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白と悪魔と  作者: りあん
第二部 可能と不可能の根源
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ep79.謎の解明に向けて

 ――数日が経った。

 ウィッシュ城下町にて…


「………」


 ホワイトが城下町内を歩いていた。


「繋命の力…今もだいぶ扱えるようになってきたけど…まだまだかな…」


 ホワイトが腕を組む。


「そういえば…あの時お母さんが…今まで自分が触れてきた物だったら、対象が死んだ後も干渉できる力って言ってたけど……」


 ホワイトが空を見上げる。


「対象が生きてる状態でも干渉できたりは…しないのかな…?」


 ホワイトが指をくわえる。


「でも、それができたら…例えば行方不明者とか探すのが簡単だしなぁ…」


 ホワイトが再び空を見上げる。


「あれ、そういえばこの力…対象が死んだ後も干渉できる力…だけど、今の所お母さんとおばあちゃんとしか繋命で会ってない…?」


 ホワイトが首を傾げる。


「もしかして…血が繋がっている家族としか繋がれないとか…?」


 ホワイトが首を振る。


「いや、でも…お母さんが言うにはこの力は繋いでる数が多くてお母さんでもいくつか分かってないくらいって言ってたし…うーん…?」


 ホワイトが手のひらを見る。


「あれだけ鍛えたけど…まだ、繋命には成長の余地がある…?鍛えたと言っても、この世界である程度扱えるくらいになったくらいな訳だし…うーん…」


 ホワイトが歩きながら呟く。


「うーん…繋命の仕組みと言うかを知ってるのはお母さんしか知らなさそう…。でもそのお母さんも…あの時のジハとの戦いで力を使い過ぎた余り、お母さんと私の繋がりにも影響を与えてしまってるし…」


 ホワイトが頭を掻く。


「もう少し鍛えたいけど…強化する為には他にも情報がいるなぁ…」


 ホワイトが唸っていると、ミカが近付く。


「ホワイト?」

「…ミカ?」

「買い物終わったけど…一人でぶつぶつ喋ってどうしたの?」

「あっ…えっと…その…繋命について…考えてて…」


 ホワイトが顔を赤くする。

 一人言を聞かれたことが恥ずかしかった。


「あぁ。あなたの持つ不思議な魔力ね」

「ミカは…どう考えてる?」

「どうって…難しいなぁ。経歴を聞いても遺伝って感じだし…そもそも魔力って不思議な事が多いからね」

「…そうだよね、変な事聞いてごめん」

「大丈夫」


 ミカが腕を組む。


「ただそうね…あなたのお母さんくらいしか仕組みについては知らないだろうし…何かこの情報を共有している人が他に生きていればいいんだけど…」

「情報を共有…例えばどんな人が当てはまるかな…?」

「例えば…先生とか」

「先生…」


 ホワイトが何かを思い付く。

 そして、かつて自分が学生だった時の事を思い出す。


「そうだ…!ラルの街の魔力学校に通っていた時の先生…!」

「ん、魔力学校?」

「私が子供の頃…お父さんとお母さんが通わせてくれた魔力学校があってさ…担任の先生が結構不思議な人でさ…私の魔力が不思議に思っていたのか、結構気にかけてくれたんだよね…」

「なるほど…?」

「繋命について知ったのはジハとの戦いの時だったけど…もしもその前にお父さんやお母さんが先生に話してるとしたら…!」


 ホワイトが目を光らせる。


「なるほど、その先生は今どこにいるか検討は付く?」

「うーん…今も教師をやってる人だとは思うけど…ラルの街の魔力学校にはもう就いてないかもなぁ…」

「ただ、またラルの街に行く価値はありそうだね。その先生がもしかしたら、秘密を知っている可能性はあるかも。魔力学校の先生って言うからにはある程度生徒の魔力には興味がありそうだし」

「…ミカ、また付き合わせてしまってごめん」

「いや、大丈夫。あたしも丁度ラルの街には行きたかったから」

「え…なんで…?」

「ブランさんとルーナさんの事…少し気になって」

「あの二人が…でもなんで?」

「…何やら、ナジの事知ってそうだったから」

「なるほど…」


 ホワイトが指をくわえる。

 ミカは自分の姉の事が気になっていた。

 そしてそれはホワイトと同じ、ラルの街という目的地で得れるかもしれないものだった。


「そうなったら…明日行こっか」

「ん、了解」

「…そういえば、ジン君やロキ君は大丈夫かな」


 ホワイトはサキュアの復興に行った二人が気になっていた。


「ロキは大丈夫でしょ、あいつは副団長としての強さもカリスマも備えている。問題はジンだけど…」

「ジン君もサキュアの復興に行ってる訳だけど…あの時出会ったあの少女…エル…」

「…うん」

「可能の災いとの戦いは終わったのに、それを巡る上で色々謎ができちゃったね…」

「…そうね。ジンに唐突にキスしたのもかなり疑問が残るわ」

「っ…そこは…その…えっと…」


 ホワイトが顔を赤くする。


「気になる点ではあるけど…繋命とはあんまり関係なさそうだし…サキュアに行ったジン君に任せてもいいんじゃないかな…?」

「まぁ、そっか。あっちで浮気とかしなければいいけど」

「浮気っ…」


 浮気という言葉にホワイトが反応する。


「とりあえずさ、今日はもうあんまり難しい事を考えずにさ、一旦基地で休もっか」

「あ…うん」

「難しい事は、明日考えよ?」

「…うん」


 ホワイトとミカがラッシュ師団の基地へ戻る。





 ――一方、現在のサキュアにて…


「こっち運んで」

「はい」

「あ、それはこっち」


 シェールがラッシュ師団の団員を指示している。


「シェールさん、すっかり団長って感じだな」

「だな。ロキも副団長として頑張れよ?」


 ジンがロキの肩に手を乗せる。


「…まぁ、多少は頑張るよ」

「あぁ」

「…そういえばジン、お前がまたこの復興中のサキュアに来た理由は確か…この場所に行った事あった覚えがあるから、だっけか?」

「まぁ…そうだな」

「あれから何か思い出せたか?」


 ロキの言葉を聞き、ジンが額を押さえる。


「……いや、あまり思い出せないな」

「そうか」

「ただ…あの時この場所に来た際…不思議な少女に出会ってな」

「不思議な少女」

「名前はエル。何故か俺が昔殺し屋をやっている事を知っていたような口振りをしてた。そして…出会ってすぐに俺にキスしてきた」

「…は?え…キス?何の冗談?」


 ロキが首を傾げる。


「…俺も何かの冗談だと思ってたよ。でも…あいつにとって俺は…大切な何かだったって可能性が…高くなってきた」

「大切な何か…ねぇ」


 ロキが腕を組む。


「…昔殺し屋をやってた時…の依頼人とか?まぁ飽くまで予想だけどさ」

「依頼人…?」


 ジンが首を傾げる。


「それか…お前と出会った時に一番最初に言ってた、大切な物背負ってるって奴か?」

「大切な物を背負ってる…そう言えばそんな事言ったな」

「それの正体が案外そのエルって少女だったりしてな」

「まさか、俺はあの女の事を初めて見たのはここに初めて来た時だけだ。それに俺の思っている大切な物はそれとは違う。…違うはずだ」

「違う、はず?」

「…いや、何でもない」

「そうか」


 ロキが歩き始める。


「サキュアの復興も大事だが、この街にいる人にこの街はすぐ直るっていう安心を与えるのも俺達の仕事だ。ジン、お前も一緒に来てくれるか?」

「あぁ、勿論」

「もしかしたらそのエルって子にも会えるかもしれないしな」

「…冗談きついぜ」


 ジンとロキが笑い始める。


「…そういえば、このサキュアには…甘い香りが広がってるな」


 ロキが小声で呟く。

 ロキが辺りの匂いを嗅ぐ。

 サキュアは甘い匂いで満ちていた。


「…オアシスの匂い…か?」






 ――それから翌日…ウィッシュ城下町の駅にて。


「ホワイト…結構な大荷物ね」


 ホワイトは両手に荷物を抱えていた。


「そういうミカは…あんまり荷物ないんだ」


 ミカは片手に少し大きめのカバンを持っていた。


「まぁ…別にこれくらいあればいいかなって。休暇とはいえ…そんなに基地から離れるって訳じゃないし。何よりシェールさんに呼ばれたらすぐ行けるようにしとかないと…」

「…なんか似たような言葉を前にも聞いた事がある気がする…」

「デジャヴって奴ね」


 ミカがホワイトの服を見る。

 ホワイトは前とは変わって短いスカートに変えていた。


「…そういえば、今回は短いスカートにしたんだ。膝見える」

「あっ…うん。ミカが前に短いのも似合いそうって言ってたから…」

「うん、だいぶ似合ってる」

「えへへ…」


 ホワイトが照れる。


「あ、来たよ電車」


 ミカがそう言うと、電車がやってくる。


「ホワイト」

「うん、行こっかミカ」


 ホワイトとミカが電車に乗る。

 二人は空席を探し始める。


「えっと…こっち空いてる、こっち座ろ!」

「ん」


 二人が席に座る。

 ホワイトは窓を眺めていた。


「ホワイト」

「ん?どうしたの?」

「…お父さん、見つかるといいわね」

「うん!」

「…いや、一緒に見つけようだったわね」

「えっと…デジャヴって奴?」

「…まぁそんなとこ」

「あははっ」


 ホワイトが笑い始める。


「ねぇ見て!アレウィッシュマウンテンかな?綺麗!」


 ホワイトが窓からウィッシュマウンテンを指していた。


「ほんとだ、こっからでも見えるんだ」


 ミカが窓を眺める。


「そういえば…団長は今あそこに向かっているのかしら」

「あっ、そっか。ランスさんは願いの女神に会えるかに世界を駆けているんだっけ…?」

「そんなとこね。団長は団長で見つかるといいわね」

「そうだね」

「…ジンの方も、サキュアの謎見つかるといいね」

「…そうだね」


 ホワイトが目を瞑る。


「ホワイト?」

「………離れていても、心は繋がってるよね」

「そうね。ジンやロキ、シェールさんもそうだし、団長もそう。ナギサさんやルドさんだって…」

「…お父さんとも…きっと心で繋がれているよね…」

「きっと、ね」

「…うん」


 ホワイトが目を開ける。


「ミカ」

「…ん?」

「これからも宜しくね…心の友人…!」

「うん。こちらこそ…」


 ミカが微笑する。


「…繋命の謎も…お父さんも…必ず、見つけてみせる」


 電車が動き出す。



 ――ホワイトの父を見つける旅が…再び始まろうとしていた。







後書き。


どうも作者です。


第二部も完結!

魔力の根源編こと、「第二部︎︎︎︎︎可能と不可能の根源」はこの話を以て終了となります!

ここまで見て下さった方、ありがとうございました!



作者視点で正直言っちゃうと、「スピア強すぎないか?」「ランスお前そんなヤバい奴だったん?」みたいな感じにはなっちゃったんですけど、この辺りの設定はこの作品を書いてく上でこうするって決めてたので曲げない方向で進んでみました。

スピアやランスについてはこの物語を書く上でこの二人が魔力の根源である以上は結構大事な部分になってくるので謎を残しまくって終了って感じにしてみましたが、少し謎が多すぎるな………

本編かスピンオフで伏線(?)回収できたらいいですねー



もしまだ第一部や第二部を見てないよって方がいましたら一話から是非お読み下さい!


そして次回からは

「第三部 繋がる命と共存の悪魔」

が開幕…!

繋がる命という文字列は何度かこの作品に出してますが、悪魔とは一体なんでしょうかね…漸くタイトル回収ができるのかどうか。



面白いと思ったり、続きを読みたいって方は是非とも「評価」や「感想」、「ブックマーク」の方もよろしくお願い致します!



次回予告…

「謎の魔力と夢」


謎の魔力…夢を介して襲い掛かる。




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本編のスピンオフである
悪魔に堕ちて悪魔と結婚した太陽
も連載中!
是非こちらも御覧ください!
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