死神と入学初日
アンシュー学園の実技試験が終わってから1か月がたった。もちろん僕は入学試験を無事にSクラスで入学することが出来た。筆記試験の方の自信は無いので、きっと実技試験で試験管をボコボコにしたのが良かったのだろう。
ちなみに、あの後あの男には約束通りに土下座をしてもらった。とは言え、あの試験管は僕の攻撃で気絶していたので、今度は腹を蹴り上げて無理やり起こした後に服を脱がして土下座をさせた。
まだ実力差が分かっていないのか土下座をしながらもこちらを見る目は怒り心頭だった。そして、この試験管の土下座ショーは頭が高いと言って僕が奴の後頭部を踏みつけてフィールドに頭を埋めこんだことで終了した。
実はこんなことを回想している今日が入学式だったりする。さらに言うならば僕は今起きたばかりで、時計を見ればすでに入学式が開始されている時刻になっていた。まぁ、慌ててもしょうがないので、とりあえず朝食を取るためにホテル内のレストランでバイキングを頂くことにする。
ホテルで朝食を頂き準備を終えた僕は学園に向かう通学路を歩いていた。正直言って僕以外で初日から遅刻するような奴は少ないだろう。なぜならここアンシュー学園は王国最高峰の教育機関であり、この学園を目指す生徒はある程度真面目で学ぶ意欲を持っているものが多いからだ。なので初日から遅刻するような奴はそうそういないだろう。
そんなこんなで10分程歩いたところで目的地のアンシュー学園に到着した。やっぱり、学園から家が近いのはとても便利だ。学園に通うのに30分かけたりとか無駄な時間は使いたくないからな。にしても、入学試験の時も思ったが改めて見ると国内最高峰というだけあって大きなキャンパスである。
ここに各国から集まった優秀な生徒がたくさん来ているのだろう。勇者を見るのも楽しみだが、他にも面白い物を見ることが出来るのかと考えると楽しみが膨らんでいく。そして、当然だが勇者という存在をこの目で見ることが出来るのも楽しみ一つだ、なんせ初めて見る異世界人なので僕の知らないことを色々知ってるだろう。それは、食文化から歴史から様々なことが異なる可能性があるので、接触するのが楽しみだ。後は、勇者が現状どれほどの実力で、今後どのような成長をするのか確認出来るのも楽しみである。
こうやっていざ学園生活がスタートするという段階になって、僕は思ったよりもアンシュー学園に通うのを楽しみにしていたのだと実感した。うん、これからの生活が楽しみだ。