表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

星の魔法

作者: あらしのよるに

「ねえ知ってる?」


「何を?」


「満月の日にね、二人っきりでお月様を見るとお願い事が叶うんだって」


「なんでも叶うの?」


「そう。なんでも叶うんだよ。」


「そっかー。なんでもかー」


「・・・ねえ。試してみない?」


「なにを?」


僕は意地悪く微笑んで、


「月の魔法をさ」



~10年後~


「じゃあ今夜あのベンチに集合な」


「分かった。じゃあね」


今日は10年に一度の満月の日。



本来なら今日は魔物が出現するので外出は禁止されている。


だが、俺たちは10年前の約束を果たしに月を見に行く事にした。


そして、俺はそこで告白しようと思っている。


10年前のあの日からの思いを今日伝えるつもりだ。


それと、あとで聞いた話だが満月の日は星の呪いというのもあるらしい。


片想いの相手に自分を忘れさせない呪いなんだとか。


まあ、俺たちには関係のない話だ。


夜。


俺は少し早めに家を出た。


魔物が一番活性化するのが深夜を過ぎてからなので、その前に終わらせてしまいたい。


「寒いなぁ。」


気温は夜にしては寒いほうだった。


(待たせないように早くいこう)


少し駆け足でベンチまで急ぐ。


幸い、まだ魔物には会わなかった。


ベンチにはまだ誰も来ていなかった。


(まだ来ていないのか)


先にベンチに腰かける。


ふと空を見上げると、太陽の倍はありそうな月があった。


(綺麗だな)


月を見ながらこのあとのことについて考えた。


(告白したら二人で月を見ながら一つになるんだ。)


ちょうど足音が聞こえてきた。


ベンチに腰かける気配。


やあ、きたかい。


そう声をかけようと思っていたが二人とも静かに月を見ていた。


(この時間が永遠に続けばいいのに)


柄にもなくそんなことを考えていた。


だんだん意識がぼんやりとしてきた。


何かとひとつになっていく感じ。


存在ごと消えていくような・・・


(ま、いっか)


そう思って目を閉じる。


翌日、川の下流で魔物と少女の残骸が見つかった。


少女の体からは、星の呪いを使用した後が見つかったという。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ