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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第319話 歌ヘタ養成学校 その7

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

五十鈴えるふ DStars3期生 和風エルフ


【シチュエーション】

 歌みたが苦手なメンバーのトレーニング。

 鬼のような猛特訓がはじまる……!


◇ ◇ ◇ ◇



ずんだ「しのぎちゃん、歌みたに苦手意識があるみたいね」


   「というか歌自体にか……」


ばにら「しのぎの気持ちは私もよく分かるバニですよ」


   「ぶっちゃけ、私もそんなに歌がうまくないですから」



ずんだ「私は好きよ?(唐突なデレ)」


ばにら「はいッ!!!!(引き続き、返事だけはいい)」



ずんだ「うーん」


   「ASMRであれだけえちちなキャラを演じられて」


   「マイク機材の扱いもしっかり分かっている」


   「下手するとスタッフより技術を持っているのに……」



   「どうして歌になると、あんな感じなんだろう(真顔)」



ばにら「幼稚園児のお遊戯会みたいになっちゃうんですよね」


   「一緒に歌ってくれる人がいても、変わらずそのままで」


ずんだ「歌をちゃんと覚えてないとか?」


   「いや、真面目なしのぎちゃんに限ってそれはないか……」


ばにら「でしょ?」


   「全力全開の本気で歌って、あぁなんだから」


   「同期としてもなにも言えないんですよ」


ずんだ「待って?」


   「もしかして難しい曲を歌おうとしてない?」



   「ウェカピポとか!」



―――――――

捕捉 ウェカピポ

―――――――


V界隈ではなにかとよく歌われるHIPHOPソング。

日本語歌詞だが、割と本格的な曲調で歌う難易度が高い。

ネタで歌ったり、完コピで歌ったりと、その幅は広い。


ちなみに志摩ぱるけは、朗読ソフトに歌詞をぶっ込み歌わせるという、『朗読ウェカピポ配信』で一世を風靡した。(どんな頭してたらそんなこと思いつくんだ)


―――――――



ばにら「歌ってました。大好きだそうです」


ずんだ「それよ! 原曲への愛は大切だけど、自分に合ったのを歌わないと!」


   「無理に声を作ったり、上手く歌おうとしても、ドツボにはまるだけよ!」


   「しのぎちゃんはもっと、自分の声と向かい合わなくちゃ……」


ばにら「そう思って、こっちで歌を指定したんですけど」


   「かえるの歌や、めだかの学校でも、音痴になるんですよ」


ずんだ「ほな違うなぁ、もうどうしようもないなぁ(諦め)」


ばにら「……バニ」


   「ぶっちゃけ、音痴も個性なので」


   「しのぎにあんまり、変に気負わせたくないバニですよ」


   「それはえるふもよく分かってると思うバニですけど」



しのぎ「ダメだよえるふ。やっぱり上手に歌えない」


   「一緒に歌ってくれてるのに、ごめんね……」


えるふ「謝らないでしのぎ」


   「それに、歌は上手か下手かじゃないよ」


   「楽しく歌えればそれでいいんだよ」


しのぎ「けど、けど、隊長は……」


   「三期生は、ばにらっちょ以外は、みんな歌うまで」


   「ばにらっちょも、最近はちょっと歌がうまくなってきて」



   「なんだかとっても肩身が狭いよ……」


えるふ「……しのぎ!」


うさぎ「……しのぎ!」


ばにら「…………しのぎ!」



   「勝手に歌ヘタ仲間にすんなや!」


   「ちょっとくらいは、ばに~らの方がましじゃい!」



しのぎ「酷いよばにらっちょ~!」


   「しのぎと一緒に、三期生の音痴担当しようよぉ~!」


   「三期生の絆じゃ~ん!」


ばにら「そんなもん、今まさにないなったわ!」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



完全にばにらを音痴仲間と認識しているしのぎさん。

まぁ、それも個性なので、歌ヘタ仲間で売っていくのもありですが、どうにも後ろ向きな気持ちが気になるところ。


もうちょっと、前を向いてうたみたをやることはできないのだろうか……。


さて、今回の番外編はなんか見切り発車で、けっこう迷走しているので、次回でラストでございます。歌みたを頑なに拒むしのぎに、えるふはなんと励ますのか――前のあとがきでもヒキに使いましたがぜひぜひ! m(__)m

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