第207話 生駒すずは四人いる その8(ラスト)
【登場人物】
生駒すず DStars1期生 JKお狐VTuber
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
凸後、特に見たい配信もないため、
ずんだにボイスチャットをかけるばにら。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「いやもう、本当に今日はびっくりしましたよ」
「うみが三人いる……って!」
「いや、まぁ、最後はちゃんと判りましたけど!」
ずんだ「すずもぽめらも悪ノリし過ぎよ」
「あの二人をのせちゃう、うみもたいがいだけれど」
ばにら「あー、うみは人たらしですからね」
「しかし、すず先輩の声マネは本当にうまかったなぁ……」
ずんだ「ぽめらも悪ふざけしなければいい線行くんだけどね」
「たしかに、すずの声マネは似てたわ」
ばにら「多才ですねすず先輩って」
「ゲームもできて、トークもできて、声マネとかキャラのモノマネも得意で」
「本当に――VTuberとしての完成度が高すぎる」
ずんだ「そうよねぇ」
「配信に必要なスキルを全部持ってる」
「もし、生まれてくるのがもうちょっとはやかったら」
「天下を取っていたのは、生駒すずだったかもしれないわ」
ばにら「いやいや、今からでも狙えるでしょ」
「ばに~らもうかうかしてられないバニよ」
ずんだ「まぁ、現トップに隙がないこの状況じゃ」
「ちょっと下剋上は無理っぽいけどね」
ばにら「しかし、声マネでこんな再生数稼げるなんて、すごいですよね」
「…………ハッ!」
ずんだ「どうしたの花楓?」
「急にそんな探偵漫画の主人公みたいな声なんか出して?」
ばにら「私、分かっちゃったかもしれません」
「やっぱり、すず先輩は――四人いるんですよ!」
ずんだ「な、なんですって!」
―――――――
捕捉 生駒すず四人説(疑惑)
―――――――
どう考えても、VTuberとしての活動量が異常な生駒すず。
これだけヘビーな配信をこなせるのは、絶対になにかあるに違いない――という疑惑から生まれた説である。四人の生駒すずが代わる代わる配信しているので、これだけ無茶な配信をすることができる……という理屈である。
もちろんネタなのだが――。
―――――――
ばにら「うっかりしていたバニですよ」
「生駒すずが四人もいるわけない」
「人類のクローン技術は、そこまで到達していないって」
「そう思っていたバニです」
ずんだ「うっかりってどういうこと?」
「まさか、私たちが何か見落としていたっていうの?」
ばにら「美月さん、よく考えてみてください」
「生駒すずはVTuber……」
「実在する人物ではないバニですよ!(ドヤ)」
ずんだ「つ、つまり⁉」
ばにら「クローンなんて必要ない」
「最初から、声質の似ている四人の人間が集まって」
「一人のキャラクターを演じればいいんですバニ!」
「そうすれば、一人が配信している時に、もう一人は休める!」
「人の倍でも四倍でも、配信することができる!」
「生駒すず四人説は俗説なんかじゃない!」
「本当だったんだバニ!」
ずんだ「なんてことなの……」
「完全に騙されていたわ!」
「そうね、たしかに花楓の理論なら、理屈上四倍の行動も可能!」
「すずの四回行動が合理的に説明できるわ!」
ばにら「謎はすべて解けたバニ!」
「やっぱりすず先輩は四人居たんだバニ!」
「一刻もはやく、このことをBちゃんたちに伝えないと――!」
ずんだ「待って花楓! それは早計よ!」
ばにら「なんで止めるバニですか、ずんだ先輩!」
ずんだ「そんな重要なこと――」
「会社側が知らないと思うの?(ガチトーン)」
ばにら「はっ!!!!(迫真)」
「まさか、すず先輩が四人いることは、会社も了承済み⁉」
「会社ぐるみで、四人で一人を演じさせているバニか⁉」
ずんだ「そう考えるべきでしょうね……!」
ばにら「くっ、既に会社もすず先輩の魔の手に」
「いったいばにらたちはどうすれば!」
ずんだ「落ち着いて花楓。まずはそう、ゆっくり深呼吸をして――」
「寝なさい(怒声)」
ばにら「…………はい(しょんぼり)」
「わるふざけして、すみませんでした」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
四人のすずちゃんが代わる代わる配信をしている。
生駒すず4人説(疑惑)。
なんてものが出ちゃうくらいに活動的。
人生のほとんどの時間を、配信に捧げているVTuber。
その配信にかける情熱は本物。
DStarsの一期生筆頭&特待生リーダーとして、これからも彼女はグループを引っ張っていくことになるのでしょう。時に、ずんだから圧をかけられたりしながら。
VTuberっていろんなスタンスの人がいて面白いですよね。すずちゃんみたいな、わちゃわちゃ系VTuberって推せるなぁ――と思った方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしく!m(__)m




