冒険者に成るには、どうしようもない壁がありました。
……皆様お久しぶりです。
スマートフォン落としまして、画面割りました。
修理に出すと『正月を跨ぐので一ヶ月以上かかりますが宜しいですか?』と聞かれて、絶望しました。
画面が動かないので修理しましたよ!
一月一日に投稿したかったのになぁ……(涙目)
おはようからおやすみまで、何時も元気なミミックだよ!
今地味にピンチです!
何がって?
……名前無いのに自己紹介ってどうすればよいのですか?
「あ~、えっと……」
高速回転する僕の頭。
ついでに混乱しているのか目も回ってます(多分)。
……お、おちゅちゅけ(落ち着け)僕!
いつもいつも、やれば出来る子だって『前世』で言われてたじゃないか!
……じゃあ『今世』は?
「あばばばばっばばば!?」
「……お、おい?大丈夫か?」
ダンガスさんが僕の反応で引いてる……。
……ええ、ええ、大丈夫ですよ?
ぼぼっぼぼぼ僕はこれでも賢者って呼ばれる種族でしたからね!
……ダンガスさんの反応で落ち着きました。
「……こほん、失礼。……ぼk(危ねぇ!)、……私の名前はミミ。ミミ・クエルダ。訳あって裸ローブ(こんなすがた)してますけど、流れの旅人でしゅっ(あっ……)……!?」
……流れる沈黙。
「…………(噛んだな。)」
「…………(噛みましたね……。)」
……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?
何だかちょっと可愛く噛んでしまったぁぁぁぁぁぁ!
……チラリと様子を伺う。
すると、なんとも微笑ましいものを見るような、そんな優しい目を向けられました。
もうやめて!?僕のライフは既にゼロよ!?超絶オーバーキルです!!
◎
あの後、色々と聞かれましたけれど、なんとかなりました。
まぁ、あんな恥ずかしい過去は置いておき、僕は言いたい。
ここは丁度冒険者ギルド。
……うん、決めた。
「……冒険者に、俺は成る(ル○ィ風)!」
「だったらカウンターで冒険者登録すればいいじゃねぇか。」
ごもっともです……。
あぁ、ダンガスさんが呆れた顔で僕を見てる。
……僕は多分、彼等に相当変な子だと思われてるよぅ……。
「……はぁ……。まぁ、丁度試験官も来ているし、今が一番登録しやすいだろうな。」
「試験官?」
「……そこから先は私が答えよう。」
とても可愛いアニメ声と共にギルドマスターの部屋に入ってきたのは、赤髪の『美』幼女。
それで思わず「……誰この子」とか言ってしまったら、その美幼女に物凄い形相で睨まれた。
「……言っておくが、私は鬼の一族だ。年は貴様より上だと思え。次に小さいやらこの子とでも言えば……、まぁちょっとした『教育的指導』してやるぞ?」
とてもいい(怖い)笑顔で一部の人が狂喜乱舞しそうな言葉を言う美幼女。
……僕にそんな趣味は無いですけど。
「お、丁度いい所に。クレハ、この子が冒険者に成りたいそうだが、みた感じどうだ?」
「……ポテンシャルは高そうだが、残念ながら馬鹿で脳筋っぽいなコイツ。ただの『人間』なら良くてCランク程かな?」
ギックゥ!!
まさか僕の正体ばれてらっしゃる……?
それともあえて『人間』を強調したの!?
……こちらをじ~、と見つめてくるクレハ?ちゃん。
「……ふん、後で話がある。取り敢えず今はカウンターで冒険者登録でもしてこい。」
「は、はい……。」
低い声でクレハちゃんがそう言いました。
というか、ちっちゃいのに怖い!
この子怖いよ!
僕は睨み付けてくる美幼女にびくびくしつつ、ギルドマスターの部屋から出た僕なのでした。
◎
ここ、冒険者ギルドでは登録するのに年齢制限がある。
なんでも、以前あまりに小さな子供が登録し、無惨に魔物に殺される事件が多発した為、年齢が10歳未満は登録出来ない仕組みになっているのだった。
まぁ僕には関係無いのだけど。
「ギルドの登録ですね?それではこちらの資料にあります、名前、年齢、職業、特技等の必要事項を。
住所をお持ちの場合は、そちらの方もご記入してください。」
渡されたのは紙とインク、羽根つきペン。
紙は割とサラサラしていて、項目毎に線で区分けされている。
インクの方も良いものなのか、結構サラサラしている。
ただ、羽根つきペンの方は何かしらの魔術っぽいのが掛かっている模様。
気になって受付に訊いてみた所、「嘘を見破る魔術を掛けています。」とのこと。
これを聞いた僕は今、相当焦っております。
……だってほら、魔物ってばれそうじゃない?
そうなると……、恐ろしい結果しか思い浮かばない。
もうどうしたらいいんでしょうか!
「…………。」
……どうしようもないので、とりあえず書いていってみる。
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名前
『ミミ・クエルダ』
年齢
『14くらいだと思う……。』
種族
『未記入』
職業
『……旅人?』
特技
『なんちゃって槍術。』
使用可能魔法属性
『分かりません。』
使用可能特殊魔法属性及び特殊技能
『……高くジャンプ出来ます。』
住所
『無し』
備考
『……無いと思う。』
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一応出来た。
ただ問題はこの『種族』。
……魔物って書くわけにもいかないし、ミミちゃん今大ピンチです!
受付嬢「……(あのこの百面相、可愛い!)」
ミミ「うむむむ、むーん、むむむ?」
受付嬢「……(文字が読めないって訳じゃ無さそうだけど、どうしたんだろう?)」
ミミ「うぅ……うにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
受付嬢「……(……っ!?うん、やっぱりあの子可愛い!!)」
ミミ「(ゾゾゾ)……ひぃっ!?」