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神に見放されたシスター

  Wing2 神に見放されたシスター



 「僕はこの世界を変えてみせる・・・!!」


 ライトの瞳は透き通っていて、真っ直ぐ伝助を見つめている。

 タッタッタッタッ

 誰かが地下から駆けてくる足音がする。シスターのようだ。

 「伝助さん、勝手に怪我人を連れ出して・・・・あ!!」

 ガッ

 シスターは伝助たちの前で小石に足を引っ掛けてしまった。

 パシッ

 転びかけているシスターの腕をライトが掴んだ。

 「大丈夫ですか?」

 ライトが心配して言った。

 「あ・・・ありがとうございます。足も挫いていないし、大丈夫です。

 それにしても、伝助さん、怪我人を勝手に連れ出さないでくださいよ。心配しますから・・・。」

 シスターは伝助に注意を促した。

 「ああ、悪かったな。あ、そうそう。こいつは教会のシスターで、さっき俺が話した恩人の女の子もこいつ。」

 「教会で病人を看ております、シスタークレスと言います。よろしくおねがいします。」

 「僕はライトって言います。こちらこそよろしく。」

 ライトとクレスは軽く会釈した。

 「そういえば、さっきの話だが・・・世界を変えるって?」

 伝助が問い質した。

 「今の王を辞めさせるんです。」

 「!!・・・・そんなことできるわけがないさ!鳥人族は俺たちの意見は聞くはずない!それに襲撃を仕掛けても飛べるやつらの方が有利だ!空からの襲撃にはやはり対処の使用がない!!」

 「それでも僕は世界を変えたいと願う・・・・いや、願うだけではなく、変えるために行動を起こしたいと思う。」

 「だから、そんなこと・・・!?」

 「伝助さん、ちょっと席を外していただけますか?」

 クレスが言った。

 「えっ?・・・分かったよ・・・。」

 伝助は渋々地下へ帰っていった。

 「・・・・あなたがやろうとしていることは、人を殺めてることになりますか?」

 クレスが訊いた。

 「ええ、そうです。僕は今の王を殺しに行こうとしています。もちろん、王以外にも殺すでしょう。王の周りには多くの兵士がいますから・・・きっと大規模な戦争になるでしょう。神の掟に反するのは承知です。」

 ライトの口調からも真剣さが窺える。

 「・・・・・少しわたくしのお話を聞いていただけますか?」

 クレスが顔を上げて言った。

 「・・・?」

 ライトはクレスの少し悲しそうな表情にどう反応していいのか分からなかった。

 バサッ

 「 !! 」

 クレスの左の背中から大きくて立派は翼が姿を現した。

 「・・・・私の母親は鳥人族でした。父親は普通の人間で・・・私が6歳のとき二人とも殺されました。私はお城の中の教会に引き取られました。

 母親が犯した罪は鳥人族以外の者と結婚したこと。父親の罪は鳥人族と結婚したこと・・・

 愛しただけで殺される世界に神がいると思いますか?・・・・いるとしても、もう私たちは見放されています。」

 クレスは涙をこらえている。

 「・・・・・こんな話をしていても埒が明きませんね。

 私も・・・この世界を変える手助けをさせていただきたいのです。」

 「えっとそれは・・・つまり・・・」

 クレスの発言にライトは動揺した。

 「私も、戦場に立ちたいのです。弓矢なら私使いこなせますし、大きな戦いをするのなら、怪我人を看病する人が必要になってくると思いますし・・・。」

 クレスの目は真剣そのものだった。

 「・・・・でも・・・そんな修道着じゃ・・・」

 「なら、着替えればいいんですね。地下に行って着替えてきます。」

 クレスは地下へ走り去っていった。

 「・・・・まだ一緒に行くと決めたわけじゃな・・・言うのが遅かったか・・・。」

 ライトは頭をポリポリと掻いた。

 「あ!しまった!!伝助に剣を預かってもらってるんだった!取りに行かないと・・・!!」

 ライトも地下へ慌てて走っていった。



  To be continued


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