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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第660話 らいおんラーメンふたたび その3

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【登場人物】

 川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

 種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

 たたたたた  ばにらのリスナー らいおんらーめんの店員

 青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

 ダメ出しが終わったところでお夜食へ。

 向かうはもちろん、文京区で名の知られたらーめん屋で……!


 ◇ ◇ ◇ ◇


 たたた「そういえば、 ばにらさんは結局、事務所に住んでるんですか?」


   「仕事場と自宅が一緒って、それはそれで大変そうですね……」


 ばにら「いや、それはどの配信者も同じバニよ」


   「社長とBちゃんが五月蠅いだけで」


   「それ以外は快適な住居だから」


   「それほど大変ってわけじゃないバニよ」



   「むしろ、会社のいい機材で配信できるから万々歳!」


   「事務所に寝泊まりしてよかったまである!」



 ずんだ「ふざけたこと言ってるんじゃないの、このスカポンタン!」


 ばにら「ばにぃっ! なんで怒るんですか、ずんさん!」


 ずんだ「事務所なんかに住んでたら、それこそ毎日配信させられるわ」


   「日常と配信の境界が分からなくなったら、それこそおしまいよ」



   「川崎ばにらと本来のアンタが一緒になっていったら……!」



 ばにら「まあ、ばに~らは喋り方以外は」


   「だいたいリアルもこんなもんといいますか」


   「たいして変わらないので、問題ないと思いますけど?」



 三 人「んなわけあるか! ぜんぜん違うわ、オンとオフで!」


 ばにら「えぇ~? そうバニかなぁ?」


 かりん「けど、そっか。ばにらちゃん、今は事務所に住んでるんだ」


   「なんだったけ、住んでたアパートで暴漢に襲われたんだっけ」


   「さらっと言ったけど滅茶苦茶怖い話だよね」



   「大丈夫だった? ていうか、大丈夫?」


   「かりんの初配信なんて構ってる場合じゃなかったんじゃ?」



 ばにら「まあ、それについては解決済みバニよ」


   「犯人もとっ捕まって、心配することはなにもなしバニ」


 ずんだ「…………」


 ばにら(まあ、別に心配することができちゃったけれど)


 たたた「けど、いつまでも事務所住みってわけにはいきませんよね?」


   「どうするんです? やっぱり次のアパート探してるんですか?」


 ばにら「…………そういえば、まだなんにも考えてなかったバニ」


 ずんだ「だから、アンタって子はどうしてそう考えなしなのよ」


   「もうちょっと危機感を持ちなさいよね」


   「本当に、これじゃどっちが先輩で後輩なんだか」


 かりん「そうだよばにらちゃん!」


   「いくらなんでも暢気すぎ!」


   「次の住むところくらい、ちゃんと考えようよ!」



   「それか、よかったらかりんと一緒に住んじゃう?」



 たたた「え?」


 ばにら「え?」


 ずんだ「…………え?」



 かりん「だってこれからもまだ」


   「かりんの指導を続けるんでしょう?」


   「だったら、一緒に住んでた方が都合よくない?」


   「まあ、ばにらちゃんの都合がよかったらだけれど……!」


 たたた(こいつ、いきなり無茶苦茶なことを言いだしやがる)


   (しかも純粋に善意でこれ言ってるから性質が悪い!)


   (これだからコミュ力がバグってるタイプの陰キャは怖いわ!)


 ずんだ(この娘、もしかして本気で花楓のことを狙ってるの?)


   (ちょっとやめてよ! 今でも時間を取られてしんどいのに!)


   (これ以上、私から花楓を遠ざけないで……ッ!)



 ばにら「いやぁ~、それならばにらは」


   「ずんさんの家にお節介になるバニよ」


 かりん「だよねぇ~! 知ってたぁ~!」


   「だってさ、ずんさ~ん! どうするのぉ~!(ニマニマ)」



 たたた(違う! こいつやりやがった!)


   (ずんさんがこの挑発に乗ってくると踏んで!)


   (わざとこんなこと言いやがったんだ!)



   (陰キャの前にクソガキ! 流石はつよつよFPSゲーマー!)


   (煽らせ性能高すぎだろ……ッ!)



 ずんだ(くっ……おちょくってくれるじゃないの、種子島かりん!)


   (けれど、せっかくの申し出! ここで受けないわけには!)


 ばにら「いやいや、かりんちゃん」


   「ずんさんを困らせちゃダメバニよ」


   「ずんさんの家は――ばに~らにとっての聖地」


   「そこは誰にも汚されてはいけないユートピア」



   「ばに~らのような薄汚い陰キャが」


   「いていい場所じゃないバニなんですよ」



   「ね? ずんさん?(くもりなきまなこ)」



 たたた「だはははははははははッ!」


 かりん「ばにらちゃん! ちょっ、マジで言ってる!」



 ずんだ「ちくしょう! こんなんどう答えろって言うのよ!」


   「アタシの百合営業相手パートナー! 自己評価低すぎぃッ!」


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



 自分から「一緒に住みましょうよ」と言い出せば、すぐに終わる話なのに終わらせることができない。それが青葉ずんだクオリティ。

 いったいどれだけ、読者と周りをやきもきさせるんですかね。


 とはいえ、もうこの流れは同居するしかないように思えますが。


 それはそれとして、なんだかんだでおざなりになっていたばにらの住居についてのお話。代わりの住居を用意するにしても、四阿がまた絡んでいると厄介なことになりそう……本当にどこに住むつもりなんだばに~ら。突如として都会の迷子になってしまったばにらの、次の住処が気になる方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m

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