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小説と宝くじ

掲載日:2026/03/12

 一発儲けてみようと思い、私は小説を書いてなろうに投稿してみることにした。

 宝くじや競馬も悪くないと思ったが、小説の方が儲けられる気がしたので小説を書いてみることにした。


 小学生の頃から高校を卒業する間近まで、国語の教科書で数多くの文学作品に触れてきたし、なんなら書いてクラスのみんなで回覧するということも何度かあった。

 ちょろいちょろい。パソコンやスマホで入力する文字には綺麗も汚いも読みにくいもありゃしない、きっと稼げる。そう思い私は筆を……いや、キーボードを進めた。

 最初のうちはたくさん作品書いてがんばって読者を増やそうと、流行りのジャンルはどういったものなのか調べてみたり、いい感じのセリフの言い回しがないか研究してみたり自分なりにできる努力をした。

 当然といえば当然だが、定期的に読んでくれる読者はほとんど付かず、誰も読まない紙屑同然と化した作品たちのみが溜まっていくだけだった。


 そうこうしているうちに何ヶ月も何年も経ってしまった。

 しんどい思いをしながら働いてお金を稼いでる今であるからこそ、「本気を出せばアニメ化だってできたはずだ」と、本気で思っていた自分がなんとも恥ずかしく感じる。

 だが、黒歴史だったという訳でもない。

 誰も読まない紙屑同然の小説だったにも関わらず、実際読んでいただいて、さらには感想まで書いていただいたということがあった。

 感想が来ましたという通知が来た時瞬間には声を出して喜んだものだ。本当に、本当にうれしかった。

 閲覧数が一時的に増えた時期もあった。これは大金になるぞ!と思う瞬間もあった。

 このように、ワンチャンが来たかもしれない!という瞬間がいくつもあり、そしてそれを共有できた楽しみがあったからこそ黒歴史ではないのだ。


 今思えば、小説も宝くじもどちらもそんなに変わらなかったような気がする。

 宝くじだって、当たるかどうか分からないギャンブルでまずプラスになることはほぼありえないはずなのに、当選発表の瞬間まではワクワクするし、少額の当選だとしても全然喜べる。

 不思議なものだ、小説も宝くじもある意味ただの文字列に過ぎないのに同じような魅力がある。

 ワンチャン儲けられるかもしれない、結果が出るまでは他の人と共にワクワクできる、結果が出なければ水の泡……

 場合によっては地獄行きの紙切れにも天国行きのプラチナチケットにもなり得る。宝くじであっても、小説であっても。

 だからこそ、小説を書くのはやめられない。

 

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