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66話 子爵夫人


 貴族様の依頼を受けて、重機を使っての用水路の工事を引き受けた。

 とりあえず、一日目の仕事を終えて、夕方の食事で腹もいっぱいになった。

 そして、子爵夫人のために風呂を用意したのだが……。


「私と一緒に湯浴みをするがよいぞ」

「え~?」

 戸惑う俺に、夫人が背中を向けてくる。彼女が着ている白いドレスは背中が紐で編んであり、1人では脱げない仕様。

 普段は、使用人や従者を使っているのだろう。


「使用人の到着も明日ですか?」

「そうだな。何せ、其方の馬なしの車が速過ぎる故」

 背中の紐が取れると、次は腕を抜き――最後は頭から脱ぐ。この世界に下着は無いので、ドレスを脱げば素っ裸だ。

 髪をとめているピンを抜くと、金色の髪がバサッと背中まで降りる。

 そして、くるりと前を向く夫人の姿は確かに美しい。白く艶かしい肌にバランスの良い丸い胸。

 自ら辺境の華を称するのは伊達じゃないってわけだ。抱きついてくる彼女をするりとかわし、風呂の説明をする。


「お湯が熱いようであれば、ここの水を柄杓ひしゃくで汲んでください」

「つれないのう……女からの誘いを、まったく無視するとは……」

「私には家族がおりますので」

 夫人はお湯の温度を確かめると、水を少々いれてから、そっと足を入れた。


「ふぅぅ~」

 そのまま、ゆっくりと湯船につかり横になる。そう、ドラム缶風呂だと、このポーズが出来ないんだよなぁ。

 風呂に浸かってリラックスするには、こういった湯船が必須だ。

 夫人は目を閉じたまま、チャプチャプと肩口にお湯をかけている。


「湯加減はいかがでございますか?」

「うむ、最高である。まさか、こんな所で風呂に浸かれるとは……」

 湯船に浸かっていた彼女がつぶやいた。


「家族か……あの子供は本当の子供ではないのであろう?」

「その通りですが、血は繋がっていなくても、家族には変わりありませんよ。夫婦だって元は赤の他人ではありませんか」

「それもそうだが……」

「失礼ですが、カナン様――公子様は?」

「おらぬ、10年以上あらゆる手を尽くしたが、出来ぬ」

「ご無礼をいたしました。お許し下さいませ」

 そりゃ、大変そうだな。こういう世界の貴族ってのは子供を作れ、跡取りを作れ、政略結婚のための駒となる娘も欲しいって感じだろうしな。


「構わぬ……それにの」

「は?」

「我が殿は――淡白での。回数も少なく、あれでは活力に溢れる良い子が生まれるとは、私でも到底思えぬ」

「それでも、公子様が生まれないとなれば、領の危機でございましょう?」

「それ故、養子の話が持ち上がっておる」

「側室様は?」

「おらぬ……そもそも我が殿は、あれに興味がないのかもしれん」

 どうも、不妊の原因は領主――子爵様にありそうな感じだな。


「其方達は楽しそうだな。私は、笑って食事をした事などなかった……」

「カナン様のご実家でもですか?」

「私の父と母は、私をどこに輿入れさせるか、それしか考えておらぬ方々だったよ」

「広く豪華な部屋に贅沢な料理。そして物言わぬ家族――私が想像するに寒々しい食事風景でございますね」

「ほぼ合っておる。私が求めてきた女の幸せとは、いったい何だったのか……」

 夫人は、湯船に浸かったまま、バシャバシャと顔を洗い始めた。


「じゃあ、そういう事で」

「待つがよい! 今の会話で何も思わんのか?」

「いやぁ、私のような平民には、遠く離れた異世界の話のように思えますが。あまりにも住む世界が違いすぎますね」

 残念ながら俺は、20歳過ぎた女の涙は信用しない事にしている。

 彼女は長くしなやかそうな脚を上げて、その美しさを誇示しはじめた。


「これだけ女が、無防備に肌を晒しているのだ、もうちと何かあるであろう?」

 夫人は身体をひねると、丸くて白い尻を持ち上げて、俺を誘ってくる――なるほど、金髪なので下の茂みも金髪だ。

 いや、そんなことはどうでもいい。

 

「いやぁ、全然。そんなに相手が欲しいのであれば、カナン様なら、よりどりみどりでございましょう? 例えば、騎士の連中とか……」

「あやつらは、いざという時には借りてきた猫だ。何の役にもたたぬ。もう、私も小娘ではないのだ。この熟れた身体を持て余し、いったいどうすればよい?」

「はっはっはっ、全く子供には聞かせられぬ話でございますなぁ。それでは、そういう事で」

「待つがよい!! 女の、このような身の上話を聞いて、其方は何も思わんのか?」


「さぁ、私には住む世界が違いますので」

「キィィ!」

 夫人は、俺が思い通りにならないのに腹を立てて、湯船の水面を脚でバシャバシャとした後、そのままお湯の中へ沈んでしまった。

 話は解るし、可哀想だとは思うのだが、俺にメリットが全くといっていいほど何もない。

 それに後で面倒事になるのは、目に見えてるからな。俺は小屋から出ると、外にいたプリムラに話しかけた。


「プリムラ、夫人は何か鬱憤が溜まっておいでだ。話し相手になってくれないか?」

「解りました。何か商売の良い話をいただけるかもしれません」

「これ、石鹸とリンスな」

 一緒に、タオルとバスローブも渡す。夫人は友達もいないようだし、話し相手なら同性の方が良いだろう。


「俺らは、最後に旦那と一緒に入るかぁ」

「そうだにゃ」

「アネモネも、プリムラ達と一緒に入ってもいいんだぞ?」


「私も、ケンイチと一緒だから!」

 2人が風呂から上がってくるのに備えて、ジェットヒーターを設置しておく。

 風呂がある小屋の中は静かだ。2人が裸の付き合いで何を話しているのかは不明。

 俺は家に入ると、ベッドと寝間着を用意した。夫人用のベッドも出す。

 そして飲み物だ。風呂あがりといえばフルーツ牛乳。


 しばらくして、2人がバスローブを羽織って小屋から出てきたが、俺の顔を見た夫人は、そっぽを向いてしまった。

 俺に無視されたので、彼女のプライドが傷ついたのだろう。


「カナン様、この魔道具から温かい風が出ますので、御髪をお乾かしになって下さい。使い方は、プリムラが修めておりますので」

 夫人はプリムラに任せて、俺達も風呂に入る事にした。

 お湯が少なくなっているので少々足して、アネモネの魔法で再び温める。


「まったく魔法ってのは、便利だねぇ」

「獣人で魔法を使えるやつはいないのか?」

「聞いた事がないよ。大体、字も読み書き出来ないんだからさ」

「う~ん、そうか」

 まぁ、適性があるって事だよな。皆で裸になって風呂に浸かる。


「このお風呂は一緒に入れるからいいね!」

「そうだな」

 俺とアネモネ、隣では獣人同士が一緒に湯船に浸かっている。


「おらクロ助、もうちょっと端へいけ、俺の長い脚が入らねぇだろ」

「ウチとそんなに変わらないくせに何言ってるにゃ。それなら、ウチの長い尻尾の方がはみ出るにゃ」

 いつも喧嘩をしているように見える2人だが、意外と仲は良さそうである。

 戻ったら風呂を作りなおすか。お湯もアネモネの魔法で沸かせるようになったしな。


「でも、旦那ぁ。家の中を水浸しにしていいのかい?」

「ああ、お湯を捨てた後で、アネモネの魔法で乾燥させればいいと思ってるんだが……」

「なるほどにゃ」

「多分、大丈夫」

 アネモネもそう言っているし、多分大丈夫だろう。

 しかし、これから1ヶ月間この場所で風呂に入るとなると、水の確保をしないといけないな。

 この近くに川は無いようだし、水路の水源になるという、隣領の湖まで汲みに行かないとダメか。

 距離的には20~30kmぐらいらしいから、数日に1回往復する羽目になるのかな……。


 風呂から上がると、俺とアネモネはバスローブを着ているが、ミャレーとニャメナは裸のままだ。

 そして2人は、ジェットヒーターの前で濡れた毛皮を乾かすためのダンスを踊り始めた。

 彼女達は、そのつもりはないのかもしれないが――このダンスは、いつ見ても艶かしいんだよな。

 するとニャメナが、足元の小石を拾って暗闇へ投げつけた。


「覗くなら、金持ってきやがれってんだ!」

 辺りは暗くなっており、俺の目では解らなかったのだが、出歯亀がいたらしい。

 アネモネの髪の毛も乾いたので、小屋に行くと――脱いであった夫人のドレスをアイテムBOXへ収納する。

 次いで浴槽も収納して、中の水をゴミ箱へ捨てる。

 シャングリ・ラでデッキブラシを買い、残っている水を部屋の隅に開いているハッチから追い出すと準備完了。

 玄関と窓を全開にして、アネモネに魔法を使ってもらう。


「む~! 乾燥(ドライ)!」

 彼女の声を共に床から白い湯気が立ち昇り、小屋の中へ充満する。これでサウナも作れそうだな。

 床に足を置いてみると、すでに完全に乾いている。こりゃ凄い。

 まぁ、伐採したての生木が完全に乾燥するぐらいの威力だからな、このぐらいは余裕か。

 この魔法を俺の髪の毛に試した事があったのだが、乾燥しすぎてパサパサになってしまい、髪の毛にはダメージになるらしい。

 下手をうって、禿げたり脱毛したりしたら大変。人体には使わない方がいいという結論になった。

 加減によっては人間の身体もミイラのようになってしまう。

 ただ、アネモネの魔法が上達すれば、微妙なコントロールも可能になるかもしれない。


 家に戻ると、ガソリンランタンの明かりの下――プリムラと子爵夫人は、既にピンク色の寝間着に着替えて、フルーツ牛乳を飲んでいた。

 2人共美人なので何を着ても似合うな。特に一番端のベッドに腰掛けている夫人は――若いころは、さぞかし美しかっただろうと思われる。

 いや、今でも十分に美人であるし、脂が乗っている今が盛りというべきか。

 確かに、勿体無いといえば勿体無い――とはいえ、人妻である。

 やはり不貞行為は、よろしくない。


「狭い所で申し訳ございません」

 アイテムBOXから、夫人の白いドレスを出して、ハンガーに吊るそうとしたのだが、引っ掛ける所がない。

 シャングリ・ラから、ねじ込み式のフックを購入。ハンガーは似たようなの物が、この世界でも使われている。


「はは、馬車の中で寝る思いをすれば、これは夢のような話であるよ」

「王都へ馬車で移動となれば、数週間は掛かると思いますが、ずっと馬車の中なのでございますか?」

「そうだの。近くに宿場町が無い所では馬車の中で寝泊まりとなる」

 そりゃ大変だな。車内泊もしたことがあるが、座席を寝かせて板でも敷き、完全にフラットな状態にしないと、寝た気がしない。

 1回でもやってみれば――やはり人間は、ベッドで寝るという事が大事なのだと痛感する。


 夫人も、まだ怒っているのかと思ったが、問題なさそうだ。


 俺もベッドの上に寝転がる。

 すると、俺の腹の上に、ベルが乗ってきて香箱座りになった。下が柔らかくて温かいのが良い感じの居場所らしい。

 アイテムBOXからキャットブラシを出して、アネモネに渡すとベルの毛皮を撫で始めた。

 彼女も実に気持ちよさそうに、ゴロゴロと言いながら目を細めている。


「トラ公は外で寝ろにゃ!」

「なんだよ、俺の小屋は旦那のアイテムBOXに入ったままなんだよ。それに旦那がベッドを用意してくれたって事はここで寝てもいいんだろ?」

「まぁミャレー、たまにはいいじゃないか」

「さすが旦那! 今日は俺が膝枕してやるぜ」

 そう言って、彼女が俺の頭を太ももの上に載せてくれる。


「おお~いい感じ」

「へへへ、そうだろ? じゃあ、これはどうだ?」

 ニャメナはベッドの上で脚を開くと、彼女の股間の上に俺の頭を載せた。


「おおっ! こりゃまた、絶妙な柔らかさが、くせになりそう」

 位置を決めるようにクニクニと頭を動かす。


「ち、ちょっと旦那ぁ、あまり頭を動かさないでくれよ……あっ!」

「どさくさ紛れに何やってるにゃ!」

「む~!」

 キャットブラシを握りしめたまま、アネモネが俺を睨む。いや、この柔らかさは抗いがたいものがあるんだよ。

 それを見ていた、子爵夫人がケラケラと笑っている。


「獣人に森猫が同じベッドの上か……まるで混沌が這いよってくるようだの」

「申し訳ございません、騒がしくて」

「全く、仲睦まじいようで、羨ましい」

 ワイワイと皆が騒がしい中、プリムラを見ると、1人で何かを考えている。


「プリムラ、どうした?」

「……はい、皆が森猫に貢いでくれた鳥肉があるので、明日から鳥のスープを作りたいのですが」

「ああ、ここの人夫達に売るのか」

「はい、見たところ、あまり上等な食事をとっていないようでしたし……」

「そうだな。人夫達に頑張ってもらうためには、食事も大事か」

「そうです。食事は良い仕事をするために、大切な事ですから」

 俺とプリムラの会話を聞いていた夫人が唸った。


「なるほどのう……私は外で仕事などしたことがないからの」

 貴族様は人を誘惑するより、領のために優れた人材を育成する方が先なのではあるまいか。

 今まで、こんな現場までやって来て陣頭指揮をする事もなかったのだろう。

 よくこれで、まつりごとが回ってたな。今回の子爵領の危機ってのも、自分達のメンツが潰れるってだけだし、領民に直ちに影響がでるわけではあるまい。


 まぁ俺は、この仕事を早く片付けてしまおう。


 ------◇◇◇------


 ――次の朝。

 プリムラは朝早くから起きて、鳥を捌きスープを作り始めた。

 その横では、自慢の髪を乱雑にまとめ、俺から貰った藍色のワンピースを着た子爵夫人が、プリムラの作業を手伝っている。

 全く美人ってのは卑怯だな、何を着たって似合うんだから。

 だが、汗水を流す夫人の姿を見た現場監督が慌てて走ってきた。


「カ、カナン様、何もそのような下賎な作業を……」

「黙れ、ボリジ! 其方は作業の準備を進めるがよい!」

「ケンイチ、コンロをお願いします」

「解った」

 プリムラに言われてテーブルの上に、アイテムBOXから必要な物を並べる。

 アネモネは丸いパン焼き器でパンを焼くのだが、自分の魔法を使っているので、火やコンロを使わず焼き具合をコントロールしている。


「まったく、若いのに恐るべき魔導師だの。完全に魔法を使いこなしておる」

「カナン様は、どういった心境の変化ですかな」

 単なる気まぐれとも思えないが……。


「なに……昨日ずっと其方達を見ていて、私に足りない物が見えてきたのでな」

 それから1時間程で寸胴鍋3つ分のスープが完成した。

 大半が鳥だったので鳥ベースなのだが、小型の獣肉も入っている、ごった煮スープだ。


「おおい! こちらに温かいスープがあるぞ! 子爵夫人自らのお手製だ」

「スープだって?」「温かいのか?」「いい匂いがするぜ」

「よし! 其方達、ここに並ぶがよい! これは私のおごり故、たっぷりと食するがよいぞ!」

「「「おお~っ!」」」

 こんな所でスープを売ったり作ったりしている商人はいない。ここで売っている食料は、硬いパンと干し肉、そしてワイン。

 輸送するのに時間が掛かるので、腐らないように、このようなラインナップになるのは仕方ないところ。

 皿すら持ってない奴が沢山いるので、シャングリ・ラで500円ぐらいの深皿を80枚以上購入して彼等に分け与えている。

 無論、これらの経費も子爵様に請求するため、プリムラがしっかりと帳簿に記してある。


「うめぇ! こんなうめぇスープを朝から飲んでいいのか?」

 注いでもらったスープをすぐに、人夫が一口(すす)って声を上げる。


「腹いっぱい食して、今日も働くのだぞ!」

「「へい!」」

「おい、お前等! 時間があったら獲物を捕ってきてくれ。それを材料にして、スープを作ってやるからよ」

「そうすれば毎日、温かくて美味いスープが飲めるって事か?」

 人夫の1人から返答がくる。


「そういう事だ」

「「おお~っ!」」「そうと解かりゃ、やる気が違うってもんだ」

 料理に並ぶ人夫達が差し出す皿に、お玉でスープを注ぎ、大きな青いリボンで纏めた金髪。

 そして額に流れる汗を拭う、朝日にきらめく夫人の笑顔。その顔をじっと眺めていると、俺の視線に夫人が気がついたようだ。


「どうしたのだ? 化粧をしておらぬ私の顔が変か?」

「いいえ、今のカナン様があまりに美しく魅力的なので、危うく惚れそうになるところでございました」

「はっはっはっ! やっと私の魅力に気がついたか」

「「「じ~っ」」」

 アネモネとプリムラをはじめ、獣人達もじっと俺の顔を見ている。


「まてまて――大丈夫だって、惚れそうになったと言っただけで、惚れたわけではないからな」

「私はいつでも、いいのだぞ?」

「いいえ、不貞はよろしくありませんから、やめましょう。私には妻も家族もおりますし」

「なぁに、まだ1ヶ月あるからの」

 夫人がなにやら、ニヤニヤしているのだが、ぶっちゃけありえない。

 主人が留守だからといって、この人は、はっちゃけ過ぎだろう。


「ありえませんが」

「それと、ケンイチ殿! このように髪が美しくなる、あの薬品は私にも卸してくれるのであろう?」

「あれは私の秘薬で非売品なのですが……」

「すこしぐらいよいではないか、よいではないか~」

 女が、美しくなる薬を見つけたら、そりゃ欲しがるわなぁ。

 シャングリ・ラで売っている化粧品等を王侯貴族へ売ったら、こりゃ大騒ぎになるな。

 それだけ金になるって事だが――しがらみが膨大に増えそう。


 秘薬の製法や在処を聞きだそうと、アネモネやプリムラが人質に取られたりして……あり得る。

 注意しなければならない。


 皆の食事も終わり、人夫達が森の中へ入っていく。

 俺もアイテムBOXから、コ○ツさんを取り出して、作業にとりかかる事にした。今日からは森の中での作業になる。

 アイテムBOXから、昨日女達が開けてくれた白灯油の入った青い浴槽を取り出して、燃料の調合を行う。

 それを電動ポンプを使って、コ○ツさんに流し込むと、腹いっぱいになった鉄の召喚獣を目覚めさせる。


「気合を入れていかねば」

 俺は重機に乗り込むと、エンジンを始動。

 フットバーを踏み込むと、鋼鉄のカタピラをきしませて巨大な身体を森の中へ進入させた。



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