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獣は野に眠る  作者: 白湯
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白心寺

夕刻、

十兵衛は城下町にある吞み屋へ向かった、

「酒」の書かれた暖簾の垂れる、小さな店である。


「オッスオース 来ましたよーごんぞうの旦那。」


「おぉ来たか来たか!十の字!」


ごんぞうと十兵衛はたびたび町で会っては

こうして酒を吞む仲である。


「ごんぞうさんと呑むようになってから1年くらい

経ちましたかねー?」


「そうかも知れねぇなぁ!まぁまぁ吞め呑め!

町で工芸品を売ってるおめぇさんに、

偶然出会ったんだよなぁ!」


「あのときはお客でしたね。今はこうして呑む仲に…」


「人生ってのはわからねぇなぁ!」


「まったくです。」



しばらく酒を呑み交わすが、

十兵衛は決まって夜が更け始める頃に店を出る。


「オッス、勘定はここに、では俺はここいらで…」


「おうおう!また会おうや!」


店を後にし、向かうのは町はずれにある寺、

白心寺(はくしんじ)である。


以前よりこの地にある、本堂と庭と住職の住まう

小屋のみの小さな寺である。


寺の門をくぐると、脇に庭が本堂まで続き、

すぐそこに本堂がある。


「オッスオース、今日も来ましたよー。」


「……おう!来たか十兵衛!」


十兵衛の声に応え、奥から坊主刈りの、

いかにもといった具合の住職が出てくる。


“今日も来た”というのは、十兵衛は城下町に

来る度に、この白心寺にも毎度毎度寄っていたのである。


「さぁ、中に入ってくれゾ。」


「オッスオース」


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