第250話 アヒル・ラプソディ その2
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
羽曳野あひる DStars2期生 雑談配信が得意
大内山みるく 羽曳野あひるのママ(絵師さん)
秋田ぽめら DStars特待生 みんなのママ
【シチュエーション】
あひるのママ(絵師)が電波ソングを歌った。
その公開週のあひるの朝活配信にて……。
◇ ◇ ◇ ◇
あひる「いやぁ、かーちゃん」
「今日はよく来てくださいました」
「さっそくですけど、再生回数100万突破おめでとうございます」
みるく「いやー、どうもどうも」
「まだ出して一週間も経ってないのに」
「こんなにたくさん再生されるなんて……」
「ホント、気持ち悪い……♥」
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コメント
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:もっと! もっとください、みるく先生!
:ダメな俺たちを罵って!!!!
:その罵りは俺の病気に効きます!
:娘のチャンネルなのに容赦ない罵倒! あざます!
:ロリなのにママ! それがいいんだ!
:ダメな俺たちのママになってくれ、みるく先生!
:どうやら、ゴミ共(みるく先生のリスナー)が混じっているようだな
:あひ友兼任のゴミ共は多いからな
:みるく先生が出てきたら、これはもう仕方ない
:どっかの特級呪物とはえらい扱いの違いだ
:貴重な女性絵師&女性VTuberだから仕方ないだろ
:そうだそうだ
:今日はぽめしゃがいないから、特級呪物もいなくて平和だなぁ
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みるく「あー、また先生のことを悪く言って」
「みなさん、あんまり特級呪物って、馬鹿にしちゃダメですよ」
「あの人はあれでも……」
「大手出版社で連載持ってる漫画家さんで」
「コミケでも壁サークルで」
「お嫁さんは人気VTuber」
「お子さんもちゃんといる」
「君たちと違って、勝ち組男性なんですから……♥」
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コメント
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:やめて! みるく先生! それ以上はやめて!
:特級呪物より、ダメだという現実を突きつけないで!
:俺たちの下に奴がいる……そう思いたかったのに!
:気づきたくなかった……!
:そうだよな、普通にあの人勝ち組なんだよな
:かわいい嫁に、支えてくれるファン、圧倒的な画力
:ぽめちゃんが惚れた男っていう時点で、俺たちとは違う
:バーチャルな女性を眺めて、悦っているゴミ共より次元が上
:どうして…… どうして……
【スパチャ 1万円: 私も、妻と出会うまでは、みなさんとそう変わらない人生を送っていました。人間、どこで運命の相手と出会うかは分かりません。毎日を懸命に生きていれば、それでいいと思いますよ】
:と、特級呪物!!!!
:いたのか、あひるの配信に!!!!
:ちくしょう! 完全に上から目線でものを言いやがって!
:その無意識に滲み出る「俺はお前たちとは違う感」が腹立つんだよ!!!!
:ぽめちゃんに拾われなかったら、今も島中イラストレーターのくせによう!
:マウントとってくんじゃねえ
【スパチャ 5万円: じゃあ、どう言えばいいんだよ! 君たちは……!(怒)】
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みるく「あ、先生も見てたんですねぇ~?」
「ご無沙汰してます、お元気ですかぁ~?」
「また今度、某社の謝恩会でよろしくお願いします~!」
あひる「かーちゃん! これ以上リスナーを煽るのやめてもろて!」
「というか、ぽめしゃの旦那さん、出番はもうちょっと後だよ!」
「あーもう!」
「かーちゃんのせいで、段取りが台無しぃ~!」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「この後、ぽめら先輩も呼んでたんですかね?」
ずんだ「みたいね」
「でなきゃ先生がスタンバってるわけないし」
ばにら「それを知ってて、みるく先生も弄ってきたんですね」
「怖い人だなぁ……(白目)」
ずんだ「みるく先生くらい図太くないと」
「イラストレーターのお仕事も大変なのかしらねぇ」
「実際、ぽめらの旦那さんとは、雲泥の差があるわけだし」
ばにら「……たしかに」
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捕捉 みるく先生とぽめらの旦那のお仕事状況
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○みるく先生
・大手出版社でラノベイラストレーターとして活躍中(担当多数)
・担当作が最近アニメ化&ヒットしている
・コンシュマー向けゲームのキャラデザを担当
・コミケでシャッター前
・歌った曲がバズってる(NOW)
○ぽめらの旦那
・大手出版社で「嫁との日常」を描いたエッセイ(4P)を月刊連載
・老舗エロ漫画雑誌で、隔月単位で作品を発表(単行本はまだ)
・コミケで壁サークル
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底辺かと思いきや、割と勝ち組な特級呪物。
とはいえ、あひるのかーちゃんには及ばない。
イラストレーターの世界も残酷なのよね……。
このあたり、ちょっと掘り下げた話なんかを、書いてみたいなと思いつつ(ぽめちゃんと呪物の馴れそめとか、VTuberになった経緯とか)、それよりはやく本編を……という感じで手が止まっております。
ほんと、いつになったら本編書けるんだろう。(ノベライズのお仕事が思った以上に忙しくて、スケジュール確保だけでひいひいです)
特級呪物の身の上に同情したり、嫉妬したりと、いろいろあるかと思いますが、不器用なだけでいい奴なんで、許してあげてください。あと、よければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m




