表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

はじまり

新人類、という単語を初めて聞いたのは、確か小学校に入ってすぐのころ。自室に設置されていたテレビのニュースで知った。

裕福であった我が家は、当たり前のように子供部屋にもテレビが設置されていて、両親との番組争いが起こらないようになっていた。番組争い、というくらいだから、俺は普段からアニメやバラエティしか見ないでいた。だから、初めてニュースを見たあの日に放映されていたことは、よく記憶に残っている。

難しい言葉が多用されていたが、おおまかな内容はなんとなくわかった。

新人類と呼ばれる人間がいること。彼らは、普通の人間よりも身体能力に優れていること。

内容としては至極単純なものであるが、その直後に流されたVTRを見て、そのニュースはより脳に焼き付けられた。

ただの人が、軽々と一軒家を飛び越えたり、銃弾を撃ち込まれても平然としていたり。

当時の俺は、一目散に駆け出し、リビングで叫んだ。「お母さん、人が!」

ちょうど同じニュースを見ていた母親はこちらを振り返り、すました顔で、「すごいわねぇ」とだけ言った。

その母の態度に、少しだけがっかりしたのも覚えている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ