第319話 歌ヘタ養成学校 その7
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎
五十鈴えるふ DStars3期生 和風エルフ
【シチュエーション】
歌みたが苦手なメンバーのトレーニング。
鬼のような猛特訓がはじまる……!
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「しのぎちゃん、歌みたに苦手意識があるみたいね」
「というか歌自体にか……」
ばにら「しのぎの気持ちは私もよく分かるバニですよ」
「ぶっちゃけ、私もそんなに歌がうまくないですから」
ずんだ「私は好きよ?(唐突なデレ)」
ばにら「はいッ!!!!(引き続き、返事だけはいい)」
ずんだ「うーん」
「ASMRであれだけえちちなキャラを演じられて」
「マイク機材の扱いもしっかり分かっている」
「下手するとスタッフより技術を持っているのに……」
「どうして歌になると、あんな感じなんだろう(真顔)」
ばにら「幼稚園児のお遊戯会みたいになっちゃうんですよね」
「一緒に歌ってくれる人がいても、変わらずそのままで」
ずんだ「歌をちゃんと覚えてないとか?」
「いや、真面目なしのぎちゃんに限ってそれはないか……」
ばにら「でしょ?」
「全力全開の本気で歌って、あぁなんだから」
「同期としてもなにも言えないんですよ」
ずんだ「待って?」
「もしかして難しい曲を歌おうとしてない?」
「ウェカピポとか!」
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捕捉 ウェカピポ
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V界隈ではなにかとよく歌われるHIPHOPソング。
日本語歌詞だが、割と本格的な曲調で歌う難易度が高い。
ネタで歌ったり、完コピで歌ったりと、その幅は広い。
ちなみに志摩ぱるけは、朗読ソフトに歌詞をぶっ込み歌わせるという、『朗読ウェカピポ配信』で一世を風靡した。(どんな頭してたらそんなこと思いつくんだ)
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ばにら「歌ってました。大好きだそうです」
ずんだ「それよ! 原曲への愛は大切だけど、自分に合ったのを歌わないと!」
「無理に声を作ったり、上手く歌おうとしても、ドツボにはまるだけよ!」
「しのぎちゃんはもっと、自分の声と向かい合わなくちゃ……」
ばにら「そう思って、こっちで歌を指定したんですけど」
「かえるの歌や、めだかの学校でも、音痴になるんですよ」
ずんだ「ほな違うなぁ、もうどうしようもないなぁ(諦め)」
ばにら「……バニ」
「ぶっちゃけ、音痴も個性なので」
「しのぎにあんまり、変に気負わせたくないバニですよ」
「それはえるふもよく分かってると思うバニですけど」
しのぎ「ダメだよえるふ。やっぱり上手に歌えない」
「一緒に歌ってくれてるのに、ごめんね……」
えるふ「謝らないでしのぎ」
「それに、歌は上手か下手かじゃないよ」
「楽しく歌えればそれでいいんだよ」
しのぎ「けど、けど、隊長は……」
「三期生は、ばにらっちょ以外は、みんな歌うまで」
「ばにらっちょも、最近はちょっと歌がうまくなってきて」
「なんだかとっても肩身が狭いよ……」
えるふ「……しのぎ!」
うさぎ「……しのぎ!」
ばにら「…………しのぎ!」
「勝手に歌ヘタ仲間にすんなや!」
「ちょっとくらいは、ばに~らの方がましじゃい!」
しのぎ「酷いよばにらっちょ~!」
「しのぎと一緒に、三期生の音痴担当しようよぉ~!」
「三期生の絆じゃ~ん!」
ばにら「そんなもん、今まさにないなったわ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
完全にばにらを音痴仲間と認識しているしのぎさん。
まぁ、それも個性なので、歌ヘタ仲間で売っていくのもありですが、どうにも後ろ向きな気持ちが気になるところ。
もうちょっと、前を向いてうたみたをやることはできないのだろうか……。
さて、今回の番外編はなんか見切り発車で、けっこう迷走しているので、次回でラストでございます。歌みたを頑なに拒むしのぎに、えるふはなんと励ますのか――前のあとがきでもヒキに使いましたがぜひぜひ! m(__)m




