死神とペア作り
「このグループの試験管を担当するランダル・デルハートだ。優秀な貴族諸君の力を見せて貰えればと思う。」
僕のグループの試験管が平民嫌いの貴族だと噂されていたけど、どうやら噂ではなく本当のようだ。最初の発言から平民を無視しているし、あの表情や態度を見ると自分の実力と血統に自信があるのだろう。
ただ、後ろにいて採点を行うのだろう試験管は公平に点数を付けてくれそうな雰囲気があるのは良かった。もう一人の試験管は金髪ロン毛男の態度に嫌そうな顔していたし問題ないだろう。
ちなみに実技試験は3人一組でロン毛との摸擬線を行う方式のようだ。
「それでは各々ペアを作り、作り終わったらその場所に整列してまっていてください」
ロン毛じゃない方の眼鏡をかけた女性からペアを作るように指示が出された。とは言え、僕には知り合いなんていないので、適当に近くの受験生に声をかけることにする。
「初めまして、僕の名前はストラード・モーリオット。良かったらペアになってくれないかな?」
「えーと、大丈夫ですよ。ただ、彼女が一緒でも大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
僕は横にいた金髪碧眼の女の子に声をかけることにした。誰だってゴリラみたいなやつとパーティーを組むよりも、美少女とペアを組みたいものである。そんな彼女にペアの有無を聞いたところ了承を貰えた。ちなみに、彼女の連れは茶髪をミディアムボブにした可愛らしい顔立ちをした女の子だった。
「それでは、改めてよろしくお願いします」
「よろしくお願いします。そちらの方も」
「……」
最初に声をかけた金髪碧眼の女の子が挨拶をしてくれたので、それに合わせて挨拶を返しながら、茶髪の女の子にも声をかけたが返事は無かった。
「ごめんなさい、この子少し人見知りなんです」
「大丈夫ですよ、それよりもお二人の名前を教えて頂いてもいいですか」
「はい、私はリザベット・エルネストと申します。彼女は私のメイドでアリエマです」
「では改めて、僕の名前はストラード・モーリオットと言います。短い時間かもしれないですが、よろしくお願いします。」
『各自パーティーを組めたようなので集合してください』
と女性の試験管からアナウンスが流れたので僕たちは集合場所に向かう。どうやらお互いの戦い方を把握する時間あまりは設けられないようだ。だた、僕としてはペアの子の戦い方なんて知ってても知らなくてもどうでもいい、別にあの試験管ぐらい余裕で倒せるしね。
どうやら実技試験の順番は受験番号の若い人がいるチームから呼ばれるようで、何とこのグループで一番に番号が若いのはリザベットだった。そのため、ただでさえ少ない打ち合わせ時間が他のグループより少ない。まぁ、個人的には速く帰れることが出来るので嬉しい限りだ。そこはリザベットに感謝しておこう。
そして僕たちはこれから試験を行う実技フィールドに向かった。