辱に来たのだろうか?………ん?遅れてすみません?もしかして………
「はい、おはようございます。新居春香さん。Fクラスへようこそ!」
マジか…こいつもFクラスなのか…ざまあw
あ、こいつが爆笑した理由がわかった気がしてしまった。
新居は後ろから机を運んできて俺の隣に座った。初めての相手には自己紹介、だよな?
「よろしく。俺は神楽影虎。2人しかいないみたいだし、何かと関わりがあると思う。」
「え?何言ってんの?お前みたいな馬鹿と一緒にしないでよ。お腹痛いんで早退しまーす。」
ん?こいつ今なんて言った?お前みたいな馬鹿?何言ってんだ?こいつも低ステータスじゃないのか?
「おい、お前ちょっとステータスプレート見せろ。馬鹿と言ったな。お前だってFクラスじゃないか。俺と同じ馬鹿じゃないのか?」
「は?何言ってんの?はい。」
ステータスプレートを確認してみると驚くべき数字が並んでいた。
攻撃力24000 防御力30000 魔法力3400 瞬発力23000
なんか魔法力だけ桁が1個少ないが、他の能力は国家の実力者防衛官をも上回る数字だ。じゃあ何故こんな奴がFクラスなんかに?
「あたし、中学んときに授業サボって遊びまくってたから調査書の点数が低すぎてFクラスになっちゃったのよ。」俺の心中を察したのかそう言ってきた。なるほどな。だからFなのか。ばかか。
「あんたのステータスプレートも見せなさいよ。もしかしたらあたしと同じパターンかもしれないし。」
「いや、悪いが期待には答えられないようだ。」そう言ってステータスプレートを見せる。
「あんた、、、低すぎじゃない?こんなステータスプレート見たことないわ。どうやったらこんなに低くなるのかしら。まあ、あたしに匹敵しないから同じクラスだけどパートナーにはならないからね。」
そう言って教室を出て行った。パートナーとはなんだろうか?チームを組んで何かするのか?
ガタ、と音がして前を見ると先生がこちらを伺っていた。聞いてみるか。
「先生、パートナーとは何ですか?初めて聞く情報ですけど。」
「そうねぇ、あの子はちょっと特殊だから知っているのかもしれないの〜。せっかくだから教えてあげる。この学校では毎学期の初日に1回ずつパートナーマッチってものがあって、そこで優勝したパートナー2人のクラスが自分の願いを叶えることができるのよ。1つだけだけどね。」
「例えば?」
「んーと。貴方は知ってるか分からないけどこのクラスはクラスランクが上がれば上がるほど設備も豪華になっていくのよ。だからAクラスの設備をください!とかあるかな。けど今までA以外のクラスが優勝したことは無いからAクラスの独擅場になってるけどね。ちなみに同じクラスの人しか組めないからあの子は拗ねちゃったんだと思う。実力はあるから。君の実力は、ね?あれだから。」
シクシク。俺は心の中で泣いていた。あいつは調査書が悪いだけでFクラスまで落とされ、俺という超低ステータスの男と組む羽目にあってしまうんだから。まあ、あいつの自業自得なんだがな。
「ありがとうございます、では帰ります」
「はい、また明日。」
今日は授業がないためかなり早い帰宅となった。
することがないからどんなところか大まかに目に入れてみようか。
施設を回っていると1人の大柄な男にぶつかった。
「すみませ「おい、こいつ初めてFクラスになった奴じゃねえか。俺は宗康隆。天下のAクラスだ。覚えておけ」
そう言って取り巻きと一緒に歩いて行った。ムカつく奴だな。今度ボコってやろうか。まあ、最終的にボコられるだろうが。
色々回っていると太陽はすでに見えなくなっていた。春だしな。日の入りもまだ早いのだろう。7時あたりだろうか。寮に戻ろう。
俺は歩いて寮の前に立っていた。
全寮制だからか。かなり大きな寮だ。まあ今日からここでお世話になることだ。丁寧に使おう。
キーを貰い、部屋へ入ると大きな部屋がお出迎えしてくださった。
「大きいな。」
小さく呟き、やってきた睡魔に身を任せ俺は眠りについた。
深夜3時辺りだろうか。俺は夕方早く寝たから深夜に起きてしまったらしい。
眠いがすぐに目が醒めるだろう。あまり開いていない目をこすりながら部屋を眺めていると綺麗な紫の髪が見えた。幻覚だろうか。いや、覚めた感覚はある。誰だ?
「あんた、人間か?」
「いいえ、私はカーラーン。貴方に力を与えるためにこの地に降り立ちました。」
新たな風が吹きそうだ。
次回、謎の少女の紹介です。