表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分のリアルな人生~何度でも、何度でも!どん底から這い上がってやる!~  作者: 田舎のおっさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/9

【第4章:土木の現場へ - ゼロからのやり直し】

すべてを失った後。

僕は、ただ家にいた。

何もする気が起きなかった。


店も消えた。

会社も消えた。

共同経営者も消えた。

残ったのは、借金だけだった。


自己破産の手続きをした。

「もう、これで終わりだ」

そう思った。


でも、人生は終わらなかった。


そして、さらなる不幸が襲ってきた。


椎間板ヘルニアになった。


ある日、突然腰に激痛が走った。

「痛い...」

立てなかった。


病院に運ばれた。

診断は、椎間板ヘルニア。


「手術が必要です」

医者が言った。


そして、手術後。

半身不随になった。


「...動かない」

右半身が、思うように動かなかった。


「これは、一時的なものです」

医者が言った。

「リハビリをすれば、治ります」


リハビリが始まった。


毎日、理学療法士と一緒に体を動かす。

「もう一度、頑張ってください」

「...はい」


最初は、何も考えられなかった。


「何で、俺ばっかり...」

そう思った。


後輩に裏切られた。

共同経営者に裏切られた。

店も会社も消えた。

自己破産した。

そして、半身不随になった。


「もう、終わりだ」

そう思った。


でも、リハビリを続けるうちに。

少しずつ、精神を取り戻していった。


「動くようになってきた」

右手が、少しずつ動くようになった。

右足も、少しずつ動くようになった。


「頑張ってますね」

理学療法士が言った。

「...ありがとうございます」


そして、ある日。

理学療法士が言った。

「あなた、何か目標はありますか?」

「目標?」

「はい。リハビリには、目標が大切なんです」


「...」

考えた。


「もう一度、立ち上がりたいです」

そう答えた。


「立ち上がる?」

「はい。もう一度、仕事がしたいです」


理学療法士は、優しく笑った。

「いいですね。頑張りましょう」


それから、リハビリに真剣に取り組んだ。


約1年半。

ようやく、歩けるようになった。


「退院できますよ」

医者が言った。


「ありがとうございました」

そう言って、病院を出た。


でも、外に出ても。

何をすればいいのか、わからなかった。


「仕事を探さないと...」

そう思った。


そして、専門学校時代の知り合いに連絡を取った。


「久しぶり」

「...久しぶり」

「元気にしてた?」

「...まあ」


詳しいことは話さなかった。

でも、相手は察してくれた。


「仕事、探してるの?」

「...うん」

「土木の仕事、やってみる?」

「土木?」

「うん。俺の知り合いが、人を探してるんだ」


「...お願いします」

そう答えた。


そして、土木の現場監督として働き始めることになった。


最初は、住み込みの寮だった。

古い建物だったが、屋根があるだけで十分だった。


知り合いの伝手もあり、みんなは暖かく迎え入れてくれた。


「よろしくな」

現場の職人たちが、声をかけてくれた。

「...よろしくお願いします」


16歳の頃から土木の現場にいた。

専門学校でも土木を学んだ。

だから、仕事自体は馴染みがあった。


でも、心は空っぽだった。


何も考えることができなかった。

自暴自棄になっていた。


「このまま、生きていても意味があるのか?」

そう思っていた。


でも、同時に。

なんとか立ち直りたいとも思っていた。


「もう一度、やり直したい」

その想いだけが、僕を支えていた。


給料は、手取りで14万あるなし。

少なかった。

でも、生きていくには十分だった。


借金は、自己破産したから関係なかった。

いや、正確には。

忘れることにした。


「もう、過去のことは考えない」

そう決めた。


6ヶ月後、アパートを借りた。

小さな1Kの部屋。

でも、自分の部屋があるというだけで嬉しかった。


そして、仕事に打ち込んだ。


土木の仕事は、地味だった。

道路工事。

舗装工事。

道路維持。


でも、飲食業と同じで。

出来上がっていく成果が表れることに喜びを感じた。


「この道路、俺が作ったんだ」

そう思えることが、誇らしかった。


そして、何より。

施主からの『ありがとう、お疲れさん』が再度心に染みてくるようになった。


「お疲れさん。いい仕事してくれたね」

施主が、そう言ってくれた。


「...ありがとうございます」

その言葉が、心に響いた。


「俺は、まだ誰かの役に立てるんだ」

そう思えた。


そして、少しずつ心が回復していった。


でも、25歳の時。

ある女性と出会った。


彼女は、僕に一目惚れしたらしい。

「付き合ってください」

そう言われた。


「...」

正直、戸惑った。


自分には、過去があった。

逮捕、破産、椎間板ヘルニア。


「俺なんかと、付き合って大丈夫なのか?」

そう思った。


でも、彼女は言った。

「過去は関係ないです。今のあなたが好きです」


その言葉に、救われた。


「...ありがとう」

そう答えた。


そして、そのまま一緒に住むようになった。


数ヶ月後、結婚した。


「これで、新しい人生が始まる」

そう思った。


でも、結婚生活は長くは続かなかった。


5年しないうちに、妻が職場の3人と関係を持った。


最初は、気づかなかった。


「最近、帰りが遅いな」

そう思っていた。


でも、ある日。

妻のスマホを見てしまった。


「...え?」


信じられなかった。


3人。

職場の男性3人と、関係を持っていた。


「なんで...」


問い詰めた。


「ごめん」

妻は、そう言った。


「ごめんじゃない!なんで!」

「...わからない」

「わからないって!」


でも、答えは返ってこなかった。


そして、離婚した。


その時、僕の心は完全に壊れた。


もう何も信用できない。

人は怖い。

死にたい。


そう思った。


何も考えることができなかった。


そして、ある日。

車で追突事故を起こしてしまった。


信号が赤だったのに、気づかなかった。

前の車に突っ込んだ。


「大丈夫ですか!?」

相手が駆け寄ってきた。


「...すみません」


怪我人もいた。

でも、そこまでひどい事故ではなかった。


警察が来た。

処理をした。


「今後、気をつけてください」

警察官が言った。


「...はい」


その夜、一人でアパートにいた。


「俺、何やってるんだろう」


そう思った。


後輩に裏切られた。

共同経営者に裏切られた。

妻に裏切られた。

事故も起こした。


「もう、終わりだ」


そう思った。


でも、死ぬ勇気もなかった。


ただ、部屋で横になって、天井を見ていた。


でも、ある日。

ふと思った。


「このままじゃ、ダメだ」


何がきっかけだったか、よく覚えていない。


ただ。

自分の気持ちを支えてくれる人の温かさが恋しくなった。

人のぬくもりが恋しくなった。


「もう一度、誰かを信じてみたい」


そう思った。


そして、離婚から1年後。

婚活パーティに参加した。


正直、不安だった。

「また裏切られるんじゃないか」

そう思った。


でも、それでも。

「もう一度、やり直したい」

その想いが勝った。


そして、婚活パーティで。

今の妻に出会った。


一目惚れだった。


「この人だ」

そう思った。


でも、同時に。

不安は拭えなかった。


「また裏切られるんじゃないか」

そう思った。


でも、勇気を出して話しかけた。


「こんにちは」

「こんにちは」


彼女は、優しく笑った。


そして、何度か会ううちに。

少しだけ、過去の話をした。


「実は...俺、昔、逮捕されたことがあって」

「...」

「それで、破産もして」

「...」

「離婚もしてる」


彼女は、黙って聞いていた。


「...ごめん。こんな話」

「いいよ」

「え?」

「過去は過去だから」


彼女は、受け入れてくれた。


「ありがとう」

そう言った。


それ以降、彼女は過去のことを聞こうとしなかった。

こっちも、全部言うまでもなく、そのままにした。


そして、35歳で結婚した。


「今度こそ、幸せになろう」

そう思った。


36歳の時。

長男が生まれた。


病院で、初めて抱いた時。

小さな命。


その瞬間、誓った。


「絶対幸せにしてやる!」

「裏切られても裏切らない!」


そう心に決めた。


小学4年生の時、父親から母親を守った。

あの時の覚悟が、蘇った。


「今度は、この子を守る番だ」


そう思った。


そして、1年半後。

次男が生まれた。


「2人も、守らないといけない」


責任は重かった。


でも、同時に。

「この子たちのために、もっと頑張りたい」

そう思った。


その頃、僕は全国を渡り歩く生活をしていた。


結婚してから、仕事が増えた。

月曜日、朝4時起き。

新幹線で移動。

現場に到着したら、すぐに作業開始。

月曜から金曜まで、仮設暮らし。

月に何度か週末だけ、家に帰る。帰れないほうが多い。


帰路も、週末も、自宅でも電話がかかってくる。

「現場で問題が起きました」

「道路が陥没しました」

「至急、戻ってきてください」


休みなんて、ほとんどなかった。


体が、どんどん疲れていった。

朝、起きるのが辛い。

腰が痛い。

肩が痛い。

膝が痛い。


「もう、限界だ」

そう思った。


そして、何より辛かったのは。

家族に負担をかけていることだった。


週末しか家にいない。

子どもの成長を、ほとんど見られない。


妻は、何も言わなかった。

でも、寂しそうな顔をしていた。


「ごめんね」

そう言うしかなかった。


そして、ある日。

家に帰った時、妻が言った。


「もう一度、飲食業をやってみないか?」


「え?」


「だって、あなた、本当は飲食業がやりたいんでしょ?」

「全国飛び回って、道路工事で体壊すより、自分の好きなことやった方がいいよ」


妻は、僕の心を見抜いていた。

妻の言葉に、背中を押された。


「ありがとう」


そう言って、僕はもう一度挑戦することを決めた。


飲食業への再挑戦。


今度こそ、家族と一緒にいられる生活を作りたい。

今度こそ、子どもの成長を見守りたい。

今度こそ、幸せな家庭を作りたい。


その想いが、僕を動かした。


土木現場監督として、約15年働いた。

長かった。

でも、この15年があったからこそ。

もう一度、挑戦する覚悟ができた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ