死神と到着
僕は異世界から召喚された勇者を観察するためにルセイヤン王国にあるアンシュー学園に向かうために10日ほど馬車に乗っている。あと2日もすれば目的地に着くだろうし、もうそろそろこの馬車生活ともおさらばだ。とは言え、わりかし良い馬車に乗っているので、そこまで嫌なこともないのだが。
向こうについてからの問題は筆記試験と宿を探すことだな。まぁ、金はあるし生活で困ることはないだろう。
ちなみに、勇者は一人なのかというとそうではなく、3人いて女2人に男一人らしい。ルセイヤン王国は国民に勇者の存在を秘匿しておらず、魔王軍に対抗する希望の星として期待されてるようだ。
それから勇者のクラスはSクラスと決まっているらしい。アンシュー学園のクラスはD~Sクラスまであるので、勇者は当然のように最高位のクラスに無条件で所属することが出来るらしい。
本当に羨ましいかぎりだ、何たって僕は筆記試験を受けない行けないんだからね。しかも、勇者と同じSクラスにならないといけないいう腐った条件。はぁ~、僕もドブドブに腐ったコネでSクラスに入りたい。
※※
あれから馬車に揺られながら二日間過ごした僕はルセイヤン王国に到着していた。さすがは大国であるルセイヤン王国ということもあり、周りにはここは熱帯地域かというぐらい人人人と同じく王国に入ろうとしている奴らが群がっている。涼しい時期のはずなのに、こんなに暑いのはまさに人の群れのせいだ。きっと僕と同じようにこのアンシュー学園の入学試験を受けに来た奴もいっぱいいるのだろう。
ちなみに、王国に入るには身分証かお金がかかるが、貴族には専用スペースがあり、そのスペースからスイスイと障害物を感じることなく王国に入国することが出来る……
今度、貴族が群がってるときにあの門周辺を破壊してやろうかな。でも、逆に考えると人が少ない分だけ暗殺がしやすいんだけど。
門番という名の社畜からの検問を無事に通過した僕はとりあえずこれから生活する宿を決めに行く。何だかんだ門番は暑苦しい中、人の対応を一日にしなければいけないから個人的には大変な仕事なんだろうなと思っている。というか真面目に労働している人の精神力は凄いと思う、だって僕なら二日目には行かなくなってそうだからね。
ここで宿の話しに戻るのだが、候補としては二つ考えていて、高級ホテルに泊まるか家を購入するかだ。まぁ、もうどっちにするかは決めている。とりあえずはホテルの方が楽な生活が出来そうだし、宿泊先はホテルする。別に途中から家を買ってもいいわけだし。