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東方探索録  作者: ケート
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第0話 幻想郷紅魔館の朝

どうか最後まで読んでください。短かめにしております。

大きな音で目を覚ました。

館は小さく揺れている。外はまだ明るくなり始めたばかりで、起きるには早過ぎる時間だと思う。

メイド服に着替え、門番の様子を見に行く。道中で、少女に会う。いつもはまだ寝ておられる時間だが、さっきの轟音で起きたのだろう。今日も素敵なお姿だ。

「おはよう御座います。お嬢様。」

「あら、おはよう。随分と早いのね。」

お嬢様の声が耳に沁み込む。とても心地良い。

「先程の音で…」

「そうだったの。それは災難ね。まだ眠いでしょう。」

お嬢様が私を労って下さった。心が跳ねる。

「いえ、大丈夫です。お嬢様も、まだ寝ていて大丈夫ですよ?」

「そうね。まだ眠いし。そうするわ。」

お嬢様はそのまま私の横を通り、部屋に戻られた。とても良い匂いがした。今日はきっと良い日に違いない。眠そうにしているお嬢様はこの世の何よりも美しかった。思わず口角が上がる。お嬢様の前でニヤけて無ければ良いが。

館の外へ出た。外は微風が吹いており、涼しくて室内より居心地が良かった。

正面に大きな噴水があり、その向こう側に門がある。門番の姿はまだ見えない。噴水は先程の轟音などなかったかの様に静かに立っている。水は、流れると言うより、空中で静止しているかのようだった。

噴水の脇を通り、門を見る。門番が立っていた。真っ直ぐ前を見ており、よく見ると門に体重を乗せている。

門を静かに開ける。門番は後ろ向きに倒れるかと思っていたが、そこに門があるかの様に、少し重心を後ろに傾けて立っている。

門番の正面に立ったが、私に気がつく様子はない。目は閉じていて、呼吸は遅く浅い。寝ているのだ。

門番が寝ている。これは大問題だ。しかも今月で34回目だ。許されるべきではない。クビにするべきだ。だが、クビにならないのは、これでも能力を持った知性のある妖怪だからだ。吸血鬼であるお嬢様は、私以外の人間を雇わない。人間は寿命が短く、能力を持つことが少ないからだ。私も能力を持った人間は片手で数えられる程しか知らない。

私は今からこの門番にどの様な罰を下すか考えた。門番はコイツしかいないので、手短に終える事にした。

私は時を止めた。コイツの頭だけを動ける様にして。

そしてそのアホ面に全力のビンタを叩き込んだ。

「咲夜さん?!」驚いている。いい気味だ。気も澄んだし、そろそろ罰を伝えるとしよう。

「私が貴方に与える罰は

3年間の移動禁止よ。」

私は時間を動かした。

目の前の妖怪は何も変化していない。当然だ。寿命約百年の中の三年だ。何も変わらない。

「もう二度とあんなのごめんです。」

「貴方からその言葉を聞くのは今月だけでもこれで34回目よ。一日に5回は言ってる。」

「もっと別の罰を考えましょうよ。」

「別の門番が見つかったらね。」

「またそんなこと言う〜」

「じゃ、私は館に戻って朝ごはんの準備の様子を見に行ってくるから。」

「はい!お疲れ様です!」

「……なんか嬉しそうじゃない?」

「いえいえ!行ってらっしゃいませ!!」

最後まで読んで頂き誠に有難う御座います。

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