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白と悪魔と  作者: りあん
第三部 繋がる命と共存の悪魔
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ep81.混乱の数々

 ――電気を付けて映った光景…

 ホワイトは腹から血を流していた。


「こんな怪我…この位置…まさか……」


 ホワイトの一つの考えが頭によぎる。


「…夢で受けた攻撃が…現実にも…!?」


 ホワイトが起き上がる。


「っ…まだ血出てる…ひとまず止血しないと…!」


 ホワイトが自身の腹に回復魔法をかける。


「確か包帯が…あった…!」


 ホワイトがリビングにある包帯を取り、自身の腹が見えるように服を少し脱ぐ。


「っ…傷口もできてる…でも…体内に銃弾が入っている感じはしない…」


 ホワイトが疑問に思いながらも自身の腹に傷口を塞ぐように包帯を巻く。


「…これでひとまず…大丈夫かな…。後は…手に付いた血を…」





 ――翌日の朝…


「ホワイト、おはよ」

「…おはよ」


 ホワイトが目を擦る。

 ボサボサになっているホワイトの髪をミカが見る。


「…眠そうだね?髪ボサボサだし、整えてあげるよ」


 ミカがホワイトの髪に触る。


「…うん、お願い」


 ホワイトとミカが洗面所の方へ向かう。




「ホワイトの髪は長いなぁ。手入れは大変そうだけど、色々な髪型似合う気がする」

「…この髪の長さはお母さん譲りだから…」

「そっか」


 ミカがホワイトの髪を整える。

 ホワイトの髪はボサボサな物から一気に綺麗な毛並みになる。


「結ぶ?結んでもあなたは可愛いと思う」

「…いや、結ばない。そういうミカは…髪伸ばさないの?」

「うーん…団長に拾われてた時は髪が長かったみたいだけど…今はいいかな。髪が長すぎると戦闘にも支障が出るし…」

「…そっか」


 ホワイトがそう言うと、ミカが洗面所に付いている血を確認する。


「あれ、血付いてる」

「…!」

「なんだろ、これ――」


 ミカがそう言うと、ホワイトが水を出して血を洗い流す。


「ホワイト?」

「ミカ…今のは…ただの汚れだよきっと…」


 ホワイトが嘘をつく。


「…?そうかな。あたしには血に見えたけど…」

「ミカ…?疲れてるんじゃないの…?ちゃんと寝れた…?」

「うーん、そうかも」


 ミカが自身の目を触る。

 ミカも内心眠たそうにしていた。


「慣れない場所で寝るのは大変だよ…あたし、枕変わると寝れないタイプだし…」

「あ…そうなんだ…」

「うん。だから汚れが血に見えただけかも」

「…良かった」


 ホワイトが安堵する。

 ミカがホワイトの髪を整え直す。


「…はい、終わり。ホワイトの髪、綺麗に整えれたよ」

「あ、ありがとう…!」

「ん、お安い御用だよ。旅の最中だとしても…見た目や身体はちゃんと整えなきゃね」

「…そうだね」


 ホワイトが下を向く。


「ねぇ、あたしのもホワイトに整えて貰いたいな」

「………」


 ホワイトが下を向き続ける。


「ホワイト?」

「…え?えっと…何…?」

「えっと、あたしの髪もホワイトに整えて貰いたいなって」

「…あ、うん。やらせて」


 ホワイトがミカの後ろに移動する。

 ホワイトがミカの髪に触れる。


「…ミカの髪、凄くサラサラだ…ずっと戦ってきた人とは思えないくらい…」

「まぁ、髪だけは整えてたからね。あんまり化粧とかは分からないや」

「…そっか」


 ホワイトが手を止める。


「…ホワイト?」

「…あ」

「どうしたの?眠いの?」

「う…ううん、そんな事…いや…ちょっと眠いや…」


 ホワイトが目を擦る。


「そっか。出発はもう少し遅らせる?」

「…それより…あの人の授業が始まる前に先生の元に行きたい」

「先生の元…学校って事?それは良いけど…どうして?」

「昨晩の…あ、いや…もう一度確認しておきたい事があって…」

「もう一度確認か、了解」

「…うん」

「あたしも行っていい?ブランさんとルーナさんには会えない事が分かったし」

「あ…いや…私一人で行くよ」

「そう?でも他に行くところないしなぁ…」

「…じゃあ、来て欲しい」

「ん、了解」





 ――エストレージャ魔力学校の前まで移動するホワイトとミカ。


「来たね、昨日はホワイト一人で来たけど、今日はあたしもいるし…何よりホワイトの先生は気になるなぁ」

「…そうだね」


 ホワイトが微笑する。

 ミカから見て、ホワイトの笑いは元気のない物だった。


「…元気ないね、どうしたの?」

「あ…えっと…」

「もしかして…先生と喧嘩したとか?」

「っ…そんな事ない…!先生は凄く優しくて…喧嘩なんてそんな…!」

「まぁそうだよね、ホワイトが誰かと喧嘩している所、あんまり見た事ないや」


 ミカが腕を組む。


「ホワイトさん」


 二人の後ろからサザナが現れる。


「先生…!」

「…と、そちらの方は?ホワイトさんのお友達かしら?」

「あ、はい。今はホワイトと一緒に旅してるミカと言います」

「ミカさん、宜しくね」


 サザナがミカの方を見て微笑む。

 その後、ミカの目を見てサザナが目付きを変える。


「あら…あなたの魔力…」

「…ん?」

「ちょっと気になるわね…あなたの魔力に関しては…」

「えっと…どういう…?」

「ミカ、サザナ先生は魔力を詳しく感知できる魔力を持ってるんだよ」

「魔力を詳しく…つまり、相手が何型の魔力を使えるかみたいなのが分かるって訳か」

「そうなのよ。それにしても…ミカさんの魔力は不可解な事が多いわね」

「不可解…か」


 ミカが目を細める。


「あんまり模索しないでくれると、助かります」

「…あら、そう。承知したわ」

「ミカ…?」


 ホワイトが首を傾げる。


「話せる範囲で言うなら…あたしは素材があればその素材を元に物を作れる魔力を持ってます。例えば…ラッシュ師団団員が使う銃や剣などの武器とか、基地内にある工具や機材もあたしが担当してた時がありました」

「へぇ…なるほど。素材を元に…素晴らしい魔力ね」

「ありがとうございます」

「プライバシーは…聞かない方が良いわよね?」

「…まぁ、はい。ホワイトの先生も、プライバシーに関しては踏み込まれたくはないですよね?」


 ミカが少し圧をかけて話す。


「え?まぁ…私はそんなにって感じね…。今は仕事が私の生き甲斐だし、プライバシーとは言っても、私は旦那との時間以外は特にそんなに…」

「…へぇ、立派な仕事人ですね。あたしと同じだ」


 ミカが腕を組む。


「ミカさんと同じ?」

「あ、いえ、こっちの話です」

「そう」

「サザナ先生…少しお伝えしたい事が…」

「あら、ホワイトさん。どうしたの?」

「えっと…」


 ホワイトがミカの顔を横目で見る。


「ミカごめん…サザナ先生と二人で話したい事なの」

「二人で?まぁいいけど。そこらへんで待ってるね」

「…うん、ごめん」


 ホワイトがそう言うと、ミカがその場から離れる。


「…で、二人で話したい事って?」

「実は昨晩…私の身体に異変が起きて…」

「身体に異変?」

「これ…」


 ホワイトが服を少しめくり、腹の包帯を見せる。

 その包帯には血が少し付いていた。


「…!出血…してたの…?」

「…はい」


 サザナがホワイトの包帯に触れる。


「…ただ怪我したから出血って訳ではなさそうね。何か変わった事が…?」

「…夢を見ました。しかもそれ…死んだ人が出てくる夢で…しかも…私がよく知ってる人でした…」

「夢…死んだ人…なるほど…」

「そして…その人は私が…殺めてしまった人で…」

「…!ホワイトさんが…!?」

「………」


 ホワイトが下を向く。


「…ホワイトさんが殺しをした理由…ネオカオス…ね」

「…そうです。ネオカオスの…絶壁のメタリーと呼ばれる存在…それが私の夢の中に…」

「…なるほど」

「そして…そのメタリーに夢でお腹を撃たれて…それと同じ傷が現実にも…」


 サザナが腕を組む。


「あなたのその傷に触れて分かった事があるわ。一つは…その傷からホワイトさんやお母さんと似た魔力を感じる。繋命と一緒な可能性が一番高いわ」

「繋命と同じ魔力を…傷から…?」

「私の推測が正しければ、繋命の影響で夢で受けた攻撃が現実にも共有…されているって事になるわね」

「っ…」

「…他にもあなたを恨んでいる子や…逆にあなたが手にかけた子で死亡者に心当たりはあるかしら?」

「死亡者に心当たり…はっ…」


 ホワイトがジハとスピアの顔を思い出す。


「っ………!」


 ホワイトの身体が震え始める。


「…その様子だと、とんでもない人が心当たりあるのね」

「あ…あ…嘘………そんな…」

「…繋命、夢を介して死んだ人に会えるって能力、一見素晴らしい魔力に見えてこういうデメリットがあり…しかもその規模が大きすぎるわね…」

「っ………サザナ先生…このまま私は…繋命の力で誰も守れず…繋命のせいで誰かに…殺されちゃうんですか…」

「…対策を考えないと行けないわね。夢を介してのみ発揮だから寝ない…って選択肢はあなたの身体に毒だわ」


 サザナが指を咥える。


「っ…先生…!」


 ホワイトがサザナの目を見る。

 ホワイトの目から涙が出ていた。


「…大丈夫、あなたの事…絶対守って見せる…!」


 サザナがホワイトの肩に手を乗せる。


「先生…」

「一応だけれど、一旦の対策がない訳ではないわ。例えば…薬を開発している先生がこの学校にはいるわ。その先生は例えば…夢を見る事ができないくらいぐっすり眠れる薬を開発してたり…」

「…!」

「私もその先生の薬のおかげで…悪夢に悩んでた頃助かってたわ」

「その先生…紹介して下さい…!」

「ホワイトさんも知ってる人よ。ただちょっと危ない人だけれど…」


 サザナが苦笑いする。


「知ってる人…危ない人…?」

「うーん…まぁホワイトさんならなんとかなるか」

「ちょっと…なんとかなるってなんですか…」

「危ない人だけどホワイトさんなら大丈夫。彼なら今日は授業は昼からだから朝は研究室にこもってるんじゃないかしら?」

「…とりあえず行ってみます」

「うん、くれぐれも魂を奪われないように気を付けてね。あ、寝不足なホワイトさんに一つ言っておくけど、仮眠室使っていいからね」

「はい、仮眠室使わせ…魂…!?」


 ホワイトがそう言うと、サザナは早々に去っていく。

 早々に去っていく姿にホワイトはナギサの面影を感じていた。


「逃げるの早…やっぱあの人の姉だなぁ…」

「ん、終わった?」


 ミカがホワイトの方へ近付く。


「…ミカ」

「ん、どしたの?なんか顔色悪いけど」


 ホワイトは少し震えながら、ミカの方を向く。


「…私、魂抜き取られるかも……」

「…は?」




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