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白と悪魔と  作者: りあん
第二部 可能と不可能の根源
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ep72.可能の災い

「…1対6か…厄介だな」


 スピアがナギサを睨む。

 ナギサがスピアを見て疑問に思う。


「ねぇ皆。何かおかしくない?スピアの魔力…さっき二つ同時に扱っていた…」

「…もしかしたら、スピアの魔力が戻ってきているのかもしれません…」

「…なるほど」


 ナギサが息を呑む。


「そうなると一個ずつ対処じゃなくて二個同時に対処をしないといけないか」


 ナギサがそう言うと、スピアの近くに瞬時に移動する。


「…!」

「なら…魔力奪った方がいいよね…!」


 ナギサが剣を振るう。

 だが、スピアはそれをかわす。


「血を奪えば魔力も封じれる…ならひたすらに攻撃を…!」

「…貴様のその魔力、不愉快だ」


 スピアはそう言うと、シールドを展開し大量のナイフを浮かせる。


「っ…!」


 ナギサの剣がシールドに弾かれる。


「ナギサさん…危ない…!」

「消えろ」


 スピアは大量のナイフをナギサに向かって飛ばす。


「っ…!」

「ナギサ…!」


 ルドが魔力で巨大なシールドを展開。

 ナギサの目の前にシールドを置き、ナイフを防ぐ。

 カルム師団副団長、ルドの魔力はシールドの展開だった。

 魔力を帯びた盾のようなシールドは防御に使えるだけでなく…時に武器にもなる。


「ルド…!」

「…間一髪だな」

「チッ…厄介な…!」


 スピアがそう言うと、ミカとジンがスピアに近付く。


「話してる余裕ないよ…!」

「潰す…!」


 ミカが銃剣を振り、ジンが銃を撃つ。


「っ…!」


 スピアがシールドで銃弾を防ぎつつ、ナイフでミカの銃剣を受け止める。


「俺もいるの忘れてないか?」


 ロキがスピアの背後から殴りかかる。


「っ…!」


 スピアの背中にロキの拳が当たる。


「ぐぅっ…!」


 スピアがナイフでロキを振り払おうとする。


「あぶねっ…!」


 ロキがナイフをかわす。


「…厄介だな」


 スピアはそう言うと攻撃する四人から距離を取り始める。


「奴に魔力を使わせる隙を与えてはダメ…!」

「分かってます…!」


 ナギサとミカが剣と銃剣を振るう。


「っ…」


 スピアが両手で2つナイフを持ち、攻撃を受け止める。


「スピア…このままぶった切ってやる…!」

「…物騒だな」


 スピアが距離を取ろうとする。


「させるか…!」

「ここで倒す…!」


 ロキとジンが銃を撃つ。


「っ…!」


 スピアが銃弾をかわす。


「…一人では不利だな。ならば…!」


 スピアはそう言うと、天に向かって右手の人差し指から魔力によって紫色の光線をを飛ばす。

 その光線はまるで目印になるかのように。


「…!」

「可能性の欠片よ…戻れ…」


 スピアがそう言うと、ナギサが遠くから接近しようとしている気配に気付く。


「…!」


 ナギサが剣を構える。


「今のは一体…?」

「ミカちゃん、伏せて…!」

「え…?」


 ミカが疑問に思った瞬間、ミカに向かって『可能性の欠片ボルグ』が剣を構えて突っ込む。


「っ…!」

「危ない…!」


 ナギサが瞬時にミカの前に立ち、ボルグの剣を受け止める。


「…ほう、俺の攻撃を防ぐか」


 ボルグがニヤリと笑う。

 ナギサがボルグを剣で振り払う。


「こいつは一体…!?」

「可能性の欠片…スピアの魔力から生まれた存在だよ…!」

「可能性の欠片…!?」

「簡単に言えば…幹部的存在…」


 ボルグがスピアの元へ飛ぶ。


「…可能性の欠片ボルグよ、よく来た」

「仰せのままに、スピア様」


 スピアがボルグを見てニヤリと笑う。


「…はて、スピア様。グニールの姿が見えませんが」


 ボルグが辺りを見渡す。


「グニールは死んだ。奴の魔力を通じて見ていたがあの水の魔力を持つ小娘のせいで死んだ」

「なんと…グニールはあなたのお役に立てずに死んだのですね…」

「そうだな。だが…奴のおかげで得れた物もある」


 スピアがニヤリと笑う。


「ボルグ、貴様はグニールの様になるなよ?たかが人間相手に欠片が負けるなど…許されてはならないのだ」

「このボルグ、あなた様の要望に答えて見せましょう」


 ボルグはそう言うと、剣をナギサに向ける。


「…私と戦うつもり?」

「俺はグニールとは訳が違う。俺はスピアマウンテンの管理を任されたんだ。魔力の根源を取りに行くというちっぽけな任務を与えられた奴とは違うんだよ」

「…君達、結構仲悪いんだね。仕事の人間関係がそんなんじゃ円満にやってけないんじゃない?」

「ほざけ…!」


 ボルグがナギサに剣を振る。


「っ…!」


 ナギサが剣で剣を受け止める。


「私がこの可能性の欠片とやらを相手する…皆はスピアをお願い…!」

「了解です…!」

「俺も手伝う、ナギサ」

「…助かるよ、ルド」


 ルドが銃剣をボルグに向ける。


「二人がかりで俺に勝てるとでも?」

「勝てる勝てないじゃない。勝つよ」

「ふっ…そのふざけた口振りとそのふざけた思考をする脳…叩き切ってやろう」

「そっちこそ…グニールみたいに心臓ぶち抜いてあげるわ」


 ナギサがそう言うと、ボルグが再び剣を振るう。


「ナギサさんが押さえてくれる…ジン、ホワイト、ロキ!団長とシェールさんが来るまでスピアを食い止めるわよ…!」

「おう…」

「うん…!」

「…あいよ」


 三人がそう言うと、スピアが額を押さえて笑い始める。


「ははははっ」

「…何がおかしい?」

「食い止めるだの、持ちこたえるだの…私の魔力の前では無理なのだよ」

「…アンタの魔力の仕組みは把握できてるのよ、スピア」

「把握できたとて、それが行動に移せるかは別だろう」


 スピアがそう言うと、魔力弾を右手で作り始める。


「アレは…フェクトの魔力…!」

「私も最近得て試したい魔力がいっぱいあるのだ。貴様等で実験をさせてくれ」


 スピアがそう言うと、魔力弾を何個も放つ。


「っ…来る…!」

「ホワイト…気を付けて…!」

「うん…!」

「…この攻撃なら…!」


 四人が魔力弾をかわす。


「ふむ。この魔力は…うーむ」


 スピアが自身の右手を見る。


「っ…!」


 ジンが銃を撃つ。


「おっと」


 スピアが銃弾をかわす。


「まだまだ…!」

「俺も…!」


 ジンとロキが銃を撃ち続ける。


「…見える」


 スピアが魔力で目を赤く光らせ、軌道を読んで銃弾を全てかわす。


「この魔力なら、まるで時間停止を使ったかのように全て見える…!」

「っ…一発も当たらねえ…!」

「落ち着けジン。やみくもに撃っても当たらん」


 ロキがそう言うと、ミカが銃剣を構えてスピアに近付く。


「早い…!」

「スピア…覚悟…!」


 ミカがそう言うと、スピアがナイフを持って受け止める。


「っ…!」

「銃弾の軌道も読める、近距離戦も受け止めれる自己強化、良い感じだな」


 スピアがナイフでミカの攻撃を受け止めながら、左手を見る。


「次は左手で試すか」


 スピアが左手から風の魔力を生み出し、風を飛ばす。


「っ…!」


 ロキが風の魔力で吹き飛ばされる。


「ロキ…!!」

「アレはジハの…!」

「…これは良い、素晴らしい」


 スピアがニヤリと笑う。


「っ…大丈夫だ…」


 ロキがボロボロになりながらも立ち上がる。


「ロキ君…!」


 ホワイトがロキに瞬時に回復魔法をかける。


「…助かる」

「運良く軽傷…すぐ回復できたけど…喰らい続けると私の魔力が持たない…!」

「…そうだな。スピアの魔力の感覚が戻る前に早いうちに倒したいが…」

「魔力の感覚…」


 スピアがロキの言葉を聞いて何かに気付く。


「そうか、感覚を得るには…」


 スピアはそう言うと、その場で右手と左手で違う色の魔力の玉を作り出す。

 魔力の感覚を得るには頭で覚えるより身体で覚える方が早い、スピアはそう思っていた。

 そして…


「魔力を使い続ければいい…」


 スピアが右手から炎を飛ばし、左手から風を飛ばす。


「っ…!アレは合わせ技…!」

「避けて…!」


 四人が魔力による攻撃を避ける。


「炎はもう少し火力を上げれるな。風も出力を上げれる。練度を上げれば良いか」


 スピアが両手を見つめる。

 ジンがスピアに銃を向け、睨む。


「…おい、さっきから何ブツブツ喋ってんだよ」

「あぁ?色々試してるんだよ、邪魔をするな貴様等」

「俺達は実験台じゃねえ…!」


 ジンがそう言うと、ジンとロキとミカがスピアに接近する。


「…!」


 ジンが炎の魔力、ロキが蹴り、ミカが銃剣を振って攻撃する。


「っ…!」


 スピアは攻撃に対応できず、攻撃を受ける。


「…!入った…!」

「今のは大きい…!」

「チッ…!」


 スピアが三人から距離を取る。


「………」


 スピアが身体の傷を見て、魔力で再生する。


「…私一人で貴様等を相手するのにこんなに苦戦するとは」


 スピアが歯を食いしばる。


「…ボルグよ、そろそろ私に加勢を――ッ…!?」


 スピアがボルグの方を見る。

 だが、ボルグの左胸にナギサの剣が刺さっていた。


「がはっ…スピア様…申し訳…ございま…せん…」

「ボルグ…!!」


 ナギサが剣を抜くと、ボルグがその場に倒れる。

 ボルグの血が辺りに飛び散る。


「…少し負傷した程度で済んだね」


 ナギサとルドの脇腹から血が出ていた。

 ボルグによって負傷した物だったが、かなりの軽傷で済んでいた。


「…俺の判断力の無さでお前にダメージを受けさせてしまった。すまない」

「大丈夫…刺されるよりはマシ。切り傷くらいなら…大丈夫」

「っ…貴様等…!」

「ナギサさん…!」

「…流石、カルム師団の団長と副団長だ」

「ナギサさん…ルドさん…!今回復させます…!」


 ホワイトがナギサとルドに回復魔法をかける。


「ありがと」

「助かる」

「…さて」


 ナギサが剣を振って剣に付いた血を飛ばす。


「次はスピアだよ」


 六人がスピアの方を見る。


「…調子に乗るな」


 スピアが目を赤く光らせる。


「…!」

「あの目の光…まさか…!」

「奴の本気…!」


 スピアはそう言うと、自分が負っていた傷を回復させて大量のナイフを浮かせる。


「ダメ押しだ」


 スピアがそう言うと両手から魔力弾を作る。


「っ…!」

「アレを同時に…!」

「くたばれ」


 スピアが大量のナイフと魔力弾を同時に飛ばす。


「っ…!」

「まずい…あの攻撃は…!」

「避け…きれない…!」

「っ…!」


 ジンが右手に魔力を込め、超火力の炎を出す。


「っ…!」


 ジンの炎が魔力弾と大量のナイフを受け止める。


「ジン…!」

「チッ…そのふざけた魔力…!」


 スピアが炎を避ける。


「逃がさない…!」


 ナギサがスピアに向かって剣を振る。


「っ…邪魔だ…!」


 スピアがナギサの剣を避ける。


「ミカちゃん!」

「はい…!」

「…!?」


 ミカが魔力で剣を生み出し、スピアの後ろから斬りかかる。


「ッ…!」


 スピアの背中がミカによって斬られる。


「邪魔だ…!」


 スピアがミカの方を向き、魔力弾を放つ。


「っ…!」

「ミカさん…!」


 ルドが魔力でミカの目の前に小さなシールドを展開し、魔力弾を防ぐ。


「ルドさん…助かります…」

「袋叩きとは卑怯だな、人間共!」


 スピアがオアシスの近くまで移動する。


「っ…!奴がオアシスの近くに…!」

「まさか…魔力を取り込む気…!?」

「させない…!」


 ナギサがスピアに向かって剣を振る。


「っ…!」


 スピアがナイフで剣を受け止める。


「邪魔をするな…小娘…!」

「小娘じゃないわ…私はナギサ。あなたを…倒す者よ」

「…ふん。覚えておいてやる」


 スピアの持っているナイフが弾かれる。


「まだ完全に戻らない…か」


 スピアが自身の右手を見る。

 ミカがジンの耳元に寄る。


「…ジン、少し話が」

「…何だ?何か案があるのか?」

「…そう。アンタの魔力だったらきっと…上手く行く――」


 ミカがジンの耳元で提案を言う。


「………なるほど、了解した」

「あの強いナギサさんなら…アンタにも合わせてくれるはず」

「…そうだな。あのバケモンと対等に戦えるあの人なら…」


 ジンがスピアを睨む。





 一方…ランスとシェールは…


「サキュアにいる皆は一旦避難させれたわ…」

「あぁ…団員の到着はまだか?」

「この近くに配置してた団員に連絡を付けれたしもうすぐ着くはず。…と、噂をすれば」


 ランスとシェールの元にラッシュ師団の団員がかけつける。


「団長!シェールさん!」

「おう。この街にあるオアシスの近くで皆が戦っている。住民を巻き込まないよう、避難させてくれ」

「承知!」


 団員がそう言うと、団員が大勢の住民の方へ向かう。


「シェール、頼みがある」

「…どうしたの、ランス君?」

「団員と共に引き続き住民を避難させてくれ。この距離でも危険かもしれない…」

「分かったわ。ランス君は…どうするの?」


 シェールがランスの目を見る。


「俺はスピアを止める。奴を倒し…この戦いに終止符を討つ」

「…そう」


 シェールがランスの手を握る。

 シェールはランスが心配だった。

 可能の災いディ・スピアとの戦いは必ず熾烈を極める。

 恋人には死んでほしくない、そう思っていたシェール。


「シェール?」

「…大丈夫だと思うけど、死なないで」

「分かってる、死にはしない」


 ランスがもう片方の手でシェールの頬を触る。

 シェールに心配をかけまいと、彼女の頬に触れる。


「…ランス君」

「行ってくる、皆を頼む」

「…そっちも、皆をお願いね…」

「あぁ」

「…そうだ、ランス君。こんな時だけど…聞いてくれる?」

「なんだ?」


 シェールがランスの耳元で話す。


 少し間が空き…ランスが答える。


「………分かった」


 ランスはそう言うと、オアシスの方へ向かう。


 ――果たしてこの二人が話した内容は何か。

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本編のスピンオフである
悪魔に堕ちて悪魔と結婚した太陽
も連載中!
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