第99話 プリンセスばにら その7(ラスト)
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
KMT FPSつよつよリスナー ヘラってる
たたたたた FPSつよつよリスナー 言動が完全におっさん
【シチュエーション】
川崎ばにらリスナー参加型L4D2企画。
感動のエンディング。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「えー、ということで」
「一回戦目は『最後の最後でばにーら死亡』ということで」
「残念な結果になってしまいました――が!」
「ずんだ先輩! KMTちゃん! たたたたたさん! 生還おめでとー!」
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コメ欄
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:てのひらくるくるかよw
:さっきまでの荒ぶりはどこへいったばにーら
:この切り替えの早さもばにらよ
:最後はちゃんと健闘を讃えないとね
:みんなおつかれサマー
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ばにら「最後に一人ずつ感想を聞いていきたいと思います」
「まずは――ずんだ先輩! どうでしたか!」
ずんだ「…………はい」
「ずんだは、百合営業相手のばにらちゃんを助けたくて」
「この企画に飛び込み参加しました」
「けど、最後の最後で、あんなことになってしまうなんて……!」
「ばにらちゃん! ごめんね! 守れなくて!(迫真)」
ばにら「さっきまで盛大にゲラってたやないですか!」
「説得力ないんですよ! ほんと、あとで家行きますんで!」
「それじゃ次は――KMTちゃん! よろ!」
KMT「はーい!」
「憧れのばにらちゃんと一緒にゲームできて楽しかったです!」
「今度やるときは、ボイチャなしでやりたいです!」
ばにら「なんでなんで? 別にいいじゃん、ボイチャありでも!」
KMT「あー」
「ウチ、あんまり自分の声が好きじゃなくって」
「気を抜くと平泉○になっちゃうんで」
ばにら「そんなことないバニよ」
「KMTちゃんの声は女の子っぽくてかわいいバニ」
「ばにーらは好きバニよ。平泉○のモノマネも含めて」
KMT「…………」
「ちょっ、やめてよばにらちゃん! ほんともう……!」
「時間だから抜けるね! それじゃあね! バイビー!」
ばにら「ありゃ、切っちゃった」
「なんだかんだで良い子だったなKMTちゃん」
「またリスナー企画やるときはぜひ来てね! 待ってるよー!」
「さて」
「たたたたたさんは、どうでしたバニ? 怒濤のスナイプでしたが?」
たたた「いやー、久しぶりにL4D2できて最高でした」
「最後ね、ばにらさんを守れると良かったんですけど」
「申し訳ねーなーって思ってます」
ばにら「いやいや、あれは、ばにーらの自業自得バニ」
「それより楽しんでくれて嬉しいバニ」
「また機会があったら、遊びに来てくれバニな」
「それと……なんだっけ、お店の名前?」
たたた「『らいおんらーめん』です」
「今、流行りのUberもやってるんで、よかったらよろしくです」
「それじゃ、私もこの辺りで……」
「これからも応援してます! 頑張ってください!」
ばにら「ありがとばにー!」
「さぁ、それじゃそろそろ二回戦と行きやしょうか――」
◇ ◇ ◇ ◇
【シチュエーション】
収録終わってずんだの家で反省会中。
ばにら「本当にすみませんでしたァ!!!!(平謝り)」
ずんだ「準備不足よ」
「アンタね。あんな無様なプレイングじゃリスナーに迷惑かけるでしょ」
「今日はたまたま、私や、KMTちゃん、たたたたたさん、みたいな」
「熟練者がいたからなんとかなったけど」
「リスナー企画はこっちがホスト。おもてなしする側なんだから」
「ちゃんと事前準備しときなさい」
ばにら「……はい!(良い返事)」
ずんだ「まぁけど、いい雰囲気で終われてよかったじゃない」
「二回戦目も……ちょっとトラブルあったけれど無事に進んだし」
ばにら「ですね」
「けど、やっぱり初回がよかったのかなぁって」
「参加してくれた、KMTちゃんと、たたたたたさんが」
「いい感じに空気を読んでくれて」
ずんだ「そうよね。二人ともVTuberの間合いを分かってたわ」
「感じよくトークを回してくれたの助かったわね」
ばにら「ねぇ」
「二人とも、VTuberとかやらないのかな」
ずんだ「才能ありそうよね」
「どうする? 二人とも女の子だし? ウチの事務所に入って来たら?」
「ばにらせんぱーいって、弄られちゃうわよ」
ばにら「わぁ、それは勘弁バニな……」
「けど、ちょっとたのしそうw」
◇ ◇ ◇ ◇
KMT「…………やめてよばにらちゃん」
「ウチの声、かわいくなんかないし」
「大嫌いなのに」
「そんなこと言われたら、せっかく諦めたのに考えちゃうじゃん……!」
手 紙『DStars4期生スカウトのお知らせ』
◇ ◇ ◇ ◇
たたた「とーちゃん! 仕込み終わったよ! 休憩入ってくる!」
たた父「おーう!」
「そういやお前、昨日は遅くまでなにしてたんだ?」
たたた「久しぶりにゲームしてた!」
たた父「…………」
「いいんだぞ? お前も好きなことやって?」
「別に、俺は一人でやっていけるんだから」
たたた「アタシはこのラーメン屋が好きなの」
「それに……時代について行くのに疲れたから」
「ロートルはロートルらしく消えなくちゃ……」
「この店みたいにさ!」
たた父「てめぇ、こら! ウチの店がボロって言いたいのか⁉」
たたた「んじゃ、休憩行ってきまーす!」
たた父「ちゃんと休んでこいよ!」
たたた「……久しぶりに楽しかったなぁ」
「VTuberかぁ」
「そういう生き方もあるんだ」
「まっ、ちょっとFPSを囓っただけのラーメン屋の小娘にはムリかw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
KMTの正体は、まぁ、お察しですよね。
三部でばにらが組むことになるかりんちゃんです。
ばにらの言葉に後押しされ、自分もやれるだろうかと一歩を踏み出した彼女。そんなかりんと――ばにらがどう接していくか、楽しみにしていただけたらなと思います。
そして、もう一人のリスナー「たたたたた」さんは、ラーメン屋・ライオン・ゲラ・さっぱりとした性格から、元ネタ見てる人にはよく分かる人物だと思います。彼女もまた、ばにらとの出会いを経てこちらの世界に踏み込んで来そうですが、どう絡んでくるのか……。
ヒントはお店の住所。
というわけで、第三部の伏線をしこたま仕込んだ番外編でした。正直、「三部やれんのか?」みたいな忙しさ&疲労になんですが、なんとか頑張ってみようと思いますので、作者がんばれという方は応援&評価&フォローよろしくです!m(__)m




